秋の古馬王道路線を占う伝統の一戦、
京都大賞典(G2・京都芝2400m)。今年もG1戦線での活躍を夢見る実力馬たちが、淀の長丁場に集結した。一昨年の菊花賞馬の復活に注目が集まるが、虎視眈々と下剋上を狙う上がり馬たちの勢いも侮れない。各陣営の思惑が交錯する中、秋の主役へと名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。レースの核心に迫っていこう。
【有力馬分析】淀で問われる真の実力
◎ アドマイヤテラ (牡4・川田将雅)
本命には、充実期を迎えた4歳馬アドマイヤテラを推す。前走の目黒記念(G2)で見せた勝ちっぷりは圧巻の一言。好位から楽な手応えで抜け出し、上がり34.5秒の末脚で後続を完封。あのレースぶりは、もはやG1級と言っても過言ではないだろう。
父レイデオロはダービー、天皇賞・秋を制した名馬である。何より、ダービーに出走していてもおかしくはなく、好素材であるのに2400mという距離が初めてなのが不思議なくらいだ。立ち回りには非凡なセンスを感じさせ、鞍上も名手・川田将雅。陣営が描く秋の王道路線へ、ここは負けられない一戦だ。
〇 ドゥレッツァ (牡5・横山武史)
対抗は、2023年の菊花賞馬ドゥレッツァだ。天皇賞・春、そして前走の宝塚記念と、この馬本来の走りが見られていないのは確か。だが、忘れてはならない。
一昨年の菊花賞で、並み居る強敵を力でねじ伏せたあのパフォーマンスを。今回、その栄光を掴んだ京都の外回りコースに舞台が替わる。前走から引き続き横山武史が手綱を取るとなれば、見限るのは早計というもの。王者のプライドを懸けた走りに期待したい。
▲ ショウナンラプンタ (牡4・松山弘平)
単穴評価は、同じく4歳馬のショウナンラプンタ。11番人気という低評価を覆し、宝塚記念で4着に食い込んだ走りは伊達ではない。厳しい流れの中で見せたあの勝負根性は、一線級相手でも戦えることを証明した。
父キズナは京都コースを得意としており、この馬もその血を色濃く受け継いでいる。GIで揉まれた経験を糧に、本格化の秋を迎えた今、G2のタイトルは十分に射程圏内だ。
△ サンライズアース (牡4・池添謙一)
長距離路線で非凡なスタミナを見せてきたサンライズアースも侮れない。前走の天皇賞・春では2番人気に支持され4着と、世代トップクラスの能力は証明済み。
今回は2400mへの距離短縮が鍵となるが、持ち前の先行力は大きな武器。京都コースなら、粘り込みは十分に考えられる。
△ ディープモンスター (牡7・浜中俊)
ベテランのディープモンスターも軽視は禁物だ。前走の新潟記念で見せた上がり32.6秒という驚異的な末脚は、まだまだ健在であることをアピールするには十分だった。
展開に左右される脚質ではあるが、スローペースからの瞬発力勝負になれば、この馬の決め手が炸裂する場面があっても何ら不思議はない。
【穴馬の指摘】淀に潜む伏兵
☆ サブマリーナ (牡4・横山和生)
面白いのは、人気薄が予想されるこの馬だ。特筆すべきは【3-0-1-1/5】という驚異的な京都コース適性。まさに「淀のスペシャリスト」と呼ぶに相応しい。父スワーヴリチャードの産駒は馬場が渋ってもこなせるタイプが多く、週末の雨予報で、馬場状態が悪化しても歓迎の口だろう。
前走チャレンジカップ組というところで評価を落とすなら、妙味は十分。鞍上の横山和生も不気味な存在で、一発の可能性を秘めている。
【展開予想】鍵を握るは淀の直線
これといって、明確な逃げ馬が不在のメンバー構成。サンライズアースあたりがハナを主張するか。アドマイヤテラが好位を追走する形。
ペースは落ち着き、スローからの瞬発力勝負が濃厚とみる。そうなれば、直線をいかにうまく使えるかが勝負の分かれ目。
先行勢の粘り込みか、中団から構える実力馬の決め手か、あるいは後方一気の追い込みか。各ジョッキーの腕の見せ所だ。
【結論】
完成の域に達した◎アドマイヤテラの自在性と総合力を最上位に評価する。菊花賞を制した舞台で復活を期す〇ドゥレッツァが相手本線。
宝塚記念4着で本格化した▲ショウナンラプンタが続く。馬券は◎を軸に、〇▲と穴の☆サブマリーナを含めた△各馬へ流す馬連で勝負したい。秋のG1戦線を占う一戦、各馬の走りに注目だ。
【予想印】
◎ アドマイヤテラ
〇 ドゥレッツァ
▲ ショウナンラプンタ
△ サンライズアース
△ ディープモンスター
☆ サブマリーナ