東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2021年12月25日]

【有馬記念】こんなときこそ高配当が!

年末の大一番とあって、にぎやかな気分で盛り上がりたいところだが、他人事とはいえ、どうも神田沙也加の急死は重くのしかかっている。別に正輝ファンでも聖子ファンでもないのだが、やはり実子に先立たれた親の悲しみほど悲痛なものはないと思ってしまうのだ。ふりかえれば、私の父親が逝去したとき、母親は毅然としていた。だが、長男である私の実兄が還暦で亡くなったとき、彼女は涙にむせんで悲しみに打ちひしがれていた。私は「この母親より絶対に先に死んではいけない」と内心誓ったものである。

まあ、その悲しみに比べれば、たとえ有馬で大金を失っても、涙の一滴でもこぼれるものではない。幸い、先週の朝日杯FSで、単勝・複勝・ワイド・3連複を獲ったせいで、資金はたっぷりある。ここは暮れの大一番にふさわしく大勝負したいところだ。

当然ながら、居酒屋「青夷」の競馬常連組もいつになく熱っぽい。今年の馬券回収率が7割以下と嘆く口撃機関銃ヤマだけに、ここはなんとしてもアップさせたいようだ。データ上、凱旋門賞帰りの惨敗が目立つところから、2番人気の⑦クロノジェネシスは軽視、⑤ディープボンドは無視するという。現3歳世代が強いと評価して、その代表格⑩エフフォーリアの実力を素直に信じるらしい。相手本線には人気薄だが中山巧者の2頭⑥ウインキートスと⑭アサマノイタズラを狙うという大胆戦略。

ギャンブル狂師ミノ先生は、天皇賞で強豪のコントレイルとグランアレグリアを破って55キロで走れる⑩エフフォーリアで仕方がないと素直な評価。相手は馬よりも外国人騎手を重視して、ルメール⑦、デムーロ兄弟の①ペルシアンナイトと⑨ステラヴェローチェを狙うという。なにしろこの10年、外人騎手が馬券から外れたことはないらしい。穴党専科のマスターは350キロ前後の超軽体重の④メロディーレーンを応援しながらも、馬券は別。昨日の時点で、⑨ステラヴェローチェには250万円の大量購入があったという噂があり、一時的に一番人気にもなったらしい。この噂に便乗して、2強を結んで、⑦-⑩-⑨の3連単1点勝負するというから、まあ頑張ってくれとでもいいたくなる

巷では、⑦クロノジェネシスと⑩エフフォーリアの2強に加えて、菊花賞を圧勝した⑯タイトルホルダーの食いこみありで、お堅い馬券になりそうだというのがもっぱらの噂である。でも、こんなときこそ、どこかが狂って高配当が出てしまうもの。まして、3着までが対象のワイドなら、何があってもおかしくはない。ここは、なんとしても穴馬感のある2頭を突きとめるに徹する。凱旋門賞前哨戦フォア賞をあざやかに逃げ切った⑤ディープポンドといつも強烈な末脚をくりだす堅実馬⑨ステラヴェローチェであれば、ワイド高配当もありそうだ。こんな鬱々たるご時世だから、そんな夢があってもいい!

有馬記念

⑤-⑨ ワイド1点で勝負する

⑤-⑨の2頭軸で、3連複総流し14点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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