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菊への道はここから始まる！若駒たちのプライドが激突する伝統の一戦

クラシック最後の一冠、菊花賞へ。その最も重要なステップレースとされる神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m)が今週末、阪神競馬場で開催される。

春のクラシック戦線を沸かせた実力馬か、それとも夏を越して急成長を遂げた上がり馬か。若駒たちの覇権争いが、今始まる。

断然の主役候補は、エリキングだろう。昨秋、無傷の3連勝で京都2歳ステークスを制した世代屈指の素質馬だ。皐月賞は11着、日本ダービーでは5着と、共に敗戦となったが、このまま終わる器でないことは誰もが認めるところ。

夏を越して心身ともに成長した姿で、改めて世代の頂点を証明しにくるはずだ。川田将雅騎手を背に、ここから逆襲の物語が始まる。

そんな王道の主役に待ったをかけるのが、夏の上がり馬アルマデオロだ。春はクラシックの舞台に立てなかったが、北の地で好走しここに照準を合わせてきた。

何より、鞍上には百戦錬磨のレジェンド・武豊騎手。大舞台を知り尽くす名手が、この馬をどう菊花賞へ導くのか、その手腕から目が離せない。

レース展開は、確固たる逃げ馬が不在でスローペースが濃厚。そうなれば、勝負は最後の直線での瞬発力勝負だ。阪神外回り2400mの長い直線で、どの馬が一番切れる末脚を使えるかが勝敗を分けるだろう。各騎手の駆け引き、仕掛けどころが大きな見どころとなる。

馬券の軸は、やはり世代トップの能力を信じてエリキングで揺るがない。ここで無様な競馬はできないという陣営のプライドもあるはずだ。

そして不気味な穴馬として、鞍上が読めないボンドロアを挙げたい。名手・横山典弘騎手が一発を狙っていそうで、末脚勝負が見込まれる中、スタミナを要する展開となれば大波乱の立役者になる可能性を秘めている。

3歳馬にとって、一度しかないクラシックロード。最後の栄冠を手にするため、絶対に負けられない戦いがここにある。若駒たちの魂の走りを、我々はただ見届けるのみだ。