谷中公一のソコまで聞いちゃう!?[ 2011年10月06日対談記事] 1ページ/3

水口:谷中さん、覚えてます?

谷中:何を?

水口:僕が美浦へ来て、最初に怒られたのは谷中さんなんですよ。

谷中:え!?ウソー?俺が水口を怒ったの?え、いつ頃?

水口:僕が競馬学校の厩舎実習で美浦に来たときです。確か、来て2日目ですよ。角馬場で馬に乗っていたら、いきなり怒鳴られて。

谷中:本当に?いやー、ぜんっぜん記憶に無いんだけど(笑)。

怒った側は案外覚えてないんですね(笑)。ちなみに怒られた原因はなんだったんですか?

水口:いや、もう「怖ぇ~~」ってテンパッていたので、詳しい原因は覚えていないんですけど、多分僕が変な動きをしたんだと思います。

谷中:じゃあ、かなり危ない動きをしていたんだろうね。俺はよっぽどなことがないと怒鳴らないから。赤白のヘルメットで、実習生だって分かるから「こういうことは危ないぞ!」って教育的な意味も込めて注意したんだと思うけどな。人為的なことで、馬を危険な目にあわせることがあったら困るし。

水口:そうですね。そういう大事なことを、美浦に来てすぐに教えてもらえて良かったです(笑)。でも、本当に怖かったんで、自分の厩舎に戻ったときに「アノ人怖いんですけど、誰ですか?」って厩舎の人に聞きましたよ(笑)。

谷中:ホント、俺は怒鳴ることなんて滅多に無いから、貴重な経験だよ(笑)。

そんな衝撃の過去があって、今回よく対談を受けてくれましたね。

水口:いえいえ(笑)。その後は気安く話していただけて、どんな人なのか分かりましたから。今は谷中さんのブログも見てますよ。

谷中:ありがとう。水口はブログをやってないの?

水口:パソコンとか全然分からないんですよ。

谷中:え~~、平成3年生まれなのに?

水口:インターネットも使えませんし、そもそもパソコンの電源の入れ方も知らないんです。テレビも、ようやくアナログテレビを変えたばかりですし。

谷中:地デジ化から結構経っているのに(笑)。携帯メールは?

水口:とりあえず来たのは返しますけど、基本的には電話をかけて話しちゃいますね。

谷中:女の子相手に絵文字とか使わないの?

水口:それくらいは何とかできます(笑)。

谷中:平成生まれなのに、昭和の雰囲気があるなあ。俺なんか、46にもなるのに絵文字のほうが多いよ(笑)。

若いですね(笑)。あの、このままだと前回の小野寺騎手と同じく競馬色の薄い対談になりそうなんで、この辺で水口さんが競馬に興味を持ったキッカケを教えてもらえますか?

水口:はい(笑)。父が競馬好きで、僕も小さい頃から競馬場についていったりしていました。

谷中:それで生で競馬を見て「騎手になりたいな」って思ったの?

水口:いえ、その頃はサッカー選手になるのが夢で、騎手になるなんて考えてもみませんでした。

谷中:そうなんだ。じゃあ、ジョッキーを目指すキッカケは何だったの?

水口:中学生のとき、母が趣味でポニーを始めて、僕も付き合わされたときがあったんですよ。その頃は面白いともなんとも思わなかったんですけど、乗馬クラブの人から、「ジョッキーになってみない?」と言われまして。それで調べてみたら、かっこいいと思ったと同時に、身長や体重も合っていたので。本当はサッカー選手を目指していましたけど、どれだけ食べても身長が伸びなかったし、医者からも「キミの身長は160センチに行かない」と言われていましたから……。

谷中:身長は気にしてたんだ。

水口:はい。伸ばしたくていろいろ試しましたよ。ぶら下がり健康器とかも使ってました。

谷中:ぶら下がり健康器!懐かしー(笑)。それで、競馬学校の願書は自分で取ったの?

水口:はい。それは自分で全部やりました。中2の夏から用意を始めまして。

谷中:親はどうだったの?

水口:父は喜んでいました。ただ、母は考えるところがあったみたいですけど。

谷中:でも、すぐに調べて「ジョッキーはいいな」と思ったのは大きいよ。探究心旺盛なのが良かったんだね。

水口:調べることは好きでしたから。競馬に限らず、雑学的なことを調べるのも好きなんですよ。誰も知らないことを、自分だけが分かっているっていうのが良いんですよね(笑)。

谷中:優越感に浸るんだ(笑)。本当、中学生じゃ、まだ競馬なんて知らない子も多いだろうしね。

水口:僕が競馬学校に行ったことも、同級生はあまり知らなかったはずです。でもこの前、同窓会で会ったときは、僕が騎手になったのは皆分かっていましたけど。

谷中:そういうときには、有名人みたいな扱いをされるんじゃない?

谷中 公一

1965年長野県生まれ。1985年、美浦の阿部新生厩舎の所属騎手として騎手デビュー。JRA通算成績145勝(うち障害3勝)。初騎乗は1985年3月10日にヤノリュウホウ(8着)。同年6月15日イチノスキーで初勝利。現役中に騎手生活の厳しい現実を綴った著書「崖っぷちジョッキー」を発表。現在は天間昭一厩舎の助手として活躍中。同厩舎ではレッツゴーキリシマやクラウンロゼなどを担当した実績もある。またその傍らドッグガーデン「WANだら~」経営者としても手腕を発揮している。

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