第852回&第853回
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【美浦の『聞き屋』の囁き】
●ヴィクトリアマイルのあれこれ●
ルメール騎手が騎乗する予定だった
ノームコアはレーン騎手へと乗り替わったが、そもそもルメール騎手は2択でノームコアを選択。もう1つの選択肢だったのが
アエロリット。
ルメール騎手に断られたアエロリットは以前乗ったことがある戸崎騎手か横山典騎手で横山典騎手を選択。
騎乗馬がいなくなった戸崎騎手は、岩田騎手が断った
クロコスミアが回ってきてコンビが決定。
ラッキーライラックの石橋騎手は前走の大敗で一時は乗り替わりという話になったようだが、候補に挙がった騎手たちにすでにお手馬がいたことで、乗り替わることなくコンビ継続となったようだ。
アーモンドアイがいなくなった牝馬路線は混迷したままで中心となる馬がいない状況。
このレースを勝った馬が一歩リードとなり、秋のエリザベス女王杯やマイル路線の中心となるのかもしれない。
春の女王となるのはどのコンビか。安田記念へ向けても見逃せない。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●好走条件の揃った穴馬!●
昨日もお伝えしたが、先週の報道でもあった通り昨年は牝馬3冠のみならずジャパンCも制し今年もドバイへ遠征しドバイターフを勝利、目下GI5連勝中で現役最強とも言える存在のアーモンドアイが、安田記念に参戦することが決まった。
現役最強クラスの馬で、当然の事ながら現役牝馬ではNO1の存在、これは誰もがそう思うところ。ゆえに日曜のGI
ヴィクトリアマイルは、レースの意味するところは「春の女王決定戦」ではあるものの、事実上は女王不在のため「NO2決定戦」ということになる。
そんな中だからこそ伏兵にもチャンスはあると言うもの。
注目してみたいのは、今年は3度目の挑戦となる6歳牝馬の
デンコウアンジュだ。
その3回全て、ステップレースには福島牝馬Sを選択し、一昨年は4着、昨年は3着、
そして今年は勝って挑んできた。
そもそも2歳時には、今回と同じ東京芝マイルの舞台のアルテミスSで、後にGIを勝つメジャーエンブレムを差し切り優勝、素質の高さは若い頃から見せていた。ただその後は重賞で好走はするものの勝つまでには至らなかった。その理由は、ずっと緩さが残り速い時計の決着に対応できなかったことが大きい。それが昨秋辺りから漸く芯が入り、速い時計の決着でも対応出来るようになった。実際、それまではマイル戦で1分33秒を切ることは無かったが、昨秋のキャピタルS、そしてターコイズSでは32秒台で駆けることができていた。
そしてもうひとつ、鞍上の柴田善騎手との相性も特筆もの。牝馬特有の気難しさがあるデンコウアンジュは、乗り手によっては全く走らない時もあった。それがゆえに、なるべく乗りなれている蛯名騎手に打診していたのだろう。実は前走でも、まずは蛯名騎手に打診していたのだが残念ながら先約があり乗れず、そこで初騎乗のターコイズSである程度の結果を出してくれた柴田善騎手に打診したという経緯、そして結果見事勝利を挙げた。
その流れで来れば、当然ここでもコンビ続投となるのは必然。馬自体の成長があり、そして状態も上げ、さらに相性抜群のパートナーを得たここ、そもそも1昨年は2着している舞台、そしてリピーターが良く穴を空ける特殊なGIでもあり、とにかく好走条件が揃っている。
揃い過ぎている事が逆に気にはなるものの、人気も無く注目したくなるのは当然だろう。是非、馬券対象内に飛び込む激走を見せて頂きたい!
※過去のヴィクトリアマイルの主なリピーター馬
2018年ジュールポレール 8番人気1着(前年3着)
2016年ストレイトガール 7番人気1着(前年1着)
2015年ストレイトガール 5番人気1着(前年3着)
2014年ヴィルシーナ 11番人気1着(前年1着)
2013年ホエールキャプチャ12番人気2着(前年1着)
【競馬場から見た推奨馬券】
今週こそ良いお天気。しかもコース替わりで絶好の馬場コンディション。思い切り勝負ができそうですね。ただ、このG1は難解ですねー。買いたい馬が10頭はいます。軸を決めて、えいやーと流すしかないですね。
迷いに迷った結果の中心馬は、2番
レッドオルガ。
まずは5戦使って、全て馬券圏内に入っている東京巧者であること。
そして枠順がベスト。後入れの偶数番では最内。コース替わりで、再び内が有利な馬場になるはずだ。スタートさえ五分なら先に行く競馬も多々している。しかも何故か東京コースでは出遅れがない。
前走の阪神牝馬Sの内容も良い。一番外を回って、直線は内から併せてきたラッキーライラックとの競り合いを制した。スローで先行決着の中、0.1秒差も優秀だ。
2カ月ぶりを叩かれて、最大目標であるここに向けてのローテーションにも好感。
東京新聞杯も最内を突いたインディチャンプとサトノアレスとは接戦だったが、後続は離した。その中にはロードクエスト、タワーオブロンドン、ロジクライなどの今回もそこそこ人気になる馬たちもいた。
今年の2戦の内容、臨戦過程、枠順と減点材料の最も少ないレッドオルガが、頭一つ抜けていると見た。
単勝 2
3連単 2の一頭軸マルチ 4.6.7.8.918が相手
自信度 C
他では
東京9Rから。ハイレベルの3歳ダート戦に注目。来年のフェブラリーSでも、重い印がつきそうな素質馬が数頭おり、かなり興味深い一戦だ。
その中でも、一番大物感が漂うのが
