馬券ネオメソッド(レース回顧編)
AJCC・東海Sの回顧
第58回アメリカジョッキーCC
1着
タンタアレグリア
2着
ゼーヴィント
3着
ミライヘノツバサ
ラップ:
12.6-10.8-12.4-11.9-11.9-12.3-11.8-11.9-12.2-11.8-12.3
時計:2.11.9
タンタアレグリアは鞍上の完璧な好騎乗が最大の勝因だったと思います。徹底的に内にこだわり、仕掛けのタイミングもお見事。蛯名騎手は中山の非根幹距離の乗り方を本当に熟知していますよね。いや~シビれる競馬でした。
ただ、その好騎乗がゆえに、負けた2頭の方が際立つ内容だったこともまた事実。馬自体の評価としては、2着ゼーヴィント、そして3着ミライヘノツバサの方が優秀な内容だったと感じています。
ゼーヴィントは道中で少し折り合いに苦労するところを見せ、しかもやや他馬に動かされる形の不本意な形だったと思いますが、それでもちゃんと2着を確保するのですから立派なものです。サトノダイヤモンドの有馬記念制覇で、一時は揺るぎかけていた“最強世代”の名を取り戻した感のある現4歳世代ですが、この馬もその二番手グループとして今後も重賞戦線を賑わすことでしょう。血統的には母シルキーラグーン譲りの中山適性に注目です。
一方、3着ミライヘノツバサは先行策から堂々と格上馬を迎え撃ったわけですから、3着でも評価の下がるところはありません。もはや有名な話になっているようですが、そんなこの馬の激走を支えたのは、父ドリームジャーニーの血だと考えていいでしょう。ドリームジャーニーの中山芝2200成績は(4-1-1-0/6)。馬券圏内を外していないんですね。2着1回というのも同レースの勝ち馬はやはりドリームジャーニー産駒。ワンツー決着の1回なんですね。もはや恐るべしコース適性!芝2200に限らず、中山芝コースの総合成績は(9-6-3-22/40)勝率22.5%、連対率37.5%、複勝率45.0%というハイアベレージ。今週もミライヘノツバサだけでなく、土曜最終レースの芝2000でマヤノピナクルが3着しています。単回率も複回率もともに100%を超えており、馬券的には絶対に見逃せない存在です。
ちなみに、他の競馬場に目を移すと、成績が良いのは小倉芝。逆に悪いのは東京芝。ドリームジャーニーの現役時代にソックリですね。非常に掴みやすい血統と言えるでしょう。
私が期待したルミナスウォリアーは、まあできることはやってくれたと思います。さすがに強引すぎる競馬だったとは思いますが、勝ち負けに持ち込もうという姿勢は見せてくれましたので納得はしています。
第34回東海S
1着
グレンツェント
2着
モルトベーネ
3着
◎メイショウウタゲ
ラップ:
13.0-11.5-13.6-13.1-12.5-12.4-12.4-12.0-12.7
時計:1.53.2
本命馬メイショウウタゲが3着と馬券になってくれました。改めて、この中京ダ1800重賞におけるフォーティナイナー・ラインの重要性を証明できたことは嬉しい限り。これは暮れのチャンピオンズCまで絶対に覚えておきたいテーマです。
レース全体を振り返ると、とにかく不思議なレースでしたね。勝ち時計1.53.2秒は、当日の馬場差+0.7秒を考慮してもかなり遅いです。そして、その遅い時計を誘発した前半63.7秒という緩ペースも通常ではあり得ないくらいの異質ラップでした。このコースで行われた重賞の前半5F平均は61.1秒ですから、実に2.6秒も標準より遅いペースで前半が流れたことになります。昨年の東海Sも62.9秒という緩い流れでしたが、当時は馬場差+1.4秒と今年の倍くらい時計が掛かる重たい馬場。それでも1.51.9秒と後半で巻き返しており、それとの比較でも、今年の東海Sが重賞としては相当異質な競馬になったことが分かります。掲示板を1番人気と二桁人気で独占するという極めて珍しい現象が起こるのも納得できます。
私の本命馬メイショウウタゲは、序盤こそ後方に位置しながら、その異質なペースを読み切ったか、向正面で内をスルスルとポジションを押し上げる頭脳プレー。まあ、そこで内に嵌ってしまったため、直線では捌くのに苦労するわけですが、この動きがなければおそらく何もできずに終わっていたでしょうから、これは鞍上の好判断だったと思います。
レースが異質なものになってしまったため、各馬の力量分析は結構難しいと思います。勝ったグレンツェントについて、今回に関しては評価保留というのもありだとは思います。もっとも、個人的には他の実力馬が全く力を発揮できない異質な競馬でもちゃんと結果を出したという点を評価したいと考えています。これまでの戦績を考えても、引き出しの多い非常に優秀な馬なんでしょう。
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