境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

まるでオグリキャップのように

第59回有馬記念(GⅠ)
1着ジェンティルドンナ
2着トゥザワールド
3着ゴールドシップ

ラップ:
7.0-11.8-12.3-12.6-12.5-13.6-13.2-13.0-12.3-12.4-11.5-11.2-11.9
時計:2.35.3

レースが終わってすぐ、オグリキャップが感動のラストランを飾った1990年の有馬記念が思い出されました。

1990年 7.0-12.2-12.2-12.7-13.0-13.4-13.1-12.0-11.4-11.8-11.7-11.5-12.2 35.4
2014年 7.0-11.8-12.3-12.6-12.5-13.6-13.2-13.0-12.3-12.4-11.5-11.2-11.9 34.6

あの時もやはりスローで流れましたが、今回も同じくスローペース。場所は違えど、13秒台のラップを刻んだ回数も一致しています。
「もう終わった」と多くの人に思われながら、引退レースでその評価落ちに反発してみせる、かつてのアイドルホースがやってのけた快挙を、今回、稀代の名牝が繰り返しました。
レース自体がスローになり、上がりが速いジェンティル向きの競馬になった。それが好走の要因であることは間違いありませんが、あのオグリがそうだったように、何か目に見えないモノに背中を押された勝利だったのかもしれません。およそプロのレース回顧としては失格の文章ですが、今年の有馬記念に関してはそんな感想を抱かずにはいられません。

と、ここからは私のテリトリーである血統のお話を付け加えます。
ディープインパクトが勝ちました。予想コラムでも指摘したとおり、ディープインパクト産駒はこのジェンティルドンナまで中山芝2500mで勝ち鞍がありませんでした。その成績は(0-2-2-11/15)。たしかに、有馬記念を含め、A級の産駒が出走した経験がなかったということはあると思いますが、少なくとも事実として勝っていなかったわけですから、この大一番でアッサリ覆してしまうところに、この種牡馬の凄さを感じます。
もっとも、“凄さ”と言っても、一般的な意味での凄さとは少々ニュアンスが違います。「ディープって、どこでも走っちゃうんだよな~」という凄さではありません。本当に凄い馬なのであれば、これまでどこかで勝っていたはずです。その意味で、決して万能な種牡馬ではないのです。他の種牡馬に比べて能力のレベルが違うわけでもありません。この種牡馬の凄さは、「逆境になればなるほど力を発揮する」ということと「大一番に極端に強い」ということです。後者に関しては、父サンデーサイレンスも同じ特性を持っていましたが、サンデーはもっと万能性があって、逆境と言える状況に立たされることがあまりなかった。その意味で典型的な秀才肌の優等生でした。
しかしディープは違います。逆境と呼ばれる状況にたびたび立たされます。昨年の話でいえば、マイルCSをトーセンラーで制覇、その後、京都マイルの重賞を総ナメにしましたが、それまで、この京都マイルとディープ産駒は決して相性が良くありませんでした。
「今年の2歳世代はあんまり目立たない」。そう言われた今年ですが、終わってみれば2歳GⅠを牡牝ともに制覇、有馬記念の前に行われたホープフルSも制覇。結局、来年のクラシック戦線の主役の座に就いています。
父サンデーサイレンスとは違い、ディープは天才肌の芸術家タイプだと思います。今後も、様々な条件で取りこぼすと思います。そのたびに、私のようなひねくれ者にバッシングを浴びることもあるでしょう。しかし、それらを最終的には取り返してみせるのでしょう。終わってみれば、「やっぱりディープかよ~」。この言葉を来年以降も言わされ続けることになりそうです。

さすが、有馬記念ともなると書きたいことがたくさんありますね。続いて、2着トゥザワールドの話。
母トゥザヴィクトリーが2001年の有馬記念で6番人気3着、前走14着大敗からの巻き返し。兄トゥザグローリーは2010年、2011年と人気薄で3着、うち1回は前走11着からの巻き返しでした。
なんとなく、似た雰囲気があるなぁとは感じていた今回のトゥザワールド。世間でもこの血統面に注目する見解は見受けられましたし、昨年、キングカメハメハ産駒を本命にした身としては、瞬間、この馬からかな?と思ったこともありました。負け惜しみじゃないですよ。
ただ、過去の傾向を調べれば調べるほど、この一族の好走だけが“浮いている”状態だと感じてしまいます。この一族だけが、好走パターンとズレているんですよね、血統的に。予想コラムで指摘したとおり、有馬記念は基本的には重たさを比べる戦いになります。その意味で、キンカメ×サンデーといういわゆる一般条件でも走れる血統は、重たさ負けするものなのです。しかし、なぜかトゥザグローリーは2度来ている……。本当に悩まされました。まさに、有馬記念における鬼っ子血統なんですね。
ちなみに、トゥザグローリーが前走11着から巻き返し、9番人気で3着した2011年も6.8-12.0-12.4-12.1-13.1-14.4-14.3-13.0-12.0-11.9-11.4-11.3-11.3と、道中で極端にラップが緩み、上がりが速い決着になりました。2010年も道中13秒台を2度挟み、上がり34.6秒。
この一族が鬼っこたるゆえんは、この一族が出ると超スローになるから?ひょっとして、ジェンティルドンナの奇跡を裏で操っていたのは、この一族の血だったのかもしれませんね。
って、最後までオカルトめいた回顧になってしまいました。

今年1年、ご愛顧、応援してくださって、誠にありがとうございます。
上半期はそこそこ良かったのですが、下半期は失速してしまった感じ。個人的な馬券は年間でトントンくらいでしたが、皆様のお目に触れる重賞予想でもっとお役に立てるものをお見せしなければなりませんでした。ご迷惑をお掛けしてしまった方、申し訳ありませんでした。
懲りずに、また来年もお越しいただければ幸いです。皆様が買われる馬券に、少しでもアクセントを加えられればという思いで、来年も精進して参ります。
よいお年をお迎えください。

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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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