うまスクエア

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

桜花賞の回顧

第76回桜花賞
１着ジュエラー
２着シンハライト
３着アットザシーサイド

ラップ：
12.4-10.7-11.7-12.3-12.0-11.4-11.3-11.6
時計：1.33.4

前半３Ｆが34.8秒で、上がり34.3秒。いわゆる後傾ラップの競馬ですが、中盤で12.3-12.0秒と一度緩んでいるところがポイントで、これはいわゆる差し馬向きのラップです。先行馬が序盤で脚を使い、後続は中盤で緩んだところで無駄脚を使わずに前との物理的な差を詰めることができる。そこから上がり比べになれば、序盤に脚を使っている分だけ先行馬が損をするという構図です。その意味で、ジュエラーにはこれ以上ないくらい展開が向いたということになります。
もっとも、これはジュエラーの勝利が展開利によるものだと言っているのではなく、あくまで今回の位置取りにおいて、という意味です。この馬に関しては、連載を持たせていただいている『競馬最強の法則』にて予め書かせていただいておりました。ちょっと当時の原稿を抜粋してみたいと思います（勝手にやっていいのかな？　ＫＫベストセラーズさん、うまスクエアさん、どうぞご了承ください）

（競馬最強の法則４月号から抜粋）
「まあ、2番人気でしょうから、私の馬券には無関係でしょうが（笑）。個人的にはこの馬が勝つんじゃないかと思っていますよ。ジュエラーは父ヴィクトワールピサ、母父ピストレブルーという血統構成。主流血統ではないのは確かでしょう。しかし、シンザン記念の内容は破格ですよね。当時の馬場で大外鋭進は能力がないとできない。しかも、あのレースは私が本命にしたロジクライ、3着シゲルノコギリザメと、レース傾向通りの馬が上位に来ているんです。その傾向からズレていながらの2着は私の予想理論的にも、相当に高評価しないといけないもの。デビュー2戦目だったという点も末恐ろしい」
　境の中では、むしろジュエラー1強と言っていいくらいの桜花賞だという。

ちなみに、原稿を書いた時点では、まだチューリップ賞が行われる前でしたので、『穴馬はディープインパクト』とも指摘して、シンハライトを挙げていました。結果的にこの２頭でワンツーを決めてくれたことになります。

もちろん、最終的には◎レッドアヴァンセということで、皆様にはご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありません。もっとも、ディープ産駒が桜花賞で絶対にマークすべき種牡馬であることは、今年の結果を受けても変わるものではありませんし、その中で配当期待値を追うのなら、今年はこの馬を置いて他にいなかったと思います。直接的な敗因は阪神外回りコースに対する適性かな？と思いましたが、あるいは前走で減った馬体が戻っていなかったこと、すなわち、能力を出し切る状態になかったのかもしれません。

１番人気を裏切る形になったメジャーエンブレムに関しては、ちょっと消極的な乗り方だったかなと思います。ハナ行っちゃえばよかったと思いますよ。下手に控える競馬を選択したいせいで、この馬が最も弱い瞬発力勝負の流れに巻き込まれてしまいました。いかにもダイワメジャー産駒らしい馬で、適度にペースを維持して後続に脚を使わせる、いわゆる『肉を切らして骨を断つ』的な競馬でこその馬ですから、この流れでは上位馬には敵いませんね。
この日のルメール騎手は朝からサッパリでした。色々な意味で“流れ”が悪かったですね。
ただ、昨年のルージュバックもそうでしたが、この馬に関しても、目に見える不安材料に多くの人々が目を瞑ってそのままレースを迎えてしまったという感は否めません。阪神ＪＦのメンバーレベルはどうだったのか？　時計の出る設定だったクイーンＣの時計の本当の価値は？　なぜ、チューリップ賞ではなくクイーンＣだったのか？　などなど。考えるべきポイントは結構あったと思います。額面の時計や着差は慎重に見ないといけない。人気馬は加点法ではなく、減点法で見る。改めて馬券の基本的要素を実感した気がします。

最後に、オークスに向けてのお話。
いつも言っていることですが、３歳牝馬同士で戦うオークスは、本質的な距離適性よりも世代内の序列が最優先事項になりますので、今回の上位馬に関しては不用意に評価を落とさないように注意する必要があります。ただ、今年はねぇ……あまりに合ってなさそうな馬ばかりですよね。勢力図がガラリ一変する可能性もあるんじゃんないでしょうか。楽しみが出てきましたね。


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