馬券ネオメソッド(レース回顧編)
神戸新聞杯&オールカマーの回顧
第66回神戸新聞杯(GⅡ)
1着
ワグネリアン
2着
エタリオウ
3着
メイショウテッコン
ラップ:
13.0-11.2-12.5-12.5-12.7-12.5-12.5-12.3-11.8-11.2-11.3-12.1
時計:2.25.6
ダービー最先着馬が連対し、間に合わない競馬が多いタイプが好走するという、例年の神戸新聞杯とほぼ同じパターンでの決着。
勝った横綱相撲で後続を完封する文句のない内容。これ以上距離が延びてどうかな? という印象もありますが、ダービー馬の名に恥じない競馬で復帰戦を飾りました。
凄くパワーのある馬なので、雨上がりの馬場とかだともっと高いパフォーマンスを叩くと思います。ディープ×キンカメの配合は道悪巧者が出やすい配合です。
2着エタリオウは、権利獲りという最低限のミッションを受けて直線一本に賭ける競馬。それが本来のスタイルでもあり、直線もシッカリと脚を延ばしました。
今週の阪神芝は、コース替わりの影響を受けて外一気が決まりづらい馬場設定でしたから、それを差し引けばかなりの脚力を見せたと判断できます。その脚質ゆえに菊花賞向きとは思いませんが、ゆきやなぎ賞では、かなりキツい流れの中でマクリを打って4角先頭という衝撃的な競馬をした経験もあります。距離が延びてもう少し流れに乗れるようなら、そのスタミナを活かして好走するシーンもありそうです。
そして、3着メイショウテッコン。
【神戸新聞杯先行チョイ負け馬と菊花賞】
13年 3着 サトノノブレス 5-5-5-4 菊花賞5番人気2着
12年 4着 ユウキソルジャー 5-5-4-3 菊花賞7番人気3着
10年 3着 ビッグウィーク 1-1-3-3 菊花賞7番人気1着
09年 3着 セイウンワンダー 4-5-4-3 菊花賞6番人気3着
07年 2着 アサクサキングス 4-4-3-2 菊花賞4番人気1着
最近、目立って該当する馬がいなかったので予想コラムに書いていませんでしたが、以前に指摘したとおり、神戸新聞杯で先行してチョイ負けした馬は、菊花賞の有力候補になりやすいもの。
スタミナの要求値が高く、上がり上位の差し馬に有利な神戸新聞杯。そこで先行した馬はその時点で既に厳しい立場に置かれており、そこで大きく負けなかったという時点で高評価できるという構図。その結果、先行脚質が有利になりやすい菊花賞でパフォーマンスを跳ね上げるわけです。
今年のメイショウテッコンは、久々に現れた「菊花賞に向けて良い負け方をした先行馬」に該当します。本当はもう1つ2つ下の着順に負けていたほうが、馬券的妙味はあったのですが、いずれにしても要注意の1頭が登場したことに変わりはありません。
第64回オールカマー(GⅡ)
1着
レイデオロ
2着
アルアイン
3着
ダンビュライト
ラップ:
12.6-10.6-12.7-12.3-12.3-11.7-11.8-11.9-11.8-11.5-12.0
時計:2.11.2
いわゆる中山の非根幹距離らしい競馬。6F目から11秒台がズラリと並び、ラスト1ハロンで失速する流れ。勝ったレイデオロはともかくとして、この流れを2番手から粘り込んだアルアインは、これでキャラクターがハッキリしました。
そもそも、メンバー最速の上がりを使ったのは新馬戦の35.1秒1回だけというB級ディープっぽさを見せていた馬(もちろん、この場合の“B級”は最大級の賛辞です)。これだけキャラがハッキリした以上、慎重に取り扱って良いケースで馬券にしたいものです。
こうなってしまうと勝ち切るのはなかなか難しいのですが、11秒台が並ぶ流れがデフォルトのレースでは常に上位争いしてくることでしょう。来年の宝塚記念が大本線。有馬記念も枠順次第で要検討。年明けのAJCCあたりならヨダレものというイメージでしょうか。
勝ったレイデオロは、この流れでも脚をしっかり溜めて瞬発力で差し切ったという内容。流れ無視で力の違いで勝ったケースで、これはクビ差以上に能力の開きがあったと見ていいと思います。
適性>能力というテーマを設定しましたが、適性>能力の分でクビ差まで詰まっただけで、純粋な能力比べ(そんなものが存在するのかは別として)ならもっと差が開いていたんだと思います。
最近のダービー馬は、その後になかなか活躍できないケースが多いので、この馬には違った活躍を見せてもらいたいもの。馬券の話とは離れて、競馬が盛り上がるキッカケになるはずなので。
3着ダンビュライトは、ゲート内でバタつき、ダッシュ付かず中団内という最悪の位置取り。3角でレイデオロとの差が1馬身程度しかなかった時点でもう勝負あったと思っていたところ、さらに4角で下がってくる馬を避けるロスがあって踏み遅れ。もうこれでゲームセットです。むしろよく3着まで来たと思います。
アルアインの位置を取って4角先頭から雪崩れ込み……のような競馬ができれば、この馬もアルアインくらいのパフォーマンスは出せたと思いますが、レース後の武豊騎手のコメントに妙に納得。「だんだんとルーラーシップらしさが出てきた」。なるほど、確かにルーラーシップも特に晩年になって深刻な出遅れの常習犯でしたからね。
それでも、ルーラーシップは32秒台で上がれる脚力を持っていました。それを受け継がず、ゲート難(気性難)だけ受け継ぐとは……何とも不条理なものです。いずれにしても、持ち味を発揮できないケースが今後、増えてしまうかもしれません。
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