東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年10月26日]

【天皇賞・秋】名勝負のあとは美酒に酔う

今年の天皇賞・秋もベストターンドアウト賞の審査員を依頼された。装鞍所とパドックで出走馬を見て、手入れが行き届いていそうな馬を選ぶのだ。尾形充弘元調教師と二人で検討することになっている。なによりも、至近距離でアーモンドアイとサートゥルナーリアを見られるのが嬉しい。もちろん手入れの良し悪しを判断するわけだが、勝負となると私は馬の眼つきに注目する。研ぎ澄まされたような眼をしているのがいい。この点で、一昨年はキタサンブラック、昨年はレイデオロだった。結果を知っているから言うのではなく、ほんとうに審査しながら、そう見えたのである。

このところ雨天つづきだったが、この土日はなんとか天気はもちそうである。なんといっても古馬最強の②アーモンドアイ、3歳世代最強の⑩サートゥルナーリアの2頭は強力ライン。2頭の一角を崩す馬がいないか、と馬券常連組は虎視眈々と腕まくりしている。口撃機関銃ヤマは3歳馬が17年勝っていないのを嫌なデータとして⑩を軽く見るらしい。本命には東京コース2戦2勝のダービー馬⑭ワグネリアンを狙い、後は②、⑨ダノンプレミアム、⑩の順で買うという。ギャンブル狂師ミノ先生は②の軸は外せないとして3,4頭に流し、超大穴に3歳馬⑬ランフォザローゼスを狙っているという。もともと穴狙いのマスターは、逃げる⑤アエロリットにがんがん引っ張ってもらって、最後に⑥ユーキャンスマイルの追い込みが決まるという筋書きらしい。

G1馬が10頭も出走する豪華メンバーだから、やはりすばらしいレースであってほしい。とくに②アーモンドアイと⑩サートゥルナーリアの決戦になれば、まちがいなくthe best race of year だろう。できれば1着同着あればと高望みしたくなる。でも馬券は馬券だから、3着候補の筆頭に⑭ワグネリアンをあげておく。ワイドの相手はいささかでも高配当を狙って⑩に絞る。観戦後はいいレースを見たという美酒に酔いたいものだ。


天皇賞・秋

⑩-⑭ ワイド1点で勝負する

②⑩⑭の3頭で3連単ボックス6点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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