うまスクエア

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

函館記念の回顧

第52回函館記念
１着マイネルミラノ
２着ケイティープライド
３着ツクバアズマオー

ラップ：
12.3-11.0-12.0-12.4-12.3-11.6-11.9-11.7-11.9-11.9
時計：1.59.0

個人的に、スローの逃げ切りが凡走だとは思いませんし、むしろ、小回りコースを逃げ切るというのは相当難易度が高く、ペース配分はもちろん、様々なワザを駆使しなければならないため、むしろ誇るべきことだと考えていますが、このレースはちょっと残念なレースでしたね。
一言でいえば、マイネルミラノが好き放題にレースを進めてそのまま逃げ切ったというだけ。他馬が何もできなかったというより、何もせずに回ってきただけという印象。結果的に内ラチ沿いを回っていた馬が上位を占めており、それ以外の馬は周りの馬との微妙な順位入れ替えが行われただけで、ほとんど無抵抗に終わっています。
しかも、これはあくまで見ている側の勝手な推測にすぎませんが、オツウが思いのほか早くハナを諦め、道中でマクりを打つわけでもないという、淡々とした流れが、他のジョッキーの方々にとっては想定外だったのではないでしょうか。早く動いてくれと願っているうちに、もう勝負処を過ぎてしまったという印象を見ていて受けました。全体的に消極的過ぎたんじゃないかなと。あくまで、私の勝手な推測に過ぎませんが。

あまりこのレースに関して血統的な視点を加えても意味がないような気もしますが、ひとつだけ気になったことを解説しておきたいと思います。

ステイゴールドは、実は函館芝2000があまり得意ではありません。

【過去２年の函館芝2000におけるステイゴールド産駒の成績】
成　績 1-0-1-18/20
勝　率 5.0％
連対率 5.0％
複勝率 10.0％

イメージ的に、ステイゴールドにとって重たい洋芝の2000あたりは絶好球に映るかもしれませんが、実際はほとんど成績を出せていません。むしろ、消して妙味と言えるくらい。ちなみに、過去３年に範囲を広げても、（1-1-5-33/40）勝率2.5％、連対率5.0％、複勝率17.5％と、より悪くなりますから、よほど本質的な適性が薄いのだと考えられます。
そんなステイゴールド産駒が１、３着。このあたりが、『一般レースと重賞では予想のアプローチを変えるべきである』という私のスタンスに繋がるんですね。やはり、重賞においては一般のレースとは異なったポイントが勝敗を分けることが多いと感じるわけです。今年の函館記念において、私は候補馬にステイゴールド産駒を並べましたが、その時点でこのステイゴールド産駒の成績を知らなかったわけではなく、重賞なら気にする必要はないと判断したからです。
もちろん、一般レースにおいて育ったバイアスが重賞の結果に影響を与えることもあるでしょう。ヒントが少ない中京のようなコースで行われる重賞に関して、アプローチ法を考える（考えざるを得ない？）状況においては、私も直近の傾向を引っ張ってくることがあります。ただ、それはあくまで例外的な措置に過ぎません。基本的に、重賞に関しては一般レースを含めた血統データ的なものはほとんど無視しています。まあ、このあたりは考え方だと思いますし、もう少し柔軟性を持たせた方がいいと思う局面がないこともないですが。

最後に、バイガエシについて。
あまり多くを語りたくないなぁというのが本音です。この流れで後方から外を回してあれだけ差を詰めれば立派だと思いますし、重賞で通用するだけの力があることは確かだと思います。
ただ、１番人気はありません。これは来る、来ないとは別の次元の話です。挙げればキリがないほどの不安材料が明らかに存在していた中、この馬がなぜここまで売れたのか、本当に理解できないのです。明らかな過剰人気を掴んでしまうという、馬券を買う上で絶対にやってはいけないミスをしており、これを事前に予測できなかった甘さは大いに反省しなければいけませんが、さすがにこれは……。血統構成がこのレースにピッタリだという見方がここまで多くの層に支持されたとも思えませんし、他の馬に今さら感があったことが影響したのでしょうか。
この状況が、参院選挙直後のこのレースで生まれたというところに、何か因果を感じます。多くのファンの間に『反対票の受け皿』という概念が残っていたのかもしれません。そういう視点から、既成勢力にＮＯを突きつける層が、こぞってフレッシュさのある新人候補に票を入れた……そんなイメージです。投票率の低下が叫ばれている昨今。自分の一票なんか大勢に影響ないからと選挙を拒否している人に、この結果を見せてあげたいですね。小さな一票が勢力図を大きく変えることもあるんです。



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