第955回
採れたて!トレセン情報
美浦『聞き屋』の囁き
移動制限が馬券のヒントに繋がる!?
コロナウイルス感染拡大の観点から、騎手は先週より土曜日と日曜日とで異なる競馬場に移動しての騎乗を不可、というルールに変更となったことはすでにご存知だと思う。
簡単に言えば、日曜日に東京でGⅠに騎乗する騎手は土曜日も東京で騎乗すること、福島を選んだなら土日ともに福島、ということ。
先週の目立つところで言えば、3連勝で皐月賞に挑んだレクセランス(結果は11着)は3勝すべてが川田騎手だったが、北村友騎手へと乗り替わり。
川田騎手は土曜日はアーリントンカップでトリプルエース、日曜日はアンタレスSでベストタッチダウンにそれぞれ騎乗することを選択。結果はどちらも敗退だったが、戦略としては、厳しい戦いが予想されるGⅠ皐月賞よりは、重賞のGⅢ2つを選択したほうが勝算が高いと考えて動いた、というわけだ。
このルールはダービーまで続くことになるので、騎手は難しい判断を迫られることになるが、ファンのみなさんは、このルールをうまく利用すれば馬券のヒントにつながる。
というのも、川田騎手の選択で言えば、レクセランスでは勝算が低いから依頼を断った、つまり皐月賞で馬券の評価を下げることができる。
逆に、京都での騎乗馬は期待が持てる、という大雑把ではあるが、道筋を立てることはできる。
今週であれば、土曜日の
オアシスS、
古川騎手は
メモリーコウのために遠征。
日曜日の
フローラS、
横山武騎手は
ウインマリリンのために福島での依頼を断って東京へ。
このような視点で騎手の動きに注目すれば、どの馬が勝負で、どのぐらいの期待があるのか、が見えてくる。
是非、参考にしてヒントを探してほしい。
関西事情通のちょっとイイ?話
期する遠征!
無観客開催ながら、桜花賞・皐月賞と無事行われたことは何より。
桜花賞にしても皐月賞にしても、歴史に残る名勝負と言えるほど、無観客ながらも大歓声が聞こえてくるような白熱した、迫力あるレースだった。
今週は春の連続GIの狭間、GI開催のない週末になるが、今週から中央開催が東京・京都に替わり、いよいよ競馬トップシーズンに突入する。
ただ今週もまた無観客で行われる事に加え、先週同様に騎手や馬の移動規制がある。
特に騎手に関しては、同節内(通常の土日)での騎手の移動が規制されているため、今週はなかなか悩ましい週末となっていた。
土曜は福島で重賞が、日曜は東京と京都で重賞が組まれ、土日での移動が出来ないため、土日通してどの競馬場で騎乗するかは非常に悩むところだろう。
特に土曜の
福島牝馬Sに騎乗すると、日曜も重賞の無い福島で騎乗しなくてはならず、普段は中央開催を主戦場としている騎手にしてみれば、天秤にかける材料が多くより難しい選択となる。
和田騎手は、普段は中央で騎乗する騎手だが、ここで騎乗する
フェアリーポルカは自らの手で中山牝馬Sを勝たせたお手馬、割り切って遠征できるというもの。
関東なら
丸山騎手もそんなところだろう。
異色の存在は
池添騎手。
普段は中央開催で騎乗しているのだが福島遠征、そしてここで騎乗する
エスポワールは今回が初騎乗、解せないところがある。
他の騎乗馬に「福島遠征しなくてはいけない」理由のありそうな馬は見当たらない。
その真相は…
やはり目当ては福島牝馬Sに出走するエスポワールということ。
実はマイラーズCでも騎手の決まっていなかった馬があり、京都に残れば騎乗馬確保は出来ていたと思われる。もちろん、その他のラインナップも、京都ならより揃っただろう。
しかし選んだのは福島。そう、彼はJRA全開催場重賞制覇にリーチが掛かっており、この福島を制すればJRA全10競馬場での重賞制覇が成し遂げられるというところもある。それもあってか、自ら営業して乗り馬を確保をした。
中央でもある程度乗り馬を確保できる存在だが、今回は急遽の遠征(規制が無ければ遠征はなかった)とあって日曜日の騎乗は3鞍だけ。そう、極端な言い方をすれば日曜を捨ててでもエスポワールの騎乗に拘ったという事だ。
間違いなくこの遠征は期するところがある。この池添騎手と、騎乗するエスポワール、注目も注目と言える存在だ。