東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2012年11月18日]

【マイルCS】18頭のどれが勝ってもおかしくない

今年の6月末で閉店した吉祥寺の居酒屋「青夷」(“あおい”と読む)が新たな場所で開店した。旧店は駅から1分だったが、新店までは5分ぐらい歩く。でも、かつての常連に声をかけてのプレオープンの初日、まるで同窓会のような華やいだ雰囲気で盛り上がった。


私は凱旋門賞の配当金を携えていったので、数人からは熱い歓迎を受けた。なにしろ、ここだけの秘密だが(笑)、オルフェーヴルの複勝が2.9倍も付いたのである。単勝が4.5倍だから、これはもう破格の複勝配当というしかない。というのも、凱旋門賞を観戦に来た数百人の日本人がやたらとオルフェーヴルの単勝を買う。しかも高額購入だから単勝のオッズはどんどん下がる。勝ってほしいという気持ちは私も人後に落ちないが、馬券は心情だけではとれない。そのことは競馬歴40年のなかで、さんざん苦杯をなめてきた。


だから、「青夷」の常連競馬派には「単勝は薄めに、複勝を厚めに」と勧めていた。高額購入者の日本人は単勝のわりに複勝は買わないから、複勝のオッズは下がらないわけだ。この仕組みに気づいていたので、誰にも教えたくなかったのだが(笑)、ここの読者だけにそっと教えておこう。


ところで、カウンターの右隣にはあいかわらずデータ派の口撃機関銃のヤマが座り、まくしたてる声で喧しい。左には酔っぱらって訳の分からない事をくりかえすカタギリ某が鎮座しているから、常人でいようとする自分に涙がこぼれる。かつては競馬に詳しかったカタギリ某だが、今では台湾人の良妻の尻にしかれて「馬券を買わなくても競馬は楽しいですよ」などと言っている。そのわりには、知識が散漫にして無知蒙昧になってしまい聞くに耐えられないんだよ。


さて、マイルCS。どんぐりの背比べ、帯に短し襷に長し、18頭のどれが勝ってもおかしくない。一番人気は(7)グランプリボスらしいが、ほかの馬がつけ入る隙は少なくないと思う。口撃機関銃のヤマはめずらしく自信なさ気に(9)ガルボを狙うと言うし、千円酔客の覆面教育者オミ馬券師は(6)レオアクティブを狙っているとか。


ヤマちゃんのデータによれば、このレースは天皇賞組の善戦が目立つという。ならば

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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