カフェクラウン。2戦とも走破タイムこそそれほどではないが、そのレースぶりが圧巻。
新馬戦は軽く仕掛けただけで、他馬を突き放す一方の独走。2戦目も相手に合わせてやっているという感じの競馬で、本気で追うことなくノーステッキにて完勝。追えばいくらでもも時計は詰まりそうだし、全く底が見えない。
更には、今回と同じ東京ダート1600mしか使われていない点が良い。ライバルと目されるデアフルーグが、左回り初めて。デュープロセスは1400mしか使ったことがない。それだけにコース的にもカフェがかなり有利。
ライバル2頭もかなりの逸材ではあるが、個人的にはカフェから受けるインパクトが一番強い。
単勝 7
馬連 1-7 7-11
3連単 7の一頭軸マルチ 1.11.12が相手
自信度 B
東京12Rは、
ドリュウで勝負したい。
前走はハルクンノテソーロに破れはしたが、勝負どころで挟まれかけ、仕方なしに内に進路をとるはめに。おかげでスムーズにはいかず、進路を探しながらの追い込みとなってしまった。それでもハルクンとはクビの上げ下げの差。すんなり外に出せていれば、勝ちまである脚勢だった。
その前走は、得意の東京を待って2カ月開いての出走だっただけに、当然上積みも期待できる。
単勝 12
馬連 2-12 12-13
3連複 2-12-13 2-6-12 2-10-12
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●それぞれにそれぞれの思い●
先週の報道でもあった通り、アーモンドアイの安田記念参戦が決まった。昨年は牝馬3冠のみならずジャパンCも制し、今年もドバイへ遠征しドバイターフを勝利、目下GI5連勝中で現役最強とも言える存在。ただ、同世代の牡馬で、クラシックのタイトルは無いものの「世代最強牡馬」という声は多いダノンプレミアムとはまだ未対戦。漸く叶う世代最強牝馬と世代最強牡馬の対決は今から楽しみでならない。
その安田記念へ向けた前哨戦が今週末行われる。土曜日は
京王杯SC、本番へ向けて注目の一戦になる。
関西所属ジョッキーは5人が遠征。内枠から触れていくと、坂井瑠星騎手は自厩舎の
リライアブルエースで参戦。東京芝1400mは丁度1年ほど前のオープンで鮮やかに差し切った舞台。もちろん期待はあるはず。ただ同厩舎で前走手綱を取っていた
エントシャイデンも出走しているが、選んだわけではないのでご注意頂きたい。
福永騎手は自らの手で連勝させている
トゥザクラウンで参戦。良血馬がいよいよ開花した雰囲気。前走が1000m通過56秒1というハイペースで飛ばして押し切る内容。ブリンカーが効きすぎていたところがあり、今回はブリンカーを外して挑んで来るが、少しでも溜めが利けばここでも勝負になっていいだろう。因みに福永騎手は安田記念でインディチャンプの手綱を取ることになっており、ある意味でここが勝負の一戦。
武豊騎手はサトノダイヤモンドの半妹
リナーテで参戦。この馬もまた漸く素質開花した感がある。牝馬でもあり日曜日のヴィクトリアマイルに出走していてもおかしくないのだが、距離適性を考慮しここへ参戦となった。安田記念ではまだ騎乗馬が決まっていない武豊騎手、候補の1頭を作っておきたいところ。
ミルコは
ロードクエストに騎乗。このコンビは、当時も取り上げた昨秋のスワンS以来。その後のマイルCSでペルシアンナイトに騎乗していたが、今回もやはり安田記念ではペルシナンアイトに騎乗することが決まっている状況。ゆえに鞍上的にはここが勝負の一戦ではある。
最後に池添騎手。騎乗する
スマートオーディンは、一時は前走で復活の勝利を上げた藤岡佑介騎手に打診があったが、本番とのセットでの騎乗依頼でもあり、当時はパクスアメリカーナというお手馬がいたため乗れず、それで池添騎手に声が掛かった形。
目黒記念でブラストワンピースに回り回って騎乗できることになった様に、今は「そういう流れ」の中にいる一人、そういう意味で見るとこの騎乗も侮れない。
それぞれにそれぞれの思いのあるこのレース、どんな結末を迎えるのか興味はつきない。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●AコースからBコースへ●
安田記念はアーモンドアイとダノンプレミアムの2強が中心。
ほかにもGⅠ馬のステルヴィオ、ペルシアンナイト、モズアスコット、など伏兵と呼ぶには贅沢なメンバーが集結しており、ナンバー1マイラー決定戦と言ってもいい。
2強への挑戦権をかけた戦いとなる今週の
京王杯SCはフルゲート割れの16頭。
人気の中心は藤沢厩舎の
タワーオブロンドン、
サトノアレス、連勝中の
トゥザクラウンに復活をはたした
スマートオーディンなど多彩なメンバー。
先週騎乗停止となったルメール騎手で挑む予定だった
ロジクライは戸崎騎手へと乗り替わり。
関東リーディングの戸崎騎手に騎乗馬がいなかったように、今のマイル路線は関西勢の勢いが強く、また一部の騎手に馬が集中的に集まる状況なので、お手馬という存在がより複雑になっているのだ。
安田記念での騎乗馬がすでに決まっているのはペルシアンナイトのデムーロ騎手、インディチャンプの福永騎手ぐらい。他の騎手は騎乗馬が決まっていないので、ここで賞金加算をして出走を狙うしかない状況。
先週の土日は馬場の外目が顕著に伸びる傾向で差しが決まりやすかったが、今週からA→Bコースへと変更となる。
例年、コースが変わると途端に内目、先行馬が有利となりやすい傾向になる。
騎手のモチベーション、枠順、脚質を加味すれば馬券への近道となるかもしれない。