第909回&第910回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●裏の京阪杯!●
今年は外国馬の参戦の無いジャパンカップとなってしまったが、世界のトップジョッキーが5人、そしてルメール・ミルコも含め外国人ジョッキーが7人も参戦しているのだから、ある意味で「国際GI競走」と言えるだろう。
そんなジャパンカップだが、今週も日本人ジョッキーの間で動きがあった。
福永騎手が先々週の制裁により戦線離脱したためワグネリアンに騎乗することが出来なくなり、代打に抜擢されたのは川田騎手。ただ川田騎手は当初、京都の京阪杯のエイシンデネブに騎乗を予定していた。
この川田騎手は今期ここまで日本人最多勝のトップジョッキーでもあり、ダービー馬の騎乗依頼ともなれば必然の行動だろう。
もう一人、京阪杯にはお手馬モズスーパーフレアが出走している、スプリンターズSというGIの晴れ舞台で自らの手で2着とし、コンビを印象付けた松若騎手もジャパンカップでダンビュライトに騎乗。こちらはどちらも師匠の管理馬、ダンビュライトには、昨年の天皇賞でも放馬したように少し気難しいところがあり、今年に入って騎乗している松若騎手が、京都記念で勝利を上げ京都大賞典でも2着と結果を出しているため、ジャパンカップの方へ騎乗させている。
松若騎手も、やはりGIでの騎乗はジョッキーのひとつの目標、喜んで参戦していることだろう。
さて、この二人が東京へ参戦となった事で、その裏の京都の
京阪杯の、二人のお手馬
エイシンデネブと
モズスーパーフレアは…
エイシンデネブの鞍上には
藤岡康太騎手が収まった。脚質的には手の合うタイプ、まして藤岡康太騎手は、昨年の神戸新聞杯でのワグネリアン然り、代打や初騎乗での重賞制覇が非常に多く、注目の騎乗と言えるだろう。
モズスーパーフレアには
松山騎手が。今年ここまで79勝を上げ、キャリアハイとなった昨年の84勝を凌ぐペースで、若手の中では一番の伸び盛り。今年重賞も2勝を上げているが、まだまだアピールしたいところで、チャンスを貰ったここは力も入っている。
この巡り巡って来たチャンスを二人が活かせるか、国際レースのジャパンカップのジョッキーの鬩ぎ合いも楽しみだが、京阪杯も、ある意味で注目だろう。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●夢の競演●
39回目にして、初めて「外国馬ゼロ」となってしまった今年の
ジャパンカップ。
大きな要因としては高速馬場と言われているが、外国人騎手に聞いてみると馬場以上に検疫の問題が大きいという話が聞こえてくる。
島国ゆえに厳しい検疫があり、それが馬の負担になるために敬遠されているとのこと。
来年に向けての改善があることを期待したい。
外国馬の参戦がなく、またフルゲート割れとなったうえにアーモンドアイが香港へ、凱旋門賞組も有馬記念へ向かうとなったために、中心となる馬が不在のメンバー構成。
どの陣営も色気を持っており、レース展開と馬場状態が大きなポイントになりそう。
先手を主張する馬がいない中で行くかもしれない馬は、ダンビュライト・カレンブーケドール・ダイワキャグニーあたり。特にダイワキャグニーは、師のコメントでも「なにも行かないなら逃げてもいい」とあり、また内田騎手の騎乗停止によって乗り替わりとなった石橋騎手も、「巡ってきたチャンスなので積極的に乗りたい」とコメントしており、展開のカギを握る存在になるかもしれない。
状態が抜群にいいと話していたのが、レイデオロに騎乗するビュイック騎手。
追い切りに乗る前は疲れからか、不機嫌な感じに見えたが、追い切り後は機嫌が良くなり高いテンションで前向きなコメントを連発。
短期免許の中ではデットーリ騎手ばかりに注目が向いているが、世界中のGⅠを勝ちまくっていた当時のデットーリ騎手が過去に主戦を務めていたゴドルフィングループの今の主戦がビュイック騎手。
25歳で主戦の座について、すでに6年目。世界のトップ中のトップであることは間違いない。
もちろん、デットーリ騎手も衰えるどころか、凄みは増しておりこちらもトップクラス。
今現在、日本の短期免許はプラチナチケットになっており、選ばれるのはワールドクラスの本物ばかり。
短期免許の5名に加えてルメール&デムーロの計7名が揃ったジャパンカップは、外国馬ゼロの残念を大きく上回る夢の競演。これだけの騎手の戦いをヨーロッパではなく、府中で見られるというのはすごいこと。
展開や馬場、馬の実力や適性を読むのも大事だが、これだけの騎手が揃っていると、好きな馬で買うという買い方があるように、好きな騎手で買った方が納得できるかもしれない。
道中の駆け引き、直線での火の出るような追い比べ。
馬だけが世界じゃない。そんなジャパンカップになりそうだ。
【競馬場から見た推奨馬券】
府中はずっと雨予報で、日曜の昼前まで降り続けるとのこと。最終日にとうとう極悪馬場となりそう。
ジャパンCに外国馬の参戦があれば、大喜びの馬場だっただろう。あっさり勝たれていたかも…。
芝の競馬は逃げ馬でさえ、馬場の中ほどを選択しそうで、展開も読みづらい。
ダートも脚抜きが良いを通り越して、逆に力の要る馬場になりそう。
いずれにしろ、正攻法の馬券は危険なので、遊び気分で参加するのが賢明か。
