馬券ネオメソッド(レース回顧編)
函館記念など3重賞の回顧
第56回函館記念(GⅢ)
1着
アドマイヤジャスタ
2着
ドゥオーモ
3着
バイオスパーク
ラップ:
12.4-11.2-11.7-11.7-11.8-11.8-12.0-12.1-12.4-12.6
時計:1.59.7
正直、今週の重賞は3鞍ともかなり厳しい結果だったと思います。
まず函館記念。勝ったのは15人気のアドマイヤジャスタ。前走6着で微妙に復調気配があったとも言えますが、それまで二桁着順を6戦続けていた馬。また、個人的には母母父ボールドルーラー系に着目して、コーナー4つの2000ならどこかで……と注目し続けていて全く結果出なかったことから、余計に狙いづらい1頭でした。
母父エリシオで兄にアドマイヤラクティ。広義の長距離血統といえばそうですが……いや、これは難しい。
2着ドゥオーモは、データ的にセオリーとされる巴賞凡走からの巻き返し。小倉大賞典2着の実績、昨年同時期にこの舞台で勝利と、こちらは買える材料はあったと言えるでしょう。
3着バイオスパークは、母母父にロベルト系。血統テーマに該当する存在でした。好位追走からやることはやっての3着。これは仕方ない結果です。
期待したミスマンマミーアは、道中から進みが悪く、直線入り口でもだいぶゴチャついていました。それでも捌いてからは結構良い脚を使っていて、洋芝適性自体はあるんじゃないかと思いました。この手のタイプは函館より札幌の方が良さそう。
第68回中京記念(GⅢ)
1着
メイケイダイハード
2着
ラセット
3着
エントシャイデン
ラップ:
12.3-10.5-11.2-11.8-11.7-11.3-11.4-12.5
時計:1.32.7
こちらは最低人気のメイケイダイハード。「前走芝1400組を狙え」という予想テーマを立てたところ、前走「ダ」1400組が来るという皮肉な結果に終わりました。
この馬に関しては、4走前のリゲルSを評価していて、どこかで穴を開けそうだなとメモしていたのですが、まさかここで、しかも差す形で好走するとは思ってもいませんでした。阪神で行われた中京記念で名古屋競馬所有の馬が勝つ。何とも読みづらい結末でした。
2着ラセットは前走に続く2着。この馬は典型的な叩き良化型で、休み明け凡走から2戦目で変身というパターンがあるのですが、今季は休み明け緒戦を快勝。よほど具合が良いんでしょう。
ちなみに、3走前に1400で勝利の実績がありました。
3着エントシャイデンは、前走で1400を勝っての参戦。馬券が当たるかどうかは別として、阪神マイル重賞において、1ハロン短い1400性が問われやすくなっているということを示す結果だったとは思います。これは次の機会に繋げたいところです。
期待したロードクエストは後方から直線勝負の決め打ち。一か八かの競馬をしている以上、この結果も仕方ありません。11着と着順こそ悪いですが、着差自体は0.6秒ですからそう大きくは負けていません。復調自体はしていると思うので、次走以降も警戒が必要でしょう。
第52回函館2歳S(GⅢ)
1着
リンゴアメ
2着
ルーチェドーロ
3着
ラヴケリー
ラップ:
11.9-10.5-11.1-11.6-11.9-12.8
時計:1.09.8
波乱続きの2歳世代を象徴するような結末になりました。ノーザンF産、サンデーレーシング所属の断然人気モンファボリが二桁着順に沈み、ビッグレットF生産の10人気リンゴアメが勝利。
この世代は、開幕当初から波乱決着が目立ち、いわゆる評判馬の類いが結果を出せないケースが頻発しています。世代最初の重賞がこの結果ですから、どうも一筋縄ではいかない世代になりそうです。
リンゴアメは、一言でいえば、1000戦を勝っての距離延長。これが買いづらい材料でした。12年の勝ち馬ストークアンドレイが、やはり1000の新馬戦を勝っての臨戦でしたが、それ以降はほとんど好走例がないパターン。1000デビューというだけで、相当一本調子なんだろうなぁという推測が働いてしまいますから、なかなか難しいところです。
ただ、注目すべきは通過順3-2で勝ってきていたという点。予想コラムでも指摘した通り、このレースは4角2~4番手の競馬を経験していることが非常に重要。つまり、他馬のペースに合わせた経験が活きるということ。まだキャリアの浅い2歳馬にとって、この経験は本当に貴重というわけです。
父マツリダゴッホは、安定感という点では劣りますが、この函館芝1200で一昨年は10人気2着イキオイ、11人気3着アリンナ、今年も6人気2着ミニオンペールや5人気1着キタノギャラクシーなど大駆けが期待できる穴血統。
また、母マイネデセールは2歳秋のカンナSを勝って以降、サッパリ走らなくなってしまった早熟タイプ。この早熟性もこのレースのテーマに合致していたということでしょう。
好発からスッと控えて前を見る絶好位。追われて少し渋い面を見せながらもラストまで伸び切った勝利。競馬の形としては理想的だったと思います。
2着ルーチェドーロは、前走ダート戦で勝ち上がっていた組。これは勝ち馬以上に買いづらいパターンで、過去、函館2歳Sにおける前走ダート組の成績は【1-2-2-65/70】勝率1.4%、連対率4.3%。最後の好走は02年6人気2着トーホウアスカまで遡らなければなりません。
そもそもこの時点でダートの番組が少ないという事情もありますが、キャリア1~2戦しかしていない馬が芝で一変するとしたら、最初から芝を使っているよねというのが正直なところで、なかなかのレアケースだと思います。
3着ラヴケリーは内を丁寧に立ち回り、そのままインをスルスルと抜けてきました。巧みなコース取り。・
1人気モンファボリは、外枠だったため揉まれる心配はありませんでしたが、やはり初戦と違い相手のペースに合わせる形で脆さを見せてしまいました。これは仕方ないところだと思います。
期待したホーキーポーキーは、勝ち馬とほぼ同じ位置取りで、しかもロスのないラチ沿いを通れる絶好の競馬でしたが伸び切れず。
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