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【函館記念】元調教師が読む！ハヤテノフクノスケ「3200→2000m」ローテの謎

今週は七夕賞と入れ替わる形でサマー2000シリーズ第1戦、函館記念(G3、函館芝2000m)が行われます。

ハンデ戦という条件だけでなく中央とは異なる芝質、舞台はJRA競馬場で最も直線が短い函館も相まって、年間でも屈指の難関レースと表現していいでしょう。

今年もどこからでも入れる混戦模様ですが、元調教師の観点から注目しているのがハヤテノフクノスケです。同馬は2走前に芝3000mの3勝クラスを5馬身差で圧勝。長距離適性を評価されて天皇賞・春でも穴人気になっていましたね。

2000mでも勝ち鞍があるとはいえ、今回は前走から1200mの距離短縮となります。長距離のレースとは道中の流れが全く異なりますし、ペースの違いに戸惑う可能性を考慮すると、最低でも2400mは欲しいところではないでしょうか。

ここでファンの皆さんも考えてみて下さい。どうして数あるレースの中から陣営は、あえて函館記念に選択したのでしょうか？

様々な理由が考えられますが1つの可能性として、『馬主が北海道ゆかりの人物』ということが挙げられます。

佐藤範夫オーナーは北海道を中心に事業を展開しています。そんな背景もあって昨夏はオーナー地元開催の札幌で［1-1-2-4］複勝率50%の好成績をマーク。しかも馬券に絡んだ4戦のうち2戦はハヤテノフクノスケで挙げた成績です。

どうしても地理的な関係上、北海道にお住いのオーナーはなかなか競馬場に来場しにくいのが実情です。特に函館や札幌は夏シーズンしか開催が行われませんし、馬主さんによっては厩舎サイドへ「ここに使ってくれないか？」と要請されるケースも少なくありません。

もちろん馬主ゆかりの競馬場で出走する以上、それ相応の結果が求められます。必ずと言っていいほど親戚縁者や友人知人、取引先の関係者などを大勢ともなって来場されますし、この状況下で惨敗でもしたら、オーナーに恥を欠かせてしまいますからね。

その辺は管理馬を送り込む調教師としても重々承知していますし、文字通り“勝負仕上げ”を施してレースに挑むことになります。

ハヤテノフクノスケは昨夏の札幌戦で洋芝の適性は証明済。今回の結果次第によっては札幌記念に参戦も視野に入ってきますし、今年の北海道シリーズで注目の存在となるのは間違いないでしょう。一気に距離短縮を克服して好走しても不思議ない1頭です。