第860回&第861回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●東京凱旋!●
5週連続東京GI開催も先週の安田記念でラスト、今週の東京の重賞
エプソムCは、昨年まであったクラス再編成の降級制度の影響で、安田記念を賞金除外された4歳馬の残念会のようなレースでもあったが、それとともに春の連続GIの閉幕と夏競馬の開幕を知らせる節目の重賞というイメージが強い。
降級制度が廃止された今年は少し形相は違うものの、今年も如何にも「エプソムCらしい」メンバーが揃った。
そんな中で注目してみたいのは、ここに来て本格化気配のある④
ソーグリッタリング。
今春の復帰後はリステッドレースを連勝、しかも前走は抜け出してから遊ぶ余裕まであったように、まだまだ能力を隠し持っている。今回は2歳時の京都2歳S以来の重賞挑戦となるが、この相手でも全く劣らないだろう。
鞍上は浜中騎手。
先週の松若騎手や土曜の松山騎手同様、本来であれば阪神で騎乗していたほうが騎乗鞍数も集まるだろうし有力馬に乗る機会も多いはず。それを敢えて東京へ遠征してくるのは、もちろんそれ以上の魅力があるからこそ。この日曜はメインとひとつ前の準メインのトゥザフロンティア2鞍だけの騎乗。そのトゥザフロンティアは初騎乗、同じ池江泰寿厩舎の管理馬なだけに、いろいろな意味でプレゼント的なところはあるだろう。
そう、要はソーグリッタリングのために東京へ遠征してきているということ。
前走は直前の怪我で急遽乗り替わり勝たれてしまった苦い思いもあるが、それでも騎乗依頼があったことで期するところもあるだろう。
道悪になっても過去好走実績があり、また速い馬場での決着も歓迎のクチで、どちらになっても大丈夫なタイプ。それを知ってか陣営も自信を持っている。
ダービージョッキーとなってから今回が初めての東京遠征でまさに東京凱旋、是非勝利で飾って欲しいものだ。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●重馬場適性が大事になるかも●
例年以上に出走頭数が少なく、人気の一角だったソウルスターリングの回避で13頭立てとなった今年の
エプソムC。
人気の中心はGⅠでは跳ね返されてきたが、GⅢなら断然上位という力を前走で示した
ミッキースワローだろう。秋は天皇賞を目指しているとのことで、ここからまたステップアップするために結果にこだわりたいところ。
今年の大阪杯を制したアルアインを、あっという間に抜き去った2017年のセントライト記念から勝ち星がないままなので、ここで弾みをつけたい。
他では、短期免許で来日した外国人騎手の重賞勝ち数の新記録を達成した
レーン騎手。
先週までの時点でGⅠ勝ちを含む重賞5勝。
来日して6週間で重賞5勝は驚異的な成績。
もちろん、チャンスが大きい馬に乗っていることもあるが、技術の高さを示す数字として勝率、連対率が目安としてあり、勝率は川田騎手を上回って1位、連対率はルメール騎手に次いで3位。
初来日でこれだけの成績を挙げられるのは確かな技術があってこそ。
いつでも重賞に手が届きそうで届かない
プロディガルサンをどう導くのか。
前走は硬すぎる馬場を気にして動けなかったという
レイエンダ。週末の雨予報がどう影響するのか。
ほかでは勢いのある
アンノートルに
ダノンキングダムなど伏兵陣も多い。
人気馬に付け入る隙があり、また梅雨入りで馬場が渋りそうなだけに、荒れるかもしれない。
【競馬場から見た推奨馬券】
金曜の東京は、思ったほど降らなかったような気がしたが、土曜の朝は芝稍重、ダート不良。この後また降り出すとのことで、日曜も道悪は避けられそうもない。
当然、芝のレースは控えて、ダート戦にて勝負しなくてはならない。
まずは、
東京6Rから。狙い馬は6番
ペイシャジュエル。3走前の中京戦にて、落馬してもおかしくないような不利がありながら、タイム差なしの接戦。それだけにすぐに勝ち上がると思ったが、その次走は、不適当と思えた1800mでスムーズさを欠いて凡走。
そして間隔を開けた前走は、+10キロで緩めの馬体。
