境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

金鯱賞の回顧

第54回金鯱賞(GⅡ)
1着スワーヴリチャード
2着サトノノブレス
3着サトノダイヤモンド

ラップ:
13.3-11.9-13.1-12.9-11.8-12.4-12.0-11.4-11.2-11.6
時計:2.01.6


金鯱賞3連覇を狙ったヤマカツエース。この馬が4着に敗れたわけですが、このことが今年の金鯱賞を象徴していました。

【ヤマカツエースと金鯱賞】
16年 12.6-11.0-12.7-12.7-12.5-12.6-11.6-11.3-11.2-11.5
17年 12.6-11.3-12.6-12.2-11.7-11.7-12.0-11.9-11.4-11.8

18年 13.3-11.9-13.1-12.9-11.8-12.4-12.0-11.4-11.2-11.6

2016年は後半4Fで11秒台が並ぶ持続力ラップ。2017年は中盤に11秒台が2度ある息の入らない流れ。要するに、これがヤマカツエースの得意分野なわけですね。
ところが、今年は序盤の入りからかなり緩く、半マイル通過51.2秒!という驚きのスロー。ここでもう金縛りになって動けなくなり、結果として苦手な瞬発力勝負となってしまいました。

この流れを早めに見抜き(自身が折り合いを欠きそうになったというところもあるでしょうが)、前を捕まえに動いたのが勝ったスワーヴリチャード。しかも、ただ捕まえるのではなく、つついてプレッシャーを掛けるにとどめることで、後続の的になることも避ける好プレー。着差は僅かですが、楽をしたサトノノブレスを的の状態に置いたまま(自分が的にならないまま)、しっかり勝ちだけ持っていくという作戦通りだと思います。馬の力を信頼していることはもちろん、それに自在性で応えた馬も見事でした。

3着サトノダイヤモンドも悪い競馬ではなかったと思います。結果的に、この馬が後ろに控えていることでヤマカツやダッシングが金縛りにしたわけですが、スローでも泰然として自分の競馬に徹し、シッカリ前の馬を捕らえているわけですからね。戦前の段階ではどうも状態が本物じゃないという話もありましたから、それを考えれば海外帰りの始動戦としては上出来だったと思います。

期待したブレスジャーニーは、パトロールVで確認したところ、スタート直後に寄られていますね。それで位置を下げてしまったことが致命傷。今日の流れでは出番がありませんでした。ただ、菊花賞が長欠明けの長距離戦、前走が明らかな条件不適の有馬記念と、まだガチンコで走ったらどの程度のものかハッキリしていなかったところで、この結果は痛いなという感想も持ちました。

血統的には、トニービン系サンデーのハーツクライと母父トニービンのワンツー。キンカメ持ちは揃って圏外。もう振り回されっぱなしです。

同日のフィリーズレビューについても一言。
期待したイサチルルンルンは、マイナス14キロの馬体減で相当雲行きが怪しくなったところに来て、スタート直後に寄られ、道中では落馬した馬を交わそうとした馬のアオリを食らって手綱を引く場面。最初から最後まで流れに乗れないまま終わりました。

これまで、馬券圏内自体は多くあったものの、勝ち切れなかったキングカメハメハが同レース初勝利。過去、7頭出走して連対馬がいなかったディープインパクトが連対という結果。
チューリップ賞がGⅡに昇格したこと、今年の3歳牝馬戦線がオルフェーヴル、ルーラーシップやロードカナロアといった新興勢力で上位形成されていることが、この結果に繋がったのだと思います。番組編成と勢力図が、これまでと少し異質のフィリーズレビューを演出したのではないでしょうか。

気になったのは3着デルニエオール。オルフェーヴルの妹ということで血統的に期待が大きい馬。本来ならもう少しゆったりとしたローテーションで使いたかったところでしょう。それでもここ出走を強行したということは、それだけ桜花賞に出したい、出すべき馬だという意識が強いのだと思います。この強行軍が後に悪い影響を与えなければいいのですが、その点を無事にクリアできるなら、実はかなり出世するんじゃないか。そんな印象を抱きました。


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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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