第971回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
陣営好感触!カフェファラオの逆転候補は
歴史の浅い比較的新しい重賞の
ユニコーンSだが、施行時期は秋だったものの第一回の優勝馬が翌年にフェブラリーSを制するシンコウウインディ、そして第二回はタイキシャトル、以降もウイングアロー、ゴールドティアラ、アグネスデジタルと後にGI(JpnI)勝利馬を毎年輩出し、施行時期が春に移設されてからも、ユートピア、カネヒキリを輩出。
近年はノンコノユメ、ゴールドドリーム、サンライズノヴァ、そして一昨年のルヴァンスレーヴ、昨年の勝ち馬ワイドファラオも先日のかしわ記念を勝ち、5年連続でGI(JpnI)勝利馬を輩出し、クラシックシーズン後のGⅢとはいえ、今後のダート戦線の主役級を数多く送り出している注目の出世レースとなっている。
今年も相応の好メンバーが揃い、とにかく見応えある一戦となりそうだ。
恐らく人気を集めるのは、同じ東京ダートマイル戦の舞台だったヒヤシンスSで、出遅れながら大外をぶん回して圧勝したカフェファラオだろう。その印象的なパフォーマンスでさらに人気を集めそうだ。
ただ、そのヒヤシンスSで2着に敗れた
タガノビューティーも、陣営の感触からすればカフェを逆転するかも知れない雰囲気を醸し出している。
というのも、そもそもこの馬のこの春の目標が、このユニコーンSに設定されていたからでもある。
デビュー戦となった昨夏の新潟のダート戦を快勝し、2戦目のプラタナス賞は上がり3F34秒8という2歳馬のダートでは考えられない決め手を繰り出し圧勝。この時点で「東京ダートのマイル戦はベスト」と見据え、同舞台の出世レースであるユニコーンSが目標の視野に入っていた。
3戦目は芝のGIに挑戦、そこで4着と好走したため、年明けはシンザン記念にも挑戦したが、ここで芝は一旦諦め3歳ダートの王道路線ヒヤシンスSに参戦した。
結果は2着。カフェファラオが大きく出遅れていたことを考慮するとこの着差では完敗と言えるのだが、、カフェよりもさらに外から、仕掛けのタイミングもワンテンポ遅れていながらも、上がり3Fは出走メンバー中最速の脚を使い終い詰め寄った脚は、勝負付けが済んだとは言えないだろう。
前走の青竜Sで3着に敗れた事で、今回は評価が一気に下がりそうだが、前述通りこの春の最大目標はユニコーンS、ゆえにここへ向けてのひと叩きだったことは確か。終いの上がり3Fも、この馬としては物足りない36秒1、これが全てを物語っている。
さらにもう一つ、陣営のモチベーションの上がる出来事がある。
ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー。
日本馬を対象としたケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズで、最上位馬にケンタッキーダービーの優先出走権が与えられる(最上位馬が辞退の場合は繰り上がる)と言うもの。
例年はカトレア賞から始まり、地方川崎の全日本2歳優駿、そしてヒヤシンスSを経て伏竜Sが最終戦となるのだが、新型コロナウイルスの影響でケンタッキーダービーの施行時期が9月に延期され、それに応じてシリーズの対象レースが急遽追加された。
それがこのユニコーンSとジャパンダートダービーの2鞍となっている。
タガノビューティーの主戦である
和田騎手は、この馬に可能性を感じているのか「遠征費用を自分が出してもアメリカに行かせたい!」と話しているという。実際に出資するかどうかは別にしても、それだけの感触を得ているのだろう。
現時点でのポイントトップは伏竜Sを制したヘルシャフト、ただヒヤシンスSの上位であるカフェファラオ、タガノビューティーの何れかが勝てばトップに躍り出る。
もちろん、最終戦のジャパンダートダービー次第ではあるものの、タガノビューティーの陣営のモチベーションは相当に高い。
ここはもちろん、ジャパンダートダービーまで含めて目が離せない一頭である。
美浦『聞き屋』の囁き
ここも無敗対決①
例年、
ユニコーンSは素質馬たちが揃うレースではあるが、今年は特に才能あふれる馬たちが集結。
ユニコーンSの前哨戦となるヒヤシンスSを快勝したカフェファラオ。
2戦ともに桁違いのスピードで圧勝したレッチェバロック。
爆発的な末脚で2連勝中のサトノラファール。
東京マイルでは3戦3勝のデュードヴァン。
