馬券ネオメソッド(レース回顧編)
ローズSの回顧
第34回ローズS
1着
シンハライト
2着
クロコスミア
3着
カイザーバル
ラップ:
12.6-11.2-11.6-12.0-12.5-12.2-11.7-10.9-12.0
時計:1.46.7
わざわざ連闘までしてきたクィーンズベストがまさかの出遅れ。そして、最内枠のクロコスミアがそのスキを突いてハナを切った今年のローズS。道悪で差しづらい馬場になっていた(内回りは別として、外回りは内有利の傾向だったと見ています)ことも加えて、何やらアヤシイ雰囲気がプンプン漂っていた中、それでも勝ったのはシンハライト。いや、これは恐れ入りましたね。強かったです。
シンハライトの良いところは、とにかく不発がないということです。どんな流れ、どんな位置からでも脚を使え、前を捕らえる気持ちに長けています。この“前を捕らえる気持ち”というのは、一流馬に共通する能力で、私は、『ゴール前の数完歩に馬の実力が表れる』と常々言っているとおり、ゴール寸前で前を捕まえて勝ち切るか、惜しい2着に終わるかが、一流馬と普通の強い馬の差だと考えています。その意味で、こういう競馬をキッチリ勝ち切るシンハライトは、間違いなく一流馬なんだと思います。
加えて、外回り施行になってから、上がり最速の馬が2着止まりになるという過去の傾向もこの馬によって覆されました。過去の傾向は明確な事実の列挙ですから、これまでの馬が上がり最速の脚を使って2着だった中(上がり最速で追い込んで来た馬が勝ちにくいレースということ)で、この馬だけが勝ち切ったという点も素直に評価しなければいけません。無事なら秋華賞もだいたい勝っちゃいそうですね。
対して、2強の一角と目されていたジュエラーは11着に敗れました。まあ、このあたりがトライアルレースの恐さであり、同時に穴馬券党にとっては突け入るスキということになるのですが、今回のジュエラーは骨折明けという馬自体の状態面もさることながら、意識が次に控える秋華賞に向いていたと思いますね。いつもより積極的な競馬をしたのも、コーナー4つの内回り2000を意識したためだと思われます。
結果がこの惨敗ですから、頭を悩ませていることでしょうね。ひょっとしたら、路線変更まで考えることになるかもしれません。あくまで個人的な感想ですが、今日の感じだと秋華賞は差し遅れる公算が強いですからね。今後の動向に注目。
期待したデンコウアンジュは4着まで。終わってから思ったことですが、休み明けのメイショウサムソン産駒狙いは少し危険でしたかね。やはりこの血統は使いつつの方がいいのかもしれません。新聞の厩舎コメントにもそんなニュアンスのことが書かれていました。それでも、次走に向けて収穫のある内容だったとは思いますよ。血統的に秋華賞は合っているようにも思います。
来年以降の指針としては、今年(なぜか)触れなかった『欧州血統保持・内包馬が上がり最速を使って馬券になる』という方針を改めて思い出したいですね。今年の上がり最速馬は、母父サドラーズウェルズ系シングスピールのシンハライトでした。なお、ディープ×母父サドラーズウェルズ系は、これで2年連続勝ち馬を輩出。そうお目にかかれるわけでもない配合ですが、相性が良いことは間違いないんでしょう。
続いて、セントライト記念についても少し。
馬券的には全く出番のない決着となりましたが、ディーマジェスティは貫禄勝ちですね。パドックからテンションが高く(この母系は気性が激しい馬が多いので、余計に心配してしまいました)、レースでも後方追走から大マクリという大味な競馬。大丈夫か?と思わせるシーン満載でしたが、それでも勝ち切ってしまうのですから、ここでは役者が一枚違いましたね。
次走以降に目を向けましょう。ディーマジェスティは、ディープに母父ブライアンズタイム、母母父サドラーズウェルズという配合で構成されています。ブライアンズタイムは、菊花賞と相性の良いロベルト系、そして、母母父にサドラーを持っていることで、天皇賞・春の『欧州血統内包』というテーマも満たします。これから辿るであろう長距離GⅠ戦線において、これ以上ない武器を持っていると言えます。
問題は、ディープインパクト産駒が菊花賞も天皇賞・春も勝っていないということ。もっとも、2着はあるわけですし、逆境に強いディープの性格上(?)、遠くない将来に破られそうな気配もあります。それを考えると、この馬はもうワンランク上の実績を積み重ねることになるのかもしれませんね。
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