うまスクエア

第274回［2013年12月20日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

良血馬・評判馬が多いが…!?

【関西事情通のちょっとイイ？話】

●良血馬・評判馬が多いが…!?●

今週はいよいよ有馬記念だが、その前日に行われる恒例の２歳重賞、ラジオNIKKEI杯もまた、来年のクラシックを見据えるレースとして有馬記念同様に注目されている。今年もまた、東京スポーツ杯の当時にも触れた、池江泰寿調教師が本気で凱旋門賞挑戦を考えているというサトノアラジン、ディープインパクトの半弟で、某少女グループの女の子が命名した事で評判になっているモンドシャルナ、さらに先日ジャパンカップにも来日したジョシュアツリーの弟、シンガンなど良血馬・評判馬が多く話題性のある馬が揃った。

しかし、そんな良血馬や評判馬は過剰に人気になりやすく、穴馬券が好きなファンには悩ましい存在。そんな方は、是非この馬に注目して頂きたい。

父ゼンノロブロイ、母父マルゼンスキー、管理厩舎は加用厩舎のアズマシャトルだ。確かに、近親にスティルインラブはいるものの、今回のメンバーでは決して目立つ存在ではない。

しかし、この馬のデビュー戦は、その良血馬・評判馬と比較しても全く遜色ないインパクトがあった。

終い２Ｆが11.5－10.9という決め手勝負のレースを、外から豪快に差し切り勝ち、その決め脚には将来性を感じずにはいられなかった。注目の２戦目となった千両賞では、前有利な展開でウインフルブルームに敗れてはしまったが、相手は先週の朝日杯ＦＳで僅差 の３着、悲観することは無い。

しかも、実はその前走時、ややソエ気味だった事に加え、トモの状態も今ひとつだった。そんな状態での２着と言うことは、まともなら朝日杯ＦＳで僅差３着馬を負かしていたも同然、ゆえに朝日杯ＦＳを勝っていた可能性まである。

そのソエとトモの状態が気になるところだが、悪くなるどころか全く気にならないぐらいで、前走よりはかなりいい状態だそうだ。ゆえに、今週はＣＷコースで３頭併せの大外から、強い負荷をかけた調教もされている。

良血馬・評判馬の影に隠れたまさに人気の盲点、穴馬券が大好きな方は是非注目して頂きたい。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●牡馬クラシックが見えてくる●

アジアエクスプレスとショウナンアチーヴ、関東馬のワンツーで決まった今年の朝日杯FS。

今週中山では皐月賞と同舞台で行われるホープフルＳ、阪神ではクラシックに直結するラジオNIKKEI杯２歳Ｓが行われ例年は関西馬が優勢だが、果たして関東勢はここでも強さを示すことができるのか。

まずはホープフルＳ。注目は唯一の２勝馬ウインマーレライ、コディーノの全弟トレクァルティスタ。

中でも実績最上位のウインマーレライの主戦丹内騎手は今回のレースへ期するものがありそう。

なぜなら、前走の東京スポーツ杯２歳Ｓはこれまでどおり控えて差す競馬をするつもりが、まさかの好スタートから先団に取り付き、それだけならまだしも、終始掛かってしまい失速。「うまく乗れなかった」というコメントどおり悔いの残る競馬だったようだ。

乗り替わりが日常茶飯事の時代「次は結果を出します」という若手騎手の意気込みを応援したい。

また、トレクァルティスタは「素質はコディーノとそん色ない」と前置きしながらも「気持ちがまだ幼くモロいところがあるのでスムーズな競馬が条件」と注文つき。

一方、ラジオNIKKEI杯２歳Ｓ。関東からは戸崎、後藤、三浦騎手の３名が遠征。

注目は唯一の関東馬でハイレベルだった札幌２歳Ｓで１番人気に支持されたマイネルフロスト。

超のつく道悪馬場で多くの陣営が口にしているようにマイネルフロストも「馬場に泣かされた」とコメント。

主戦の三浦騎手が早い段階からここへの遠征を予定していたように、その素質は本物で「良馬場で改めて力を示したい」と自信満々。

また、出世レース東京スポーツ杯２歳Ｓで１番人気に支持された戸崎騎手騎乗のサトノアラジン。

今年からＪＲＡ所属になり現在関東リーディング２位。多くの有力な２歳馬に騎乗してきた戸崎騎手が「この馬はすごい」と評したその素質の高さは１度の敗戦だけで見限ることはできない。

来年の牡馬クラシック路線の輪郭がはっきりと見えてくる重要なレース。見逃し厳禁！