第961回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
暖かくなって調子を上げている波乱の立役者が…
春のGIシーズンも、次週には優駿牝馬オークス、その翌週には東京優駿日本ダービー、そして5週連続東京GI開催のトリを飾る安田記念と、早くも佳境を迎える。
今週、土曜日の東京では、安田記念の前哨戦として歴史ある重賞、
京王杯スプリングCが行われる。
上位人気を形成するのは、昨年のスプリンターズSの勝ち馬で、今回は主戦でるルメールに戻るタワーオブロンドンと、スプリント路線では常に上位人気に推され、今回はレーンが手綱を取ることで余計に注目を集めそうなダノンスマッシュといったところだろう。
但しこの2頭、前走の高松宮記念では、馬場などの影響はあるとは思うが、2頭ともに2桁着順の大敗を喫していることは確か。
人気にはなるがそこまでの信頼度もまだなく、付け入る隙は十分にありそうだ。
狙ってみたいのは…
一昨年のNHKマイルCで藤岡佑介騎手にJRA初GIをプレゼントした
ケイアイノーテックだ。
そのGI勝ち以降、勝ち星から遠ざかり、距離を短くしたりダートを使ったり、昨秋には距離を延ばしてみたりと、試行錯誤が続いていた。ただ結果が伴わなかったからか、今年からは再びマイル戦線に戻り、東京新聞杯、そしてダービー卿チャレンジTと歩んできた。
東京新聞杯は、着順は11着もメンバー最速の上がり3F33秒2の脚を繰り出し、ダービー卿では大外からグイグイ伸びて来て、坂を上がっても勢いは衰えず4着入線、時期的なものもあるのか、いい頃の走りが蘇ってきたイメージがあった。
やはり、暖かくなって調子は上げている様子。そして今回、最近は多少ズブさを見せるようになってきた事を加味し、中間の調整ではチークピーシズを着用、陣営も「走る気に満ちてきて良くなている」というジャッジ。
良くなってくれば、GIを勝っている舞台と同じ東京コース、距離は1400mでも十分勝負になるメンバー構成、鞍上は津村騎手に代わって石橋脩騎手だが、ある意味では鞍上強化とも言える采配。
東京の芝は今週からBコース、雨予報もあり波乱の一日になりそうだが、ケイアイノーテックがその波乱の立役者となる可能性も十分あるだろう。
注目してみたい。
美浦『聞き屋』の囁き
女王の取捨
女王
アーモンドアイの今年初戦となるのが日曜日に行われる
ヴィクトリアマイル。
昨年はドバイ遠征後は安田記念というローテーションだったが、今年はドバイ遠征もレースが行われることはなくとんぼ返りで帰国。
レースをしていないので回復が早かったということで、今年はヴィクトリアマイルから安田記念へというローテーションを予定。
いまさらアーモンドアイの強さについて語ることはないので、取捨については各々の判断次第。
ここでは他の馬たちについての情報を提供したい。
まず、昨年の勝ち馬
ノームコアと2着馬
プリモシーンについて。
この2頭について語るには、もう1頭グランアレグリアにも登場してもらう必要がある。
というのも、グランアレグリアが熱発でヴィクトリアマイルを見送り安田記念へとスライドしたわけだが、当初の予定ではヴィクトリアマイルでレーン騎手が騎乗することで決まっていたのだ。
この時点でノームコアは
横山典騎手へ、プリモシーンは鞍上が未定だった。
グランアレグリアの回避によって騎乗馬がなくなったレーン騎手は、それならばノームコアに騎乗したいと動いたが、すでに横山典騎手へ依頼済みだったので、厩舎&オーナーサイドとしても、覆すことができなかったようだ。
そのため、鞍上が未定だったプリモシーンで
レーン騎手が手を打ったというのが実情のようだ。
レーン騎手の第一希望は昨年コンビを組んで勝ったノームコアだったが、ノーザンファームの意向でグランアレグリアへと変更となり、その後プリモシーンへと再度の変更となったというのが事の経緯。
ノームコアに乗れないことでレーン騎手が一時は落ち込んでいたと聞いたが、プリモシーンの追い切りに騎乗したあとは「勝負になる」という手応えを掴んだようでモチベーションが急上昇。
騎手の心理とは複雑かつ、単純なもののようだ。
他では
コントラチェックに騎乗する
武豊騎手。
ルメール騎手と同じエージェントに変更した昨年から勝ち星を量産。
トレセンではバーター騎手と揶揄されているが、勝ってなんぼの勝負の世界では勝っている騎手が正しい。
今回騎乗するコントラチェックもルメール騎手が乗れないから回ってきた馬のようだ。
アーモンドアイがいつもの強さを見せるのか、もしくは新女王が誕生するのか。
安田記念にもつながる重要なレースなので注目したい。