谷中公一のソコまで聞いちゃう!?[2011年12月23日対談記事] 2ページ/3

西村:小4のときです。スペシャルウィークが出走したレースを見たのがキッカケです。

谷中:ああ、スペシャルウィークね。どのレースを見たか覚えてる?

西村:多分、天皇賞春だと思います。あと、有馬記念がカッコ良いなって思いました。

小学4年生がどうして競馬を見る機会があったんですか?

西村:父が競馬好きなんですよ。

谷中:あ、お父さんが競馬好きなんだ。そのお父さんの影響で競馬を見て、ジョッキーに興味を持ってから、競馬学校に入るために何か始めたの?乗馬に行ったりした?

西村:はい。ジョッキーに憧れを持ってからは、馬に乗ってみたいなと思って、中学生になって乗馬の体験をしました。

谷中:じゃあ中学3年間に乗馬経験を積んで、競馬学校に入ったんだ。

西村:いえ、乗馬は実家から遠いし、受講料が高かったこともあって定期的に通えなかったんです。それで、今出来る事をやろうと決めて、体力作りからはじめました。

谷中:あ、そうだったんだ。

西村:はい。それで中3のときに初めて試験を受けて、結果は駄目だったんですけど、諦めがつかなかったので、千葉にある競馬学校に入るための予備校みたいな学校に入って、そこで馬に乗りながら騎手を目指しました。そこの学費も結構高かったんですけど、親が協力してくれて。

谷中:家族の理解があって良かったね。

西村:はい。それで家を出て、千葉の学校に2年間通って、3回目の試験でやっと受かりました。

谷中:年齢的に制限ギリギリの受験だったの?

西村:いえ、年齢制限は20歳まで大丈夫なんですけど、大体3回目で受からないとそれ以降は駄目みたいですよ。僕、一次の筆記試験で2回落ちていたんで、3回目の試験前には塾にも行きました。

谷中:凄いねー。努力していて偉いよ。

2度目の試験を落ちた時は落ち込んだでしょう。心は折れませんでしたか?

西村:折れてましたね。けど、馬に乗ることが好きなんで、すぐに立ち直りましたけど。

谷中:偉いね。ちなみに千葉の学校って、どんな生活だったの?

西村:寮生活で、朝6時から夕方6時まで動きっぱなしで、毎日毎日ヘトヘトでした。1日5、6頭の馬の運動や馬房掃除、手入れ、カイバ付けを全部やってましたから。

競馬学校に入る前にも相当な苦労をされたんですね。

西村:そうですね。しかもその頃は学校の作業時間の合間を縫って、バイトもしてましたから。

谷中:バイト?本当に苦労してるんだね。だから、そんなに頬っぺたがこけてるんだよ(笑)。

西村:僕もそう思いました(笑)。千葉に来てから毎日鏡を見ていたんですけど、どんどん表情が変わっていくのが分かるんです。中学の頃はそんなに顔がキツくなかったんですよ。僕はこれでも…いや、止めておきます。

谷中:なに?言いなよ。

西村:中学生の頃はこれでも、女の子からキャーキャー言われていたんですよ。

谷中:何かと思ったら自慢かよ(笑)。

西村:自慢じゃないですよ(笑)。でも、「カワイイ」とか言われていたんですよ(笑)。

谷中:カワイイ?どっちかというと「カッコ良い」って言われてたのかと思った。まあ、きっと昔はふっくらして、表情が柔らかかったんだね。

西村:親にも「顔つきが変わった」って言われました。

千葉での大変な経験が滲み出てるせいですかね。高校生にしたら、相当キツい生活だったんでしょうね。

谷中:学校の厳しい生活を送る中でバイトまでしてたんだもんね。俺、西村君のこと見直したわ。単なる目つきの鋭い人じゃなかったんだね(笑)。もう合格した時は嬉しかったでしょ?

西村:本当に嬉しかったですね。合格したのが分かってすぐ母に電話したら、泣いてくれて。あの時は本当に嬉しかったです。

本当、合格して良かったですよね。競馬学校入学前がそこまで大変な道のりだったら、入学後は特に辛いと感じることもなかったんじゃないですか?

西村:いや、ありましたよ。僕、元々よく食べる方なんで、最初の頃の食事制限が辛かったです。甘いものも食べられないし、外出も出来なかったので、それは本当に辛かったですね。食欲は1年くらい経つと落ち着くんですけど、入学した頃は、食べ放題の本ばかり買って調べていました。

谷中:分かる分かる。餃子って食べたくならなかった?

西村:なりました!よく王将に餃子を食べて行ってました。あとは焼肉ですね。

谷中:そう!脂っこいものを食べたくなるよね。やっぱり若い頃ってそういうのが欲しくなるから。食事制限以外で、例えば授業で大変だったことはない?

西村:技術面で教官によく怒られていました。

谷中:それはほとんどの人がそうだよね。

谷中 公一

1965年長野県生まれ。1985年、美浦の阿部新生厩舎の所属騎手として騎手デビュー。JRA通算成績145勝(うち障害3勝)。初騎乗は1985年3月10日にヤノリュウホウ(8着)。同年6月15日イチノスキーで初勝利。現役中に騎手生活の厳しい現実を綴った著書「崖っぷちジョッキー」を発表。現在は天間昭一厩舎の助手として活躍中。同厩舎ではレッツゴーキリシマやクラウンロゼなどを担当した実績もある。またその傍らドッグガーデン「WANだら~」経営者としても手腕を発揮している。

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