東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2020年5月2日]

【天皇賞・春】馬二頭の縁結び

そもそも、この春の天皇賞は、淀の京都競馬場で観戦する予定だった。

今を去る25年ほど前、夏の休暇でロンドンに滞在していたころ、同僚のN教授も来ており、一年間の長期研究期間だった。彼女はどこか安くていい部屋をお探しだったので、ロンドン大学のS教授(日本人)の住宅なら、今は部屋が空いているはずだから、と紹介した。うまく部屋を借りることができ、彼女は喜んでいた。ところが、一年後の夏の休暇にふたたび私がロンドンを訪れたとき、N教授から大英博物館の特別展にお誘いを受けた。近くのティールームで待ち合わせた折に、彼女は「S先生と結婚することになったの」と恥ずかしそうに語った。二人とも離婚しているのだから、めでたしめでたしの物語である。

そういえば、かつて中学・高校時代のお互いには知り合いでない男女二人を誘って三人で酒宴をしたとき、半年後に二人は結婚することになった。それを思い出し、私はよくよく縁結びの役回りだと、我ことながら感心した。

N先生とS先生の夫妻は今は京都在住なので、昨年会ったとき、「来春の天皇賞は競馬場の来賓席で観戦しましょう」と約束したのだが、コロナ禍でかなわぬ夢になってしまった。

休業中の居酒屋「青夷」だから、もっぱらメール交信。在宅勤務の口撃機関銃ヤマはお得意のデータ処理で、前走勝ちで目下絶好調の⑤ミッキースワローが本命とか。相手はやはり⑭フィエールマンが大本線で単勝、馬連、馬単の勝負馬券でいくと自信あり気。コロナで95%も付き合いが減り、アルツハイマーが心配になってきたギャンブル教師ミノ先生。母系からステイヤーの血が流れると期待して、これまた⑤ミッキースワローを狙い、相手は⑭フィエールマンが大本線というから、ヤマ=ミノの共同戦線らしい。

JR吉祥寺駅でばったり会った穴狙いのマスターは、この長距離レースはステイゴールド産駒の大型ではない馬が狙いとかで⑥スティッフェリオに賭けるらしい。また、大型でないどころか史上最小型340キロでステイゴールドの孫にあたる⑩メロディーレーンちゃんがどこまでやれるかも楽しみらしい。菊花賞5着、上がり最速だったから、この長距離なら複勝はあるかもと虎視眈々。

さて、どうせ縁結びの役回りなら、馬二頭を結んでワイド馬券的中にもっていきたい野心がめらめら。このところ出遅ればかりで大レースで物足りない一昨昨年の菊花賞馬⑧キセキが私の狙い。また出遅れても鞍上の豊さんはどん尻から一気の追い込みがよく決まる。もしかして出遅れを想定して乗り替わりの依頼があったのかとも勘繰りたくなる。相手はやはり菊花賞・天皇賞(春)の長距離を制した⑭フィエールマンの実績が光っている。事のついでに、ほんの遊びで、小さくて可愛い⑩メロディーレーンの複勝も少々買うことにする。

天皇賞・春

⑧-⑭ ワイド1点で勝負する

⑧-⑭の2頭軸で3連複総流し12点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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