そういうわけで、日曜日は買っても良いと思えるのは一鞍のみ。
馬場悪化でも大丈夫だと思えるのは、
東京7Rの6番
ミアマンテだ。
それなりに素質馬が揃った一戦だが、勝ちっぷりのインパクトは同馬が断然。
その新馬戦は、外を回るとロスの大きい中山のマイル戦にて、終始外を捲り気味に進出。直線入り口で先行集団の直後。楽に他馬を交わして突き放す一方で、最後は流していた。とにかく強かった。
重馬場も全く苦にしておらず、バラける東京なら更に競馬がしやすい。
他馬が馬場を苦にするようなら、デビュー戦並みの楽勝まである。
相手にも5番レッドライデンが有力。こちらもデビュー戦から評価が高かったが、若さを見せて掛かり気味に逃げ、失速。
二戦目は、デビュー戦よりは落ち着いていた分、体重が増加。上手く前を壁にしての競馬ができ、手応え通りに弾けた。抜け出す際の速さは目を見張るものがあった。このタイプは一戦毎の学習能力が高く、更に上積みが見込めるはず。
切れるタイプだけに馬場が少し心配だが、能力の高さで補えると見た。
馬単 6-5
馬連 5-6
3連複 5-6-7 1-5-6
自信度 C
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●改めて注目!●
今週は有馬記念ファン投票の中間発表もあり、今年の競馬も早くも終盤を迎えてきた。
今週末は今年の東京開催を締め括る花形GI、
ジャパンカップが行われる。
39回目で初めて、外国馬の参戦が無くなり、さらに日本馬のレベルも先日の秋の天皇賞に比べやや落ちるものの、高額賞金レースの花形GIには変わり無く、白熱した戦いは魅せてくれるだろう。
ここで改めて注目してみたいのは、秋の天皇賞でも取り上げた
スワーヴリチャード。
その前走は、極端に速い決着となった展開と馬場、これが不向きだったというところもあるが、陣営としては、少し集中力が足りなかったかも…という分析もしている。
そこでこの中間、調整方法をかなり工夫してきている。
まず調教コース。これまではコース追いが中心だったものを、この中間は坂路中心で調整、そして先週末からスイッチを入れるためにCP(チークピーシズ)を着用し、直前の今週の調教ではレースで騎乗するマーフィーを背に5F50.6秒の今週の中で3番目となる好時計、終い1Fも12.2秒でまとめてきた。どうやら変化は感じられる動きだ。
前走時もお伝えしたが、昨年の大阪杯で悲願のGI初勝利を上げたものの、それ以降勝ち星からは遠ざかっているスワーヴリチャード。しかし、以降でもGIで4回の3着、超一線級相手にレベルの高い競馬はしており、決して力が衰えているわけでは無い。
陣営としても、何とかもうひとつタイトルを獲らせたいという思いは強く、その最大のチャンスと言えるここは、工夫をこらして目イチの気持ちで仕上げて来ている。
今年のメンバーなら、その陣営の期待に応えてくれるのではないだろうか!改めて注目してみたい!
【競馬場から見た推奨馬券】
東京は金曜の昼前から降り始まる。予報では土曜の朝まで降り続けるとのこと。
最終週の馬場で雨では、芝のレースはちょっと危険。土曜はダートのレースに照準を合わせる。
まずは
東京1R。ここは、前走2着の馬が4頭いるが、8番
ディヴィニティの素質が一枚上と見る。
デビュー戦のパドックでは、かなり馬っぷりの良さが目立っていたが、さすがに544キロもあるだけに、ちょっと立派過ぎる印象。調教も動いていたが、大型馬にしては坂路だけの仕上げというのが気になった。
しかも、一杯に追ったことが一回もない。その分、追い出しを待つ余裕がありながら、ゴール前に甘くなったのだろう。
この手のタイプは、実戦を一度使われると大きく変わる。騎手に終い目一杯に追われたのだから、良い調教になったはず。
とにかく、スピードがあり余っている感じだし、走法もダイナミック。使われたことによって息持ちさえ整えば、不安材料はなくなった。たとえ泥んこ馬場になっても、パワーで押し切れる。
馬連 2-8 8-11
3連複 2-8-11 2-8-14 2-3-8
自信度 B
もう一鞍は
東京10R。ここも好調馬が揃ったが、軸馬は1番
レッドルゼル。
有力馬の大半が、ダート1600mを使いたいのだろうが、来週からの中山も阪神も中京もダート1600mという番組がなく、仕方なしに1400mを使ってきたふしがある。その点レッドルゼルは、デビュー以来一貫して1400mを使い続け、前走始めて違う距離を使った。それでも1300mだ。
その前走の内容が良かった。ちょっと伸び上がるようなスタートだったが、馬なりで2番手に。終始ラクな手応えでラスト300で逃げ馬を交わし、ソラを使わないように仕掛ける。それで3馬身の楽勝。まだまだ余裕があった。かなり力をつけている。
ダートで連対を外したのは、オープンの端午Sだけ。行き脚がつかなくて、始めて揉まれる競馬をしたのだから仕方ない。
500万勝ちの競馬も、出遅れて仕掛けての先行だったが楽勝。自分の型ならかなり走る。
鞍上も乗り慣れている北村友だけに、多少スタートが悪くても、強引にでも先に行くはず。
前走の勝ちっぷりから、昇給の壁は全くないと見る。距離適性の差で、他の有力馬を凌ぐはずだ。
単勝 1
馬連 1-2 1-10 1-11
自信度 C