東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2018年05月05日]

【NHKマイルC】若駒の成長に一票

「階級闘争」などという言葉はほとんど聞かれなくなった。「万国プロレタリアートよ、団結せよ!」と結んで階級闘争を宣言した『共産党宣言』であるが、20世紀には絶大な影響力をもっていた。その著者の一人カール・マルクスが誕生したのが200年前の今日5月5日である。私は30数年前、ドイツにあるローマ遺跡で名高い都市トリアーでマルクスの生家を見たことがある。

21世紀には死語のごとき階級闘争だが、競馬の世界では歴然と生きている。というのも、有産者は大金を本命馬券につぎ込み、無産者は少額を高配当馬券に賭けるのだから、階級闘争以外のなにものでもないのだ。

あいにく居酒屋「青夷」の競馬常連組には有産階級らしき人物はいない。富豪らしき馬主の人物なら知っているが、その方なら本命⑦タワーオブロンドンの複勝に大金をつぎ込むにちがいない。貧民にはとてもできない芸当である。

連休中の居酒屋「青夷」は期間中なら最初の一杯はただ酒の宣伝効果があってけっこう席が埋まっている。朝から酒を飲んでいるから夕刻にはもはや酔っぱらい以外の何者でもない口撃機関銃ヤマは「ダービーが終わったら競馬を止めるぞ」と大声で叫んでいるが、誰も信用していない。このところ負けが重なっているのではという憶測が飛びかうだけだが。

それでもNHKマイルの予想ならヤマは本命⑦を軽視してほんの押さえでしかないという。自信があるのが①カツジらしく、前走のニュージーランドTがとても届かない位置から大外まくりの圧勝は感動ものだったらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は藤澤ルメール組に一目おいて⑦を狙う堅実予想。プロレタリアートらしく穴狙いのマスターは御しがたいオルフェーヴルを乗りこなした池添騎手を信用して同馬産駒⑱ロックディスタンスからワイド総流しの仰天馬券で行くとか。このところマンハッタンカフェ産駒の出走なしで馬券を控えていた熟女馬券師ワフさんだが、アーリントン出走組の1着⑦と2着⑩パクスアメリカーナを中心に馬券常連組の狙いに便乗するらしい。

私は休養明けの前走、今までより後ろから57キロで追走して3着に成長ぶりを感じさせた④フロンティアを狙ってみる。相手はルメール⑦かデムーロ⑨ギベオンか迷うところだが、やはりミノ先生の見識に敬意を表して⑦に投じることにする。

爽やかな天候のごとく馬券も爽やかな気分でいたいものだ。


NHKマイルC

④-⑦ ワイド1点で勝負する

④-⑦の2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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