第919回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●一目置いているものの…●
オープン特別時代には、勝ち馬からクラシックウイナーとなったのはウイニングチケットとエアシャカールくらいなもので、皐月賞と同舞台ながらほぼクラシックとは無縁のレースだった
ホープフルS。しかし重賞に格上げされると共に、クラシック登龍門と言われた阪神のラジオNIKKEI杯が11月の京都2歳Sに移設されて以降は、事実上以前のラジオNIKKEI杯と同じ立ち位置となり、おのずとクラシック好走馬を輩出する様になった。
頭数はフルゲートに満たなかったものの今年も東西からクラシック候補生が集まった。
人気と話題の中心は、東京スポーツ杯を驚異的なレコードで圧勝した
コントレイル。確かにこの馬には一目置く陣営は多い。
その東スポ杯で2着だったアルジャンナを管理する池江師も然り、ホープフルSには管理馬
ヴェルトライゼンテを出走させているが、期待を持って送り込んだアルジャンナが5馬身差で完敗しており、コントレイルには敬意を表している。
ただだからと言って諦めているわけでは無い。
ましてコントレイルは、確かに強かったもののまだワンターンのレースしか経験しておらず、コーナー4回の1周コースで折り合いはカギになる。
対してヴェルトライゼンテのほうは、前走こそワンターンの競馬も、デビュー戦で小倉の1周コースを経験している。さらに、その小倉で長距離輸送も経験済み、付け入る隙はあるだろう。
ヴェルトライゼンテの父は2歳GIも勝っているドリームジャーニー、そして半兄には日本ダービーで1番人気に推されたワールドエースや、今年の菊花賞を制し先週の有馬記念でも3着したワールドプレミア、ここで大仕事をやってのけるだけの血統的背景はある。
デキのほうも、馬体に幅が出てこの短期間での成長もうかがえ、前走からさらにパフォーマンスを上げられる状態にある。
鞍上は前走のスミヨンからマーフィーに替わるが、前走後のスミヨンの話では、着差は半馬身だったものの、外から来られても抜かされる雰囲気は全く無かったとの事。また、デビュー戦が重馬場、前走がやや重と緩い馬場でしか競馬をしていないが、「良馬場ならもっと動ける」とも話していた。
前走の時計だけを単純比較すれば6秒以上も差があるので、普通に考えるとなかなか逆転は難しいが、諸々の話を聞く限り、そこまで差があるわけでは無さそうだ。
一目置いているとは言え、逆転するシーンがあってもいいだろう。注目してみたい。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●暮れの大一番●
クラシックへの登竜門とでもいうべき、ハイレベルな戦いが行われる
ホープフルS。
3年前はダービー馬レイデオロ、昨年は皐月賞馬サートゥルナーリアを輩出。
今年のメンバーを見ても間違いなく来年の主役候補が多数参戦。
1番人気は前走で破格のレコードを叩きだした
コントレイル。
ムーア騎手が「文句なし」とベタ褒めすれば、同じレースで3着に敗れたビュイック騎手が「あの馬はモンスター」と褒めちぎっていたほど。
唯一の不安とされているのが、マイラー色が強い気性とスピードがありすぎるがゆえの距離への対応だけ。
距離を克服となれば来年の主役の座は揺るがないものとなる。
ワーケアは前走後、無理をせずにここまで待機。
アイビーSを勝った時点ですぐにルメール騎手へホープフルSでの騎乗を打診。
すぐに返事があり、快諾となったとのこと。
ルメール騎手が惚れ込む逸材が2番人気はおいしいかもしれない。
オーソリティは池添騎手で2連勝しているが、実は間に別の騎手への騎乗依頼をしているのだ。
それは短期免許で来日していたビュイック騎手。
オーソリティを管理する木村厩舎所属ということもあるが、それ以上にノーザンファームから好かれており数多くの騎乗依頼を受けている中での1頭だったようだ。
結論から言えば、短期免許の有効期間を使い切ったあとのレースになるので、そもそも騎乗することが不可能だったようだが、免許の延長が可能であればビュイック騎手が騎乗していたはず。
ただ、先ほどコントレイルのくだりで触れたが、ビュイック騎手はコントレイルを高く評価。
「オーソリティもこれまでのレースを見ればトップクラスかもしれないが、現時点ではコントレイルに勝てる気がしない」と戦う前から後ろ向きな発言をしていたとのこと。
それほど前走の東京スポーツ杯での走りが強烈だったということだろう。
代打騎乗となった有馬記念でフィエールマンと見せ場を作った池添騎手。
大舞台での勝負強さは健在。2強に割って入るかもしれない。
出世レースの札幌2歳Sを制した
ブラックホール。
デビュー戦でオーソリティに負けているが、師の見解は「あの敗戦は位置取りの差。デビュー戦で競馬が分かっていなかっただけで力負けとは思っていないし、力があるところはその後の2戦で示している」と強気にコメントすれば、主戦の石川騎手も師匠に負けずに終始強気な発言。
「自信がありますかと聞かれるので、もちろんあります、と答えていますが、紙面にならなければ、自信しかないです、と言いたいぐらいです」と若手らしく気持ちがいいぐらいに強気。
それぞれが別路線から勝ち上がってきての頂上対決。クラシック本命となるのはどのコンビなのか。
【競馬場から見た推奨馬券】
有馬が終わって、ちょっと気抜けした状態だが、有終の美を飾って、一年を締めくくりたいもの。
最終日をスッキリ決めて、良い年を迎えましょう。
いきなり9:50の
中山1Rから。
狙い馬は1番の
クサヒバリ。
前走が初のダート戦。3Fのラップこそそれほどは速くなかったが、終始3頭雁行の真ん中と厳しい展開。しかも外の2着のタイニーベイビーに、早め早めの競馬をされてなおさらキツかった。そのタイニーベイビーは先週の競馬で、5馬身差の圧勝を飾った馬だけにキツかったはずだ。
その点、今回は牝馬限定戦だけに、それほど強そうな馬は見当たらない。
芝のレースを使われていた馬だけに、前日の朝まで降った雨で、脚抜きが良くなるのも好材料。
前回の12キロ増の馬体にも好印象だったし、それを維持すべく火曜追いに切り替えたことにも、好感が持てる。
馬連 1-7 1-12 1-3
3連複 1の1頭軸 相手 2.3.7.12.15
自信度 C
YJSファイナルの
中山9Rが面白そう。
好調馬が揃って難解な一戦だが、ポイントはヤングジョッキーシリーズの最終戦であること。昨年もそうだったが、大半の鞍上が一か八かの勝負で、早仕掛けとなってしまう。特に日頃、小回りコースで乗っている地方騎手は、どうしてもワンテンポ仕掛けが早まってしまう。
しかもここは、ハナに行きたい馬が3頭おり、ハイペース必至。
そこで狙いたいのが、14番
トレンドライン。右回りに実績がなく、というより13戦目の前走が初めての右回り。左回りのダート1600m専門という印象が強く、狙いづらい面はある。しかし、初の中山戦だった前走が、前残りの競馬を離れた殿から追い込んで5着と、内容は悪くない。
その前走と同じ競馬を指示されているのなら、今回は展開が嵌るはず。
元々、現級勝ちの実績があり、上のクラスでも一番人気に支持された期待馬。
最近の不調と休み明けということで、評価が下がるなら、狙い目だ。
休み明けも2勝の実績があり、むしろ使い込むより走る傾向にある。
この手薄な組み合わせで、展開面の後押しがあるなら、十分にチャンスはある。
単勝 14
馬連 7-14 3-14 5-14
3連複 14の1頭軸 相手 1.3.5.7.9
自信度 C