第895回&第896回
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【美浦の『聞き屋』の囁き】
●紆余曲折だらけ●
今年の
毎日王冠は10頭立てと少頭数での競馬にはなったが、GⅠ馬が5頭も出走。
そして、GⅠ勝ちこそないが、3歳世代トップクラスのダノンキングリーが出走してきたことで、より興味深いレースになることは間違いない。
戸崎騎手がダノンキングリーを選んだことで、前走の安田記念で騎乗したアエロリットは鞍上が未定になり、そこから紆余曲折を経て田辺騎手へと決まったわけだが、その田辺騎手が騎乗停止となり、再度鞍上が空白となる不測の事態となった。
元主戦と呼べる横山典騎手は京都へ遠征しており、他のリーディング上位騎手たちも毎日王冠で先約があるか、京都へ遠征しているか、新潟で騎乗しているかで、鞍上探しが難航。
再度の紆余曲折を経て選ばれたのが津村騎手。
津村騎手はこれまで重賞は12勝しているが、すべてGⅢ。
今年のオークスでGⅠ初制覇なるかと思われたが、ゴール直前で差されてクビ差の2着。
オークスで騎乗したカレンブーケドールとのコンビで来週の秋華賞でGⅠ初制覇を目指すわけだが、その前にGⅡ初制覇の大きなチャンスが巡ってきた。
アエロリットは昨年の毎日王冠の勝ち馬で、安田記念は2年連続で2着。衰えはまったくなく、むしろそのスピードとパワーは増しているのでは、と感じさせるぐらい。
今年のヴィクトリアマイルのレコード記録を引き出したのは間違いなくペースを作ったアエロリットのスピードであり、2戦連続でマイルを30秒台で走り切るスピードとスタミナはやはりGⅠクラスのそれ。
勢いのある3歳馬と実績馬たちを引き連れて逃げ切ることができるのか。
天皇賞・秋とマイルCSへと向けての戦いが始まる。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●馬も人もさらに高みを目指す!●
今週から秋の東京・京都開催が開幕、「秋競馬も佳境に入った」という雰囲気。今週はGIの開催はないが、昨日もお伝えした通り毎日王冠と京都大賞典は、GIではなくても、その秋競馬が佳境を迎えることを知らせる風物詩のような伝統的な重賞、例年ともにメンバーが揃い白熱した戦いが繰り広げられている。
10頭立てと少頭数の毎日王冠に対して、今年の京都大賞典は珍しくフルゲートに近い17頭立ての多頭数で争われる。
但し、10頭中GI馬が5頭の毎日王冠に対して、京都大賞典はGI馬不在、それがゆえの多頭数になったとも言えるのだろう。
ただGI馬不在と言っても、GI連対馬は4頭、重複するがGⅡ勝ち馬は6頭出走し、決してレベルが低いわけではない。
そんな中で注目は…
春の天皇賞で凱旋門賞に挑戦するフィエールマンと大接戦を演じたグローリーヴェイズは、鞍上にミルコが収まっているが、他にもお手馬に毎日王冠のペルシアンナイトや、元お手馬のエタリオウなどが居る中で手綱を取るのだから、それだけこの馬に対する期待は高いのだろう。もちろん注目の1頭ではあるのだが…
まだ実績的には劣るものの、素質はかなり前から評価されていた
エアウインザー、春はGI大阪杯に挑戦し掲示板止まりだったものの、さらなる高みを目指しここで復帰をする。
実は、オールカマーから復帰の予定があったのだが、やや調整がもうひとつという事で直前で回避。その時は浜中騎手が乗りに行く予定だったのだが、直前の回避により急遽阪神での騎乗にスイッチ、結果1鞍しか騎乗馬がいないという状況になっていた。
今回の京都大賞典へはスライド出走という形、浜中騎手は既にシルヴァンシャーの先約があり、変わって関東の
三浦騎手が手綱を取ることになった。
三浦騎手と言えば、関東のジョッキーの今後を担っていく存在、今年は既に昨年を上回る勝ち鞍を上げており、いよいよ関東を代表する存在になりつつある。今回の様な巡ってきたチャンスは、是が非でも結果を出したいところ。
エアウインザー自身2400mは初めての距離、ジョッキーの手腕に懸かるところもあり、ここで好結果を出せればより評価も上がってくるだろう。
馬も人もさらに高みを目指す一戦、注目してみたい。
【競馬場から見た推奨馬券】
府中は土曜の夜から、微妙に雨情報もあるが、降っても微量とのこと。開幕週の素晴らしい芝状態でもあり、影響はなしと見て良さ良さそう。ダートは引き続き速めと見たい。
日曜の両重賞とも、天皇賞や他GIの前哨戦であり、勝負はし切れないが、本番に向けてしっかり見ておきたい。
日曜の勝負所は
東京6R。個人的にベスト条件と思っている東京ダート1600mを使ってきた3番
ユイノチョッパーが中心。
とにかくモマれ弱く、他馬の内にいると戦意喪失してしまう馬。ロスを覚悟で馬群の外を回らなくてはならない。それだけに、コーナーが一回で、直線の長い東京ダート1600mはベストのはず。
