谷中公一のソコまで聞いちゃう!?[2013年5月8日対談記事]2ページ/3

谷中:伴君ってホント明るいよね~(笑)。自分の性格はどんな感じだと思っているの?よく人にこう言われる、とかない?

伴:あー、軽いねってよく言われますね(笑)。僕的にはけっこう考えているんですけどね。

谷中:あ、考えているの。

伴:考えています。「もっと考えろよ」とか言われるんですけど、僕的には考えているんですよ。

谷中:例えばどんなときに「もっと考えろよ」って言われるの?

伴:競馬学校時代に、仲の良い厩務員さんたちとご飯に行ったりしたときとか。例えば、相手が何かを話したときに、あ、そうなんですかとかマジッすか?って応えると、そこで。

谷中:マジっすか?の言い方なんじゃないの?

伴:相手も僕がそういう感じだって分かっているから「お前くらいだよ、そんな返しをしてくるのは」って軽くあしらわれますけど(笑)。

谷中:キャラを分かってもらえてるんだ。そうか、じゃあ競馬学校時代も順風満帆で、あっという間の3年間だったんだね。

伴:早かったですね、終わってみれば。

谷中:伴君もデビュー前は模擬レースに乗っているけど、実際にデビューしてレースを経験して、違いを感じたところもあるんじゃない?

伴:いや、僕的には…、意外と一緒かな。僕は、一週目は競馬に乗れなかったんですけど、関西の同期は乗っているんですよ。それで電話して、どうだった?って聞いたら、みんな「いやー、ペースとか凄いよ」って言うから、そうなんだと思ったんですよね。で、次の週に乗れて、バーンとゲートが開いて行ったんですけど、意外と…。

谷中:大丈夫だった?

伴:はい。まあ、競馬学校より馬の質も良いので、別に模擬レースと比べても、そう違うとは思わなかったですね。

谷中:思ったより流れが速いなとか、そういうのはなかったの?

伴:なかったですね。

谷中:凄いね、素質あるじゃん。

伴:ただ、ペースの変化は、こんなに変わるのかと思いました。ひとつのレース中にペースが落ちたり上がったりするので。競馬学校のレースはダーッと流れていくだけなんで、そこは違うなと思いました。

谷中:馬と馬の間の距離感なんかはどうだった?あ、これはキツいわとか。

伴:そうですね、あんまり…、感じなかったかもしれないです(笑)。

谷中:あんま考えてねーんだろ、やっぱり(笑)。

伴:いやいや(笑)!考えてますって。競馬に関しては考えますよ。

どういうところを考えるんですか?

伴:とりあえず、レース前は良いことしか考えないです。こう行って、こう行って、ゴールして、みたいな。

谷中:頭の中でイメトレはするんだよね?

伴:しますね。でも大体その通りにはいかないんですよね(笑)。映像とか見たり、先生と話して、こういうレースが出来ればいいなっていうイメージをして。

谷中:その自分が作ったイメージと、現実のレースの差を埋めるのが大変なんだよね。

谷中さんのデビュー戦では、コーナーをピッタリ走っているつもりが、実際は…

谷中:コースのど真ん中を走っていたからね。みんなと一緒に走れているし、コーナーリングも上手くいったなと自己満足をして、上がってきてパトロールビデオを見たら、馬場のど真ん中を走ってんの。調教師に「どこ走ってんだ、オマエ!」ってメッチャクチャ怒られた(笑)。

伴:アハハ(笑)!

谷中:それで凄いショックを受けちゃって、いや、俺はこのまま続けていけるかなって、不安になっちゃって。

という感じのエピソードが、デビュー間もない頃はありがちかと思っていたんですけど。

谷中:みんなよく「あっという間に終わっちゃった」みたいな感じなのにね。伴君みたいな意見は初めて聞くよ。

伴:多分、ゲートをポンと出て前に行けたからじゃないですかね。最後は脚がなくなったんで、ゴールまでがメッチャ長かったですけど。

谷中:疲れるよね(笑)。ゲートを出てからも、周りを冷静に見れた?

伴:見れましたね。みんな行かないから行こうかなっていう感じで。

谷中:それが凄いよね。初めて聞いたもん。

伴:アハハ(笑)!僕、ヤバいのかな。でも、僕の場合はレース前からかなりヤバいんだろうって思っていたからじゃないですか。周りに電話で聞いていたし、先入観が凄過ぎたのかもしれないです。ついて行けるのかな、ぐらいに思っていたから。

谷中:ハードルを高く考えていたのかもね。

伴:出たなりでって考えていたんですけど、ポンと出れたので、イケるじゃんって。

谷中:先生の指示はなかったの?

伴:いえ、先生は僕に対して競馬の指示はほとんどないんで。

谷中:じゃあ「気楽に乗ってこいよ」みたいな感じなの?

伴:そうですね。そんな感じです。

谷中:気楽に乗ってこい。レースが終わったら、歯ぁ磨けよ、みたいな。

伴:そうですね(笑)。磨きます~みたいな(笑)。

アハハ(笑)。そういえば、これが伴騎手の騎乗してきたデータ資料です。

谷中:(資料を見ながら)これまで乗ってきたなかで、褒められたこともあったでしょ?

伴:ありました。

どういうところを褒められたんですか?

伴:まあ、ここまではゲートをアオることは、ほとんど無かったと思います。でも競馬学校にいた頃は、僕がゲートが一番下手くそだったんです。模擬レースのときも超悩んでいて、教官に、ゲート出れないんですよって相談してましたもん。競馬場の模擬レースでも出遅れて、うわーと思っていて。

谷中:そうなんだ。

伴:一頭、すごく僕的には難しい馬がいて、模擬レースでその馬に2回乗って2回ともバーンってメッチャアオって。そこから、どの馬に乗ってもゲートがダメになっちゃって。

谷中:ああ、自分がタイミングが合わなくなっちゃったんだ。

伴:そうなんですよ。タテガミを持っていても何故か当たっちゃうし。何でだろう、と思って。結局、上手く行ったのは最後の模擬レースくらいかな。

谷中 公一

1965年長野県生まれ。1985年、美浦の阿部新生厩舎の所属騎手として騎手デビュー。JRA通算成績145勝(うち障害3勝)。初騎乗は1985年3月10日にヤノリュウホウ(8着)。同年6月15日イチノスキーで初勝利。現役中に騎手生活の厳しい現実を綴った著書「崖っぷちジョッキー」を発表。現在は天間昭一厩舎の助手として活躍中。同厩舎ではレッツゴーキリシマやクラウンロゼなどを担当した実績もある。またその傍らドッグガーデン「WANだら~」経営者としても手腕を発揮している。

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