馬券ネオメソッド(レース回顧編)
アメリカジョッキーCCの回顧
第57回アメリカジョッキーCC
1着
ディサイファ
2着
◎スーパームーン
3着
ショウナンバッハ
ラップ:
12.3-11.2-12.8-12.2-12.3-12.0-12.0-11.8-11.6-11.8-12.0
時計:2.12.0
想定していたよりも人気になってしまったのは残念でしたが、一応、馬券にはなってくれたので良しとしましょう、◎スーパームーン。考えていたよりも一列後ろからの競馬になった時には凡走を覚悟しました(この日のルメール騎手はこういう競馬が多かったですね)が、最後に来てくれたあたりはレース適性の高さがあったからこそだと自負しています。今後も、このレースではこういう馬を狙うべきだと改めて主張しておきたいと思います。
さて、今回は勝ったディサイファと3着ショウナンバッハについて、より深く言及しておきたいと思います。
まずはディサイファ。一言で言えば、ここでは能力そのものが一枚違ったということだと思います。この馬は速い上がりを使えるディープインパクト産駒。このレースには合っていないタイプです。過去、このレースでディープ産駒が馬券になったことはありました。14年11番人気2着サクラアルディート、13年3番人気1着ダノンバラードです。しかし、この2頭はいずれもいわゆる“B級ディープ”。速い上がりを使って好走することが少なく、上がりが掛かったときに好走するタイプでした。その意味で、今回のディサイファは明らかに趣を異にする存在。この勝利に関しては、適性差を能力でひっくり返したということだと思います。
適性予想の基本は、“適性”の力によって“能力差”を埋める、逆転するケースを狙うというものです。すなわち、いくら適性で勝っていても、能力差がそれ以上に大きければ逆転はできません。
今回のAJCCを例に取ってみましょう。仮にディサイファの能力が10、スーパームーンの能力が5だったとします。今回の舞台では、ディサイファよりスーパームーンの方が適性では勝っていました。その結果として、両馬の最終的な数値はディサイファ8、スーパームーン7くらいになっていたと思います。しかし、これでは8のディサイファの勝ちです。これが、適性で能力差を逆転できなかったケースです。
適性ピタリだと思っていた馬が馬券に絡まなかったとき、どうしても『適性の見立てが間違っていたんだろう』と考えてしまいがち。もちろん、そういったケースもあるでしょう。しかし、中には適性の見立ては間違っていなくても、能力差を埋め切れずに馬券に繋がらなかったというケースも存在します。
だからどうするか、ということではなく、そういうこともあるという認識は持っておいていいでしょう。自分の予想が馬券にならなかったからと言って、予想自体が間違っているとは限らないということ。これは適性予想に限らず、予想は間違っていなくても、馬券にならないというケースはあり得るわけです。このあたりが競馬を難しくしている要素のひとつなんですよね。
だいぶ話が横道に逸れてしまいました。3着ショウナンバッハの話も少し。この開催の中山芝2200では~中山芝全般と言ってもいいかもしれませんね~ステイゴールドが勢力を拡大していました。このバイアスを重視してショウナンバッハを選択した方もいらっしゃったかもしれません。もちろん、間違いではありません。ただ、レース自体に対する適性で、ショウナンバッハは一枚劣っていたと思います。この馬は高速上がりが得意な馬ですからね。そして、先述ディサイファと違い、対スーパームーンとの関係において、その適性差で能力差を逆転されてしまったということ。おそらく、純粋な能力だけ見れば、スーパームーンよりショウナンバッハの方が上です。先ほどのように数値化するとすれば、スーパームーン5に対して、ショウナンバッハは7くらい。それが、このレースに対する適性差の分でスーパームーンが7になり、ショウナンが6に落ちた。その結果として、着順に優劣が付いたという感じです。
随分と小難しい話をダラダラ書いてしまいましたが、今回のAJCCは、適性予想の大原則を思い起こさせてくれる絶好のサンプルだったと思うので、この機会に少し触れておきました。
ご清聴(?)感謝です。
また来週もよろしくお願いします!
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