今回は、中2週と順調で馬体も絞れるはずだし、装着したブリンカーが効いたようで調教の動きもかなり楽になっている。
今回も、脚質的にベストと思える東京の1400m。体調アップと初ブリンカーで狙い目。
単勝 6
馬連 5-6 6-16 6-10 2-6
自信度 B
東京7Rは、7番
ユメノサキの安定感を買う。
ダートの長めの距離で安定感を増してきたが、重馬場は特に走る。
未勝利勝ちの際、マッチレースの末に下したショーンガウアーは、すぐに1勝クラスまで勝ち上がった。3着以下も大きく離している。
重馬場だった1勝クラス2戦目も、勝ち馬とタイム差なしの接戦。ここも3着以下は離した。とにかく東京の重馬場は走る。相手も揃ったが、今回は買いだ。
馬連 1-7 7-12 7-15
ワイド 1-7
自信度 C
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●続!2場開催の遠征は特別!!●
先週もお伝えしたが、今週までは第3場の開催が無いため、中央の東京・阪神の2場の開催だけとなっている今、ゆえに中堅や若手騎手にとっては乗り馬確保に苦労する時、よってアウェーへの遠征は乗り馬の確保が難しく基本的には遠征しないところ。
先週に取り上げた松若騎手は、その期待に応えてテルペリオンを見事勝利に導いた。その松若騎手同様、「手放したくない」という感触があって今週も東京へ遠征して騎乗する騎手がいる。
メインの
多摩川Sに出走する
トラインの
松山騎手だ。
松山騎手は、この馬には前走が初騎乗だったのだが、そのレースを見ても判る通り、余裕綽々に抜け出し脚力の違いを見せ付け快勝、まだ折り合いなど気性的な幼さを残している中でもあれだけのパフォーマンスを見せているだけに、松山騎手も感じるところがあったのだろう。今回もこの馬との行動を共にすることを決めた。
実はそもそも、一昨年の11月にデビュー勝ちを収めたこのトラインだが、当時手綱を取っていた北村友一騎手が、リップサービス込みとは言え「種牡馬を目指せる(それほどの活躍が期待出来る)くらいの馬」と高評価していたことに加え、昨秋の復帰戦以降で主戦を担っていた藤岡佑介騎手も「重賞、GIの舞台に行ける器、追いかけて乗り続けたい」と話していた経緯もある。前走が、NHKマイルCの裏に辺り藤岡佑介騎手は乗る事が出来ず、松山騎手に手綱が渡ったのだが、そのワンチャンスをモノにし、今回も連続騎乗を叶えている。ここで結果を出せば一気にオープン入り。そして、北村友騎手や藤岡佑介騎手が目指した大きな舞台にまた一歩近づく。期待してレースを見てみたい。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●新馬戦もノーザンファーム!?●
先週からスタートした新馬戦。
これまではマイネル軍団や2歳戦に強い厩舎など、この時期なら威張れるという陣営があったが、近年はノーザンファームが2歳戦スタートと同時に攻勢をかけている状況へと変化。
昨年は桜花賞を制したグランアレグリアが東京の新馬戦をレコードで圧勝。2着がダノンファンタジーでGⅠクラスが新馬戦で、しかも秋の東京開催ではなく、春の開催から出走してくるという、これまでにないパターンで成功を収めている。
先週もリアアメリア、サリオス、モーベットが勝ち上がり、この3頭はすべてノーザンファーム生産でシルクレーシング。また日曜日の阪神で勝ち上がったタイセイビッシュも生産はノーザンファームで、新馬5戦中4勝とスタートダッシュ。
これまで良血馬は秋の東京開催か京都開催が主流だったが、近年は春の東京開催と阪神開催へとシフト。
なぜか。
それは早く勝ち上がることでクラシックへ向けたローテーションを少しでも楽にすることができるため、もうひとつは早く勝ち上がることでトライアルレースへのチャレンジ回数を増やすことができるから。
今週も東京、阪神ともにノーザンファーム生産馬が多数出走予定。
鞍上もリーディング上位騎手を配しており、多くの支持を集めることは間違いない。
人気でも逆らわずに支持するか、もしくは、あえて人気だから逆らうか。馬券の取捨選択が大事になる。