第953回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
移動規制で回ってきたチャンス!
世界的に猛威をふるっているコロナウイルス。この異常な状況がいつまで続くのか…心配と不安がつきまとうが、とにかく国民の娯楽である競馬が行われてくれている事は救われる。
先週から今年のクラシックも開幕した。今週は牡馬クラシックの1冠目となる皐月賞が行われる。
冒頭にも触れている通り、猛威をふるっているコロナウイルスは、当然競馬界にも脅威を与えている。
JRAも何とか開催を続けるために対策を施し、週を追うごとに制限も厳しくなってきている。
既に報道でもある通り、今週より東西間の移動が、馬にも人にも規制が掛かり、急遽予定を変更しなくてはならなくなった陣営も少なくない。、
例えばルメール。本来であれば土曜日はアーリントンCに騎乗予定だったが、同節内(今週でいえば土日)の開催場の移動禁止の規制により、皐月賞に乗るために土曜日は中山での騎乗に切り替えた。
川田騎手のみ、皐月賞ではなく阪神での騎乗を選んだが、皐月賞で騎乗予定だったほかの関西ジョッキーは、みな土曜日は中山に切り替えた。
そんな中だからこそ、土曜日の阪神でチャンスが巡って来る騎手もいる。
アーリントンCで
ギルデッドミラーに騎乗する
岩田望来騎手はまさにその恩恵を授かった騎手の一人。
本来は福永騎手が続けて騎乗予定だったが、前述の規制によりキャンセル、そこでお鉢が回ってきた。
このギルデッドミラー、前走は1勝クラスの平場だったが、昨年暮れの朝日杯FSで3着だったグランレイに完勝。
前々走のこぶし賞では、後に毎日杯を勝つサトノインプレッサとクビ差の接戦を演じた。しかも、内容を考えればより強い競馬をしていたのはギルデッドミラーの方だ。
ここ2走を見ただけでも、重賞級の能力がある事は一目瞭然。
また、新馬戦は雨の中で勝利、こぶし賞も雨が降り馬場も重馬場だった。
土曜日の天気予報は雨、これも他が苦にするようならプラスになるだろう。
今年2年目の岩田望来騎手だが、今年はすでに24勝を上げメキメキと力を付け伸び盛り。ソロソロ重賞を勝ってもいいころだ。
そのタイミングで舞い込んできたこのチャンスを掴めば、さらに飛躍していくことだろう。
このギルデッドミラーと岩田望来騎手とのコンビはとにかく注目だ。
美浦『聞き屋』の囁き
無敗は続くのか
コントレイル、サリオス、サトノフラッグの3強対決と言われている今年の
皐月賞。
コントレイルとサリオスは無敗のGⅠ馬。サトノフラッグは前哨戦を快勝しての3連勝。
伏兵と呼ぶには失礼な3連勝中のレクセランス、前走の敗戦で評価を落としたが一時はクラシックの中心だったマイラプソディ、まだ連対を外していないGⅠ2着馬ヴェルトライゼンデなど、3強に次ぐ候補も多い。
皐月賞を制した馬がダービー馬最有力候補となるのは間違いないハイレベルな戦い。
その中で取り上げたいのが
サリオス。
レーン→石橋→ムーア騎手、そしてレーン騎手へと戻ってくる見事なまでの堀ライン。
これまでの3戦はすべてマイル戦で、その3戦すべてが完勝。
取材によると、堀師のプランは皐月賞ではなく、NHKマイルC→安田記念が大本線だったとのこと。
ところが、そこはクラブ所有馬であり、ホープフルSを楽勝したコントレイルに太刀打ちできそうなノーザンファーム生産馬が少ない状況だった、この2点のため、堀師のプランは却下されてクラシック路線へと進路を変更。
では、なぜトライアルを挟まずに皐月賞へ直行なのか。
それは、もし皐月賞で負けた場合、その内容が距離に敗因を求めることができたときは、中2週でNHKマイルCへと向かうローテーションを選択肢に残せるから。
仮に、距離ではなく僅差や好内容で負けた場合は、ダービーへ向かう可能性が大きい。
つまり、どの選択肢を選ぶにしても、次のために少しでも余力を残しておきたい、そのための皐月賞直行というわけだ。
また、先週のニュージーランドTを3戦全勝で制したルフトシュトロームは堀厩舎の管理馬。
当然、次走はNHKマイルCへとなり、そうなるとサリオスがNHKマイルCへと向かう可能性は、より低くなる。
マイル路線はルフトシュトロームに任せて、本質的にはマイラーでも距離に融通がきくサリオスでクラシック制覇へ。
これが、現時点での堀厩舎の青写真だろう。
サリオスに騎乗した全騎手が距離はこなせる、と口を揃えて答えており、その理由はというと、普段もレースでもまったく無駄なことをしないので、掛かる心配がなくロスを最小限に抑えることができるのが強み、とのこと。
先週のルフトシュトロームはキンシャサノキセキ産駒の最高傑作になるかもしれない、と堀師の予言どおりに着差以上の内容でGⅠの舞台へ。
サリオスについては一貫して、「すばらしい馬」「これまで携わってきたGⅠ馬たちと比べても遜色なし」と最高級の高い評価。
ここまで、ただただサリオスをベタ褒めしてきたが、サリオスに関係者に話を聞けば聞くほど、負けるシーンを描けないというのが本音。
レーン騎手がリスクを冒してまで来日した、その答えがサリオスに騎乗するため。
昨年同様に、レーン旋風が巻き起こるかも、しれない。