第936回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
いろいろな意味で見応えあるレース!
今週から開催が替わり、関東は東京から中山へ、関西は京都から阪神、そして第3場のローカル開催も小倉から中京へと移り変わる。
新型コロナウイルスの影響で無観客開催とはなってしまったものの、春のGI戦線を見据えたGI級の有力馬が続々と出走してくる時期、見応えがある。
今週日曜の中山メイン、
中山記念も9頭立てと少頭数ながらもGI馬5頭に加え昨年のクラシック戦線を賑わせたダノンキングリーも始動、やはり見応え十分のレースだ。
そんな中でも注目してみたいのは、昨年の安田記念、そしてマイルCSと昨年のマイルGIをともに勝ち、最優秀短距離馬にも選出された
インディチャンプだ。
東京の芝マイル戦、そして京都の外回りの芝マイル戦を制しているため、コーナー4回で小回りの中山芝1800mに一抹の不安を感じる方がいると思うが、この馬の最大の武器は一瞬の切れ味、その両マイルGIの内容を見ても分かると通り、仕掛けを我慢して我慢して、そしてGOサインが出ると同時に加速し他馬を一瞬にして追い抜き抜け出す、その切れ味は相当なモノ。そもそもピッチ走法でもあり、ある意味で東京よりも中山の方が向いている可能性はある。
距離に関しても、GⅡとはいえこの少頭数、そしてマルターズアポジーの単騎逃げとなれば、それほど厳しい展開にはならずスローの決め手勝負が濃厚。1800mでも折り合いさえ付けば問題ないだろう。
そういう面でも、この1枠1番という最内枠は絶好枠と言える。
あとは捌き次第。今回の鞍上は主戦である
福永騎手。
昨秋のマイルCSでは、直前の騎乗停止で乗れず、栄冠を池添騎手に献上してしまった。自らの不注意で起こってしまったことだが、悔しい思いは強かったはず。
そういう意味でも、再び手綱を取る今回は期するところがあるだろう。
馬込みの捌きがカギになるが、ここは結果に拘る騎乗を見せてくれるはず。注目してみたい。
美浦『聞き屋』の囁き
無観客競馬について
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今週から当面の間、無観客での開催となり様々な影響が出てきている。
競馬界での2月は引退、3月は新人デビューと節目の時期であり、29日は四位騎手の引退式、3月1日は新人騎手4名がデビューを迎えるが、無観客の中では異様な雰囲気になりそう。
また、オーナーに対しては、口取り以外ではできる限り検量室付近へ近づかないようにというお達しがでているようで、各クラブ関係者に対しては、競馬場への来場を認めないという通知が出ているとのことで、関係者に対しても厳しい対応を取っているようだ。
それはすべてジョッキーからの感染者を出さないための措置であり、もしジョッキーから感染者が出れば調整ルームという閉鎖空間は感染拡大につながりかねないうえ、無観客開催どころか、そもそもの開催自体が危ぶまれる状況になってしまうための対応ということだろう。
若手からベテラン騎手に話を聞いたところ、観客がいない中での競馬は心配があるようだった。
レース中に上がる歓声の多くは騎手に届いているようで、悲鳴が上がれば故障や落馬があったのではと身構えることができて巻き込まれることを防げたり、3コーナーで歓声が上がれば誰かがマクってきたかも、と予想できたり、直線での歓声は最後のひと押しにつながったり、と力になっている声がなくなるのはさみしいという意見が多く聞こえてきた。
そして、最後にある若手騎手が競馬ができるだけでありがたいのでがんばります、と言葉を残して去っていったのが印象的だった。
コロナウイルスの早期の終息を願っている。