馬券ネオメソッド(レース回顧編)
マイルCSの回顧
第34回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)
1着
ペルシアンナイト
2着
エアスピネル
3着
サングレーザー
ラップ:
12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1
時計:1.33.8
今週の京都芝はかなり難解だったと思います。金曜夜に雨が降った影響で、土曜日は重馬場スタート。そこから徐々に回復するという一番把握が難しい状況だったわけですが、その推移に沿って馬場傾向もシフトしていったという印象ですね。
土曜日の時点では、内から4頭目あたりがホットスポットだったと思います。そこを通った馬が連勝していましたからね。そして、外に行くほど伸びが鈍るという傾向もありました。これは、外ラチに行くに従って馬場が悪くなるというより、4角で外を回すために強いられるコースロスが大きいということだったと思います。内ラチ沿いの馬場が悪くなって、各馬が内を開けて回ってくるような馬場になると、総じて外差し馬は厳しくなります。逃げ~先行馬からラチを離れたところを回すので、その後ろの馬はさらに外を回らされ、物理的な距離ロスが大きくなるからです。
しかし、日曜日になると徐々に外が差せる馬場になり始めます。これは個人的には、意外な傾向変化でした。内ラチ沿いが完全にアウトな状況になっていることはハッキリ(この時点で私の本命馬マルターズアポジーはノーチャンスになってしまいました)していましたが、そうなれば馬場の真ん中を通れる好位勢が有利になるだろうと踏んでいたところ、マイルCSのひとつ前、10Rの衣笠特別が完全な外差し決着。前傾ラップでそもそも前に厳しい流れになったとはいえ、あそこまで鮮やかに大外一気が決まるとは、ちょっと想像していませんでした。
そして、その傾向の中で行われたマイルCS。やはり差し馬が殺到する形になりました。もっとも、上位馬はそれぞれ通した位置が違っており、中でも秀逸だったのは勝ったペルシアンナイトの進路取りでした。直線に向くまでどこを突くか決めていなかったように見えましたが、最後まで諦めずにルートを探し、そこに思い切って突っ込む。GⅠで連続好走しているM.デムーロ騎手らしい勝負強さ。
血統的な話も加えておくと、秋華賞、エリザベス女王杯に続いてハービンジャー産駒が京都GⅠを勝利。適度に荒れた今の京都がピッタリ嵌るのでしょう。これまでそう目立っていませんでしたが、この血統の特徴として覚えておきたいところです。
以前にも書いたかと思いますが、ハービンジャーは中山が最も得意にしているコースなので、この勢いに乗れば、中山のGⅠでも侮れないと思います(有馬記念という意味ではありませんよ)。
それにしても、またM.デムーロ……。先週も書いたとおり、勝って当たり前という馬に乗っているわけではなくこの成績ですから、もうお手上げ状態です。もちろん、それぞれの馬に携わっているほかの方々の力、さらには馬自身の力もあるのですが、こうもしっかりと結果を出し続けられるものかと、畏怖の念すら感じます。
しかもですよ、他にも乗れそうなお手馬がいる中、ちゃんと乗った方で結果を出しているのですから、その価値はより大きいといえます。裏でどんな経緯があるか知るよしもありませんが、なぜレッドファルクスではなくペルシアンナイトだったのか、先週で言えば前年覇者のクイーンズリングではなくモズカッチャンだったのか。そこの“ヒキ”の強さ(あるいは正確さ)も見逃せない驚愕ポイントです。
2着エアスピネルに関しては……もう運がないとしか言い様がないでしょう。適度に時計が掛かる馬場も合っていたと思いますし、ムーア騎手の位置、進路取りも正攻法の極みのようなもので、もうほとんど完璧だったと思います。これで差されたら相手を褒めるしかありません。
3着サングレーザーがディープ産駒。この結果をどう見るか。2012年から続く連続馬券圏内入りを果たしており、しかも7番人気の人気薄を引っ張ってきているのですから、確かに満足の成果と言えるのかもしれません。
ただ、やはり私としては今後もこの条件でディープを信頼するのは危険じゃないかなと思います。というより、ディープインパクトという種牡馬自体、付き合い方を改めなければいけない時期が確実に近づいていると感じます。これは拙書「単複進化論」でも少し書きましたが、もう何でも来い!の大種牡馬としての時期は過ぎている気がします。ディープ自体の力が衰えているのではなく、他の種牡馬の頑張りが目立ち始めています。
群雄割拠、これは来年の競馬を考える際、頭の片隅に置いておきたい血統理論になると思います。
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