第946回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
好調ジョッキーがGⅠよりも
裏の中山を選んだ理由
今週から春の連続GI開催に突入する。コロナウイルスの影響があらゆるところに及び、競馬界にも大きく影響を及ぼしているが、無観客とはいえ開催してくれる事は競馬ファンにとっては何よりも救いだ。今週もしっかり競馬を楽しみたい。
さて、その開幕GIは、春の短距離王決定戦となる
高松宮記念。今年はマイル王やダート王者も参戦し、非常に興味深い一戦となった。また、GIとは言えドバイワールドカップの裏という事もあって、報道にもあった通りジョッキーの動きもいろいろとあった。
ルメール・川田騎手の今のリーディングトップ2を筆頭に、武豊・福永騎手などGI常連のジョッキーが遠征予定だったこともあって、普段なら上位人気馬に乗るチャンスのまわって来ないジョッキーに依頼があったり、そもそも騎乗する機会の少ないジョッキーでも声が掛かったりしていた。
ゆえに、中堅以上のジョッキーならこの日は中京で騎乗馬を組むのが必然と言える。GIに騎乗するということは、出走しなくては勝つ機会さえないというだけではなく、GIの出馬表に名前が載るだけで知名度を上げられ、今後騎乗依頼の声が掛かる可能性が上がるという側面もある。
そんな中にも関わらず、現在全国リーディング20位と上位騎手ながら、しかもこの中京開催は開幕から主戦場としてきていながら、この日は敢えて中山で騎乗するジョッキーが居る。
藤岡康太騎手。そう、
マーチSの
スワーヴアラミスのために中山へ遠征するようだ。
この馬には2走前に初めて騎乗し、見事勝利に導き前走も続けて騎乗。ロードレガリスには敗れたものの、直線で大接戦を演じ、3着以下には5馬身の差をつけた。
この2戦で手綱を取り、能力を感じ、もっと大きい舞台でも勝負になる手応えを掴んだのだろう。このレース後「次はマーチSへ」と決まったのだが、高松宮記念の日とわかってはいても「乗りに行きます」と即答したようだ。
最近の藤岡康太騎手と言えば、先日の金鯱賞では8番人気サトノソルタスに騎乗し2着し賞金加算に成功、そして先週も若葉Sでは10番人気のキメラヴェリテを積極的な競馬で2着、皐月賞の優先出走権を獲得、阪神大賞典でも5番人気トーセンカンビーナに騎乗し2着、やはり賞金加算に貢献した。
勝てていない事は確かだが、騎乗馬の質から考えれば大きな仕事をしている事は確か。勝っていないので目立たないものの、実は今非常に乗れているジョッキーの一人と言える。
そんな彼が挑む高松宮記念の裏の重賞マーチS、もしかするとこの選択が、先のダートGI制覇に繋がることがあるのかも知れない。注目してみたい。
美浦『聞き屋』の囁き
今年のメンバーなら飛躍の大チャンス!
天皇賞・春での最有力候補のフィエールマンは昨年の有馬記念からのぶっつけ本番。
相手筆頭と目されていたキセキが先週の阪神大賞典で惨敗して回避を表明。
勝ったユーキャンスマイルが対抗として名乗りを挙げたわけだが、それに続く対抗馬が手薄な状況となっている今年の天皇賞・春。
トライアルレースとなる今週の
日経賞が終われば形が見えてくる。
エタリオウ、ミッキースワローから依頼があった
横山典騎手が選んだのが、
ミッキースワロー。
どちらも次走は天皇賞・春が候補に挙がっており、いい形で本番へと向かいたいところ。
ここにきて急上昇を示しているウインイクシード、モズベッロ、レッドレオンも、結果と内容が伴うようなら、天皇賞・春で印がつく候補にはなってくるはず。
例年に比べると手薄なメンバーとなりそうな天皇賞・春。
トライアルレースで勢いをつけた馬が一気にトップへ、という可能性もあるだけに見逃してはいけない。