これに続く2勝馬たちも強い勝ち方で勝ち上がっており、先々まで覚えておいていい馬ばかり。
そんな中でも注目は、やはり1・2番人気候補のカフェファラオとレッチェバロック。
まず
カフェファラオについて。
デビュー戦、10馬身差で2着に負かしたバーナードループがその後、3連勝で重賞を制覇。
ジャパンダートダービーの本命候補となっており、この比較からも能力は相当。
ヒヤシンスSを快勝後、騎乗したデムーロ騎手がアメリカ遠征を口にしたことで、オーナーサイドが行く気になってしまい、それをなだめることに苦労した、という話が漏れ聞こえてくるほど。
というのも、ヒヤシンスSがアメリカクラシックのポイント加算レース、つまり、トライアルレースとしての意味合いがあり、ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSの3冠レースへの出走が可能となるのだ。
当初は遠征に後ろ向きだったという堀師も今回の勝ち方次第では、アメリカ遠征も視野に入れているという話があり、負ける気はさらさらない、ようだ。
競馬場から見た推奨馬券
レーンを確保した意欲も買いたい
東京は、木曜の夜から降り出した雨が金曜の夜まで降り続く。今週からDコースに替わるが、先週の結果を見ても分かるように、芝コースはかなりヤバい。先週は競馬当日も降ったこともあるが、スピード、切れ味上位の馬がことごとく撃沈。
土曜は終日晴れのようだが、先週までに受けた芝のダメージと金曜夜るまでの雨量を考えると、先週と大差ない馬場状態では?
とりあえず、芝のレースで勝負することは避けるのが賢明。
そういうことで、土曜はダートのレースで攻めてみたい。
まずは
東京3R。ここは安定感、自在の脚質からマイネルイリャルギからが無難だが、2100mが初めてということと、今年9戦目と休みなく使われており、絶対視は危険。メンバー的に好走する確率は高いが、人気とのバランスを考えると妙味が薄い。
狙ってみたいのは、13番
トップリーチ。前走は初めての芝の競馬で、8着と着順は悪いが、メンバーが揃っていた割には、大外に持ち出してからの脚は悪くなかった。いずれにしろ初芝で参考外だったが、状態の良さは窺えた。
その前の2走のダート戦の内容は、着順以上に評価できるものであった。
3走前は、先着3頭が行ったままの前残りの競馬で、唯一追い込んで0.2秒差4着。
2走前もペースが緩くて4角は馬群が固まる展開。その一番外を追い上げただけに距離ロスが大きく、伸びを欠いた。それでも5着だけに、ダート2100mは堅実に走る。
それに、小柄な馬で芝を試したくらいだから、パサパサよりも脚抜きの良いダートの方が合いそう。
展開に左右されるネックはあるが、マイネルイリャルギやカナライズなどの距離延長組が先行しそうなだけに、ペースが上がる可能性はある。
人気を落としているだけに、馬券的な妙味は十分だ。
単勝 13
馬連 7-13 3-13
3連複 7と13の2頭軸 相手1.3.15.16
自信度 C
もう一鞍は、
東京8R。ここは3歳馬の6番
ファイアランスで軸は大丈夫。
昨年に引き続き、やはりこの時期の特に低額条件では3歳馬が優勢のようだ。降級制度がなくなった影響が大きいのであろう。
前走はまだ3歳戦で、メンバー的にもそこそこのレベル。少なくとも今回のメンバーよりは、強そうな相手が揃っていた。そこで掛かり気味の先行。と言うよりも、完全に折り合いを欠いて、4角手前まで首を上げっぱなし。そんな形でもペースは速く、普通なら失速する場面だが、クビ、クビ差の3着に粘った。ちなみに1400m通過は、同日の同じクラスの1400m戦の勝ちタイムよりも速かった。
1800mでも好走していた馬だけに、距離が長かったとは思えない。折り合いを欠いたのは休み明けだったせいであろう。
一度使われてガス抜きができた今回は、前走以上のパフォーマンスが期待できる。
焦点は相手探し。前走が同じような馬場状態で、渋とさを見せた2番グロリアスホープに注目したい。
その前走は、逃げた馬とハイペースで終始競り合うきつい競馬。競った相手が後ろから2番目の入線と早目にバテてしまい、先頭に立つのも早すぎた。そんなきつい競馬でも、土曜12Rで人気になっているキタノユウキとは僅かハナ差だけに、十分に評価できる内容だ。連闘で使ってきたにも関わらず、レーンを確保した意欲も買いたい。
馬連 2-6 3-6
3連複 2と6の2頭軸 相手1.3.7.9
自信度 B