東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2020年9月26日]

【神戸新聞杯】女神に愛された美青年で穴狙い

自分のことで恐縮だが、正直に言って、いったん好きになったら飽きないタイプだと思う。裕次郎ファンで60年、古代史ファンで50年、競馬ファンで47年だから、キャリアだけなら相当なもんだ。異性関係についても同じことが言えるのだが、これ以上、詳しい事は不明ということにしよう。そういえば、そもそも好きになる機縁は、自分自身の実感で選んだからだ。周りの雰囲気に流されてそうなったわけではないから、継続するのだろう。

競馬にかぎれば、吉祥寺の居酒屋「青夷」の競馬常連組もおそらく40年以上は競馬に親しんでいる。いったん惚れたら飽きないタイプかもしれない。馬券が当たらないと「競馬は止める」と宣言しておきながら、止めた奴など一人もいないのだ。

最後のクラシック菊花賞をめざす馬たちが神戸新聞杯に集う。いよいよ無敗の2冠馬コントレイルが出走するから、秋競馬の気分も高まる。

口撃機関銃ヤマは、②コントレイルが負けるイメージはわかないと言いながら、飽きもせずダービーで本命にした⑱ヴェルトライゼンデを狙うらしい。相手に②を中心に3、4頭を拾って、単勝・馬単・3連単でいくらしい。オールカマーは自信の本命③ミッキースワローを抜擢。ギャンブル狂師ミノ先生は、ダービーを1番人気で勝った馬は絶対だと見なして、②を頭に固定して、ほかに5頭を拾って、3連単で行くらしい。オールカマーは、やはり③の頭固定で、2着3着に⑧カレンブーケドールを確定し、後は総流し14点で勝負するという。穴専科のマスターは②と同厩舎の人気薄⑩パンサラッサが狙いで、距離不安は母の父モンジューのスタミナで大丈夫という。オールカマーは①クレッシェンドラヴを狙って。①-③、③-①の1、2着固定で、3連単14点で狙ってみる。

ところで、ギリシア神話のなかで、月の女神にこよなく愛された美青年がいた。女神は彼との間に50人の娘たちを産んだという。彼は人間であるからいつか死ななければならない。その想いに耐えがたく、不死なる女神は彼を永遠に眠りつづけるようにさせたという。この美青年の名はエンデュミオン、それにちなんで⑦が女神と私の穴馬である。頭が堅いときは、相手には人気薄を狙えとは、馬券戦術の鉄則である。ここは②コントレイルがどんな勝ち方をするかを見るレースだが、ワイド1点ならこれしかない。オールカマーは③ミッキースワローの軸が堅いなら、やはり相手は人気薄④センテリュオを狙ってみる。

神戸新聞杯

②-⑦ ワイド1点で勝負する

②-⑦の2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ

オールカマー

③-④ ワイド1点で勝負する

③-④の2頭軸で3連複総流しの7点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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