2走前の野中が乗った新潟戦が、その通りの騎乗での好走。今回もその野中が乗る。
新潟以上に競馬がしやすい東京で、それほど強い相手も見当たらない今回は、勝ち負けの競馬になる。
単勝 3
馬連 3-4 3-10
ワイド 3-4 3-10
自信度 B
もう一鞍は
京都10R。こちらも待望のダート1200mが使えた8番
リュウノユキナ
を狙う。
特筆すべきは3走前の中京戦。ダート1400mで3F32秒6の大逃げ。超超ハイラップである。それでいながら1200m通過時点ではまだ先頭。さすがに休み明けということもあって、最後は失速してしまったが、その快速ぶりは目を引いた。
その後は1200m戦を除外となり、1400mを2回使ったが、前走も見どころ十分。
一番人気のバーニングペスカの外に控え、
4角で楽に交わして、最後まで渋とさを見せた。
今回は、そのスピードを存分に発揮できる待望の1200m。小細工なしにガンガン行けば逃げ切れるはずだ。
単勝 8
馬連 8-11
ワイド 8-11
自信度 B
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●少頭数だが注目の一戦!●
今週から秋の東京・京都開催が開幕する。2開催連続開催である事に加え、ほぼ毎週の様にGIが行われるために、この開催に突入すると「秋競馬も佳境に入った」という雰囲気になるもの。
とは言うものの、今週にはGIの開催はない。しかし毎日王冠と京都大賞典は、GIではなくても、その秋競馬が佳境を迎えることを知らせる風物詩のような伝統的な重賞、例年ともにメンバーが揃い白熱した戦いが繰り広げられている。
東京・
毎日王冠は、今年10頭立てと少頭数ながら、10頭中半数の5頭がGI馬、さらに今年の皐月賞で3着、ダービーでも2着とクラシック戦線を牽引してきたダノンキングリーが参戦し、少頭数ながらレベルの高い、そしてその結果が非常に興味深い一戦となっている。
また、今年デビューの岩田望騎手が東京競馬場に初めて登場することや、道営馬ハッピーグリンの参戦など話題性もあるレースとなっているが、注目はミルコがお手馬としていた
ペルシアンナイトの乗り替わりだろう。
そのミルコは、同日の京都大賞典に、自らの手で今年の日経新春杯を勝たせたグローリーヴェイズがおり、結果ペルシアンナイトを手放す事になった。その空席を埋めたのが、今週から短期免許を取得して騎乗する
シュタルケ。外国人から外国人という丁度良い乗り替わりとも言えるだろう。
2年前のマイルCS以来、勝ち星から遠ざかり、ここ数戦は2桁着順に大敗することもあり、評価がガクッと下がってきてはいるが、安田記念はスタートで挟まる大きな不利、大阪杯でも直線で脚を滑らせる不利、2桁大敗も理由はあり、決して終わっているわけではない。
それを証明したのは、ダービー馬、グランプリ馬とそうそうたるメンバーが揃った前走の札幌記念。初めてブリンカーを着用して挑んだが、手綱を取ったミルコ曰く、外目を追い上げ直線では一瞬フワっとするところはあったが、まだまだ一線級相手でもやれる手応えは掴んだという。
もともと使って良くなるタイプ。これまで秋は冨士Sから始動しひと叩きしてマイルCSで好走というパターンだったが、今年は夏の間に始動、ひと叩きされてのここ、注目度は増していいはず。
このシュタルケと池江厩舎と言えば、2014年のマイラーズCのワールドエースが記憶に残るレース。ダービー後の長期休養明けを1回使い、一変した走りを見せレコード勝ち。その当時とイメージ重ねてのオファーでもある。
チャンスを貰ったシュタルケにしても、来日初週という事もあり、この秋の騎乗馬を集めるためにも絶好のアピールの場、力の入る一戦となる。
他の有力どころはこが始動戦なだけに、そういう面でも有利な存在。より注目したい1頭だ。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●意図的な再戦!?●
デビュー戦となった春の東京開催では、先に2日目1600mへ出走を表明していたのは
アブソルティスモ。
サリオスは1日目1400mを予定していたが、直前になって1600mへ変更。
先を見据えて1600mを選んだという公式発表だったが、それなら最初から1600mを選べばいいわけで、本音のところでは、あえて対戦しにいった、ということだろう。
良血馬同士の対戦はサリオスの圧勝となった。
そして、今回の
サウジアラビアロイヤルC。
先に出走を表明したのはサリオスで、再戦を挑んであとから表明したのがアブソルティスモ。
デビュー戦とは逆の図式での対戦となった。
昨年はグランアレグリア、一昨年はダノンプレミアムが勝利しており、まさに出世レース。
勝ち馬には阪神JF、もしくは朝日杯FSへと続く道筋がはっきりと見えてくるはずだ。