東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2021年11月13日]

【エリザベス女王杯】馬券も秋晴れとなれ!

11月7日(日)早朝のグリーンチャンネルで見たアメリカ競馬の祭典BC(ブリーダーズカップ)シリーズは衝撃だった。なにしろ金土の2日間でG1レースを13戦も実施し、各部門のチャンピオンを決めるのだからすごい。私も2回、1900年のベルモント(ニューヨーク)と2008年のサンタアニタ(ロサンゼルス)のBCを競馬場で観戦したことがある。

ところが、この早朝に、3歳馬と古馬の牝馬の女王決定戦BCフィリー&メアターフ(芝2200m)を川田騎乗のラヴズオンリーユーが優勝したのである。日本馬初のBC制覇の快挙に感激もひとしおだった。ついでにやはり牝馬限定のBCディスタフ(ダート 1800m)までも日本馬マルシュロレーヌが勝ったのだから、日本の競馬ファンとしてはたまらなかった。ちなみに彼女は日本では無名に近く、しかもダート競馬が主流のアメリカにとっては、ディスタフでの日本馬勝利が衝撃だったはずだ。いやはや、日本の競走馬のレヴェルもいよいよこの高さまで来たかと感涙むせびたいところかも。

さて、エリザベス女王杯はまさしくBCフィリー&メアターフに相当する牝馬女王決定戦である。昨年の無敗三冠牝馬デアリングタクトでも出走すれば、もっと華々しいだろうが。もはや居酒屋「青夷」のなかの風前の灯みたいな口撃機関銃ヤマは、足元不安をかかえていても出走するからには万全と見なして、昨年のオークス2着馬⑨ウインマリリンを狙うという。相手本線も同一馬主の⑮ウインキートス。あとは有力馬数頭をからめて、馬連、3連複、3連単で勝負するらしい。なぜか距離が長すぎるとして、ルメール騎乗の①レイパパレは軽視するというから、大胆不敵か蛮勇愚策か、結果で毀誉褒貶が決まる。

ギャンブル狂師ミノ先生は、人気薄の⑪ソフトフルートを狙うという。昨年の秋華賞前のレースの勝ちっぷりと秋華賞3着の実績を評価して、有力馬4頭に流すらしい。穴党専科のマスターは、⑤ステラリアに注目。中団あたりで折り合いがつけば、すごい末脚が炸裂するところに目をつけているという。

3人3様、人気は割れたが、秋華賞馬③アカイトリノムスメ本線がないのが、気がかり。馬券歴の長い御3方の御見識は尊重するが、ここは素直に③アカイトリノムスメを信頼すべきではないだろうか。相手はゴール前に上り坂のある阪神競馬場の実績を重んじて、4月の忘れな草賞を好タイム&上がり最速で勝利した⑤ステラリアに期待してみる。秋晴れのなか、いささか低迷馬券組の憂さを拭い去ってほしいものだ。


エリザベス女王杯

③-⑤ ワイド1点で勝負する

③-⑤ 2頭軸の3連複総流し15点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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