うまスクエア

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

マイルＣＳの回顧

第32回マイルＣＳ
１着モーリス
２着フィエロ
３着イスラボニータ

ラップ：
12.6-10.9-11.1-12.5-11.9-11.1-11.5-11.2
時計：1.32.8

モーリスの力が抜けていた、終わってみればそういう結果だったと思います。安田記念のパフォーマンスを高いと見れば、いわゆる絶対王者がいるマイルＣＳと見立て、素直に買うことができたでしょう。予想コラムで指摘した大前提が間違っていたことになりますが、マイルＣＳというレースの本質的な部分が表れたとは思います。
もっとも、個人的にはモーリスという馬にどうしてもマイラーというイメージを持てないんですよね。スクリーンヒーローにサドラー系カーネギー、さらに母母父にはモガミを配したメジロ牝系。底力が恐ろしく高い配合をしているので、中距離でスタミナを活かすようなレース、もしくは物凄く長い距離で厳しい競馬になってこそパフォーマンスを発揮できる血統背景だと思うんです。だからこそ、総合力が問われるマイル戦で才能が開花したという言い方もできるのでしょうが……。
改めて思うのは、もし、この馬が最初から堀厩舎の所属馬だったらどうなっていたんだろうということ。堀厩舎は、1200向きの血統馬でも2000から下ろしたりしますからね。以前から堀調教師はこの馬に関して2000までは保つという内容の発言をしているそうなので、今後もしかしたら全く別の条件に登場することになるかもしれませんね。ひと昔前の11秒台がズラリと並ぶ天皇賞・秋とかに強いイメージはあります。もちろん、あくまで字面の血統面だけの話ですが、個人的には天皇賞・春も大いにありだと思います。

２着フィエロは、いわゆる“相手なり”のタイプということになるわけですが、“相手なり”というより、相手のパフォーマンスに合わせて自分のパフォーマンスを変化させるタイプの馬なんだと思います。すなわち、ＧⅠの競馬ならＧⅠの競馬なりの走りをし、条件戦レベルなら条件戦レベルの走りしかしないということです。もうこの馬を条件戦で見ることはありませんが、仮に、この馬がオープン特別を使ってきたとしても、絶対的な馬とはならないと思います。オープン特別ならオープン特別なりの走りしかしないでしょう。カメレオンのような馬ですね。

３着イスラボニータは見ての通り、出遅れが痛恨でした。毎日王冠でもそんな雰囲気は出していましたが、前走で大丈夫だっただけに、これを予想するのはなかなか難しい、というより、ここまで想定しようとすると何も買えなくなってしまいますよね。力は示しているだけに残念な競馬でした。

期待したアルビアーノはちょうど向正面でこの馬を映したところでガツンとハミを噛んでいましたね。あそこでリキんだ分が最後に止まる要因になった感じです。
もっとも、こういう馬が来るとすれば、絶対的王者不在という前提がある時だけだと思うので、今回のモーリスのような馬がいるとそもそも論として苦しいですね。冒頭にも書いたとおり、モーリスの存在自体を甘く見たことが最大の敗因でした。

全体的に、見応えのある好レースだったと思います。

しかし、その好レースに完全に水を差したものがあります。カメラワークです。
地上派でレースをご覧になった方には分からない話かもしれませんが、グリーンチャンネルその他でご覧になった方、この日の京都のレースは朝からストレスが溜まるものでしたね。おまけに、マイルＣＳにいたっては道中で無意味な脚元からのアングルまでご丁寧に登場。

余計な演出はいりません。カメラワークは常に一定にしてください。

これは以前から主張していることですが、レース映像を後から見直す場合、カメラの角度が異なるだけで、レースの印象は全くと言っていいほど変わります。今回のマイルＣＳ、あの映像が公式映像として今後も残ると思うとゾッとします。どんな理由があるのか知りませんが、入線後のリプレイでは通常の映像が流れるので、カメラがなかったわけではなく意図的な変化だったと考えます。余計なことをしてくれたものです。昨年のチャンピオンズＣでもスタート地点の映像が意味不明なアングルになり、出遅れた馬の概要が不明になっています。

レースを見ることは競馬の基本であり予想の基本です。それを邪魔することがどれだけ馬券を買う側の人間の迷惑になるか。今一度強く猛省していただきたい。


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