第938回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
武豊騎手に収まりかけていたが…
再コンビ結成の理由!
残念ながら今週も無観客競馬になってしまったが、競馬が行われることは何より。というのも、今週は東西で、本番と同じ舞台で行われるクラシックトライアルが行われる注目の週末、特に土曜日の桜花賞トライアル・
チューリップ賞は、阪神ジュベナイルフィリーズの上位組がほとんど参戦し、8割がた桜花賞有力メンバーで争われるレースと言っても良いだろう。
この後のトライアル戦次第とはいえ、現時点での賞金ボーダーは「2勝馬の900万組でも抽選で出走できるのでは」と言われていて、阪神ジュベナイル上位4頭はみな賞金的にはクリアしており、本番を見据えた始動戦ではあるだろう。そんな中、その上位4頭の中では最も着順の悪い
ウーマンズハート、この馬にはいろいろな意味で注目してみたい。
まず前走について。それまで二戦は共に終いを生かす競馬で連勝していたが、前走は積極的に位置を取って粘り込む競馬だった。その影響もあってか、中間の調教では少し掛かるところも見られるとのこと。今回は、この先の桜花賞のみならず距離が延びるオークスも視野に入れ、再び控える競馬を試みる予定。まずはそれだけでも注目だろう。
そしてもう一つが鞍上。今回は新潟2歳ステークスで手綱を取っていた藤岡康太騎手に戻るが、これが簡単に決まった訳ではなく、一旦は武豊騎手起用で収まりかけていた。
しかし、師の意向で藤岡康太騎手に戻ることが決まった。西浦師と言えば、テイエムオーシャンやカワカミプリンセスでは現調教師の本田騎手、ホッコータルマエには幸騎手、この土曜日の中山オーシャンSのティーハーフにも国分優作騎手などでも分かる通り、ジョッキーを大切にする調教師。前走はゴドルフィン主戦のビュイックだっただけに承諾したが、今回は重賞を勝たせている、そして兄のデザートストームでも結果を出している藤岡康太騎手で行こうということ。
当人の藤岡康太騎手も、今回は改めて控える競馬をするという本番を見据えた試走になるとは言え、その内容はもちろん、その思いに応えるためにも結果も出したいと思っている。
と言うのも、西浦師は来年で定年引退。故に今年が最後のクラシックとなる。その最後のクラシックを共に歩んでいきたいという思いも強いはず。
綺麗事だけでは勝てない勝負事の世界だが、その両者の思いには注目してみたい。
美浦『聞き屋』の囁き
女王への挑戦
ほぼ桜花賞といっても過言ではないメンバーが揃った
チューリップ賞。
同じ舞台で行われることを考えれば、この結果が桜花賞に直結することになりそうだ。
注目したいのは阪神JF2着の
マルターズディオサ。
田辺騎手にはもう1頭のお手馬ホウオウピースフル、2戦2勝で挑んだクイーンカップで6着と敗れたが、ホウオウピースフルも桜花賞へと向かうプランがあった。負けたことで忘れな草からオークスへ予定が変更。
年明けの時点で、どちらの陣営からも桜花賞を見据えて依頼があり、田辺騎手が選んだのがマルターズディオサ。選ばれなかったホウオウピースフルに田辺騎手がクイーンカップで騎乗したのは、納得のいく他の騎手が見つからなかったからだったようで、好走した場合でも、次走桜花賞では乗ってはいなかった。
やはりGⅠ2着の価値は大きいということだろう。
昨年からの成長があれば阪神JFでの0秒8差は詰まるはずで、桜花賞へ向けてどう挑むのか楽しみだ。