境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

東海S・アメリカジョッキーCCの回顧

第37回東海S(GⅡ)
1着エアアルマス
2着ヴェンジェンス
3着インティ

ラップ:
12.3-11.7-12.9-12.4-12.4-12.3-12.0-11.9-12.3
時計:1.50.2


各馬スタートを決めたものの、比較的スンナリと隊列は決まって序盤はスローペース。みやこSのように縺れ合ってハイペースという可能性はさすがに低いと見ていましたが、その想定より少し遅い流れにはなりました。

エアアルマスとしては、揉まれさえしなければハナにこだわることはなく、インティとしても、なるべく次のフェブラリーSに向けて心身ともに後遺症を残さないという最大目標があり、また、同型馬とは枠の差も。そう考えれば、無理競りすることなく控える競馬に転じるのも納得でした。

内容的には、勝ったエアアルマス1強という競馬。
道中は前を見つつ後ろのインティがいつ仕掛けてくるか計りながらの立ち回り。逆にインティとしてはいつでも動ける態勢ですから、立場的にはインティの方が楽だったと思います。実際、4角の入り口ではインティが外から動き出し、エアアルマスは理想より早く動かされています。

しかし、そこからが強かった。前を捕まえるのは当然として、インティの追撃も振り切ってまたひと伸びは立派。結果、勝ちパターンだったインティがもうひとつ後ろにいたヴェンジェンスに差されてしまったわけですから、これはエアアルマスが一枚抜けていたという競馬。これまでにない正攻法の競馬で、いよいよ重賞級と言われたポテンシャルを全開にした格好です。

とはいえ、インティの評価も下がることはありません。
冒頭で触れたように、このレースはあくまで続くフェブラリーSに向けてのステップレース。結果よりも無事に叩き台として終えることに最大目標があったわけで、それを考えれば暴ペースを演出するわけでもなく、負荷の掛かる競馬をしたわけでもなく、理想的な形で次走へ向かえると思います。
少し気になるのは、なんやかんやで昨年のフェブラリーS以降、一度も勝てていないということですが、フェブラリーSは比較的リピーター性の強いレースでもありますし、自分の形に持ち込めば今年も有力候補の1頭になるでしょう。

勝ったエアアルマスは、フェブラリーSの有力血統であるボールドルーラー系保持馬であり、血統的にも要注目の存在。まだ内枠を引いた際の恐さは残りますが、ポテンシャル勝負なら次走も勝ち負け候補でしょう。個人的には、東京マイルより関西圏のダ1800mの方が合っているタイプだと思いますが。

ヴェンジェンスは自分の競馬に徹しての3着。この馬は左回り克服が鍵。それは、今回に関しては展開不向きで消化不良だったキングズガードにも同じことが言えます。


第61回アメリカジョッキーCC(GⅡ)
1着ブラストワンピース
2着ステイフーリッシュ
3着ラストドラフト

ラップ:
12.8-12.0-12.9-12.3-12.4-12.0-12.0-11.9-12.1-12.1-12.5
時計:2.15.0


雨の影響が残った日曜の中山芝は、明らかに内ラチ沿いが悪くなって、外差し優勢の馬場設定。

では、なぜこのレースでは内ラチ沿いに潜った2頭で決着したのか? という話になるわけですが、これは結構興味深い駆け引きがあったようです。

この日、AJCCの前に行われた芝のレースは2鞍。内ラチ沿いを通った馬が失速し、馬場の良い真ん中より外を通った馬で決着しています。
ちなみにいえば、AJCCの後に行われた最終レースも、やはり馬場の良いところを選んだ組で決着。不本意だったとは思いますが、メインレースとほぼ同じコース取りを選んだルメール騎手(シーリア騎乗)は、伸びあぐねて失速に終わりました。このことから、「内ラチ沿い劣勢、外差し優勢馬場」だったという評価は間違っていないはずです。

ルメール騎手は、AJCC前に行われた2つのレースに乗っており、馬場傾向は把握していたはず。事実、9Rの若竹賞では、トラックバイアスに則った騎乗でシーズンズギフトを勝利に導いています。

そんなルメール騎手が、このレースに関しては内ラチ沿いに潜り込む奇襲に出ます。
外回りと内回りの合流地点あたりから、微妙に内を狙っている素振りは見せていましたが、決定打になったのは4角手前でマイネルフロストが故障してしまい、その直後にいた馬が外に振られたこと。
パトロールVTRを見ると分かりますが、その時点で内ラチ沿いにいたルメール騎手は、外で起きたアクシデントの様子をチラ見しています。その瞬間、これならさすがに有力馬のコースロスが大きすぎると判断したのでしょう。一気に仕掛けて内ラチ沿いから抜け出しにかかります。

ここまでは見事。ただ、誤算はブラストワンピースの川田騎手が、馬場の良い外目ではなく、自身を目標に内に突っ込んできたこと。

川田騎手としても、自分よりさらに外に振られたミッキースワロー以下はどうにか抑えられるという意識が働いたのでしょう。ならば、的にすべきはロスなく立ち回って先に抜け出したステイフーリッシュの方。一瞬の判断でライバルを見極め、それを負かす競馬をしたように見えました。

奇策に出たルメール騎手も見事なら、瞬時に相手を見極め思い切ったコース取りに出た川田騎手も見事。トップジョッキー同士のやり取りは見ごたえがありました。

勝ったブラストワンピースは、仕上がり状態云々が言われていましたが、さすがにグランプリホースとして、同じ中山非根幹距離なら負けられない立場でした。父ハービンジャー。この手の荒れ馬場は滅法得意です。

惜しかったのは3着ラストドラフト。
これは4角のアクシデントでかなり外に振られてしまいました。いくら外差し傾向が強いとはいえ、あそこまで外を通るとさすがに内の馬との距離差は大きすぎます。それでもミッキースワローは交わしていますし、悪い内容ではありませんでした。
勝ち馬ブラストワンピースが父ハービンジャーなら、こちらはノヴェリスト産駒。どちらもキングジョージ勝ち馬でしたね。

ノヴェリストは、同時にドイツ血統なのですが、先週の京成杯のポイントとしていた系統。ラストドラフトは昨年の京成杯勝ち馬でもあり、どうやらこの時期の中山の芝がドイツ血統に向いているということなのでしょう。冬場、上がりが掛かる、荒れ馬場。このあたりがドイツ血統の適性守備範囲とアップデートしておきたいと思います。

期待したグローブシアター以下、サドラー、ネヴァーベンド持ちは揃って惨敗に終わってしまい、ご参考いただいた方には申し訳ないことになってしまいましたが、キングジョージ勝ち馬の仔が2頭馬券に絡むなど、やはり欧州性の強い血統に向いたレースであるという評価は変える必要がないと思います。
来年はもう少し範囲を広げて考えておいた方がいいかもしれません。




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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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