馬券ネオメソッド(レース回顧編)
弥生賞など3重賞の回顧
第56回弥生賞(GⅡ)
1着
メイショウテンゲン
2着
シュヴァルツリーゼ
3着
ブレイキングドーン
ラップ:
12.7-11.7-12.5-12.5-12.4-12.3-12.2-12.1-12.3-12.6
時計:2.03.3
大波乱決着となった今年の弥生賞。やはり要因は道悪に求めることになります。特に、3~4角のコース獲りが明暗を分けた格好で、内を通っていた人気馬が総崩れになり、外を回した馬が1~3着。道悪適性の差もあったでしょうが、このレースに関してはレースのアヤというかなかなか戦前の段階で予想するのは難しい結果になりました。
この結果が皐月賞に直結するとは思えない(本番も同じような道悪になれば話は変わってきますが)のと同時に、有力馬と下位グループの間にそこまで大きな差がないことを証明したとも言えます。
弥生賞は、馬場やら賞金持ちやらそういった要素とは関係なく、皐月賞~ダービーで勝ち負けするような馬は普通に結果を出すレースなので。
結果的に、「2勝以上または重賞3着以内」という実績ファクターについては、今年は真逆になりました。
ただ、これに関しては極端に悪化した馬場状態が要因だと考えられます。過去10年で実績ファクターを満たさず馬券になった馬が2頭いると指摘しましたが、そのうちの1頭は、重馬場で行われた10年の3着馬ダイワファルコン。もう1頭は稍重で行われた09年の2着馬ミッキーペトラ。道悪になると条件が緩和される可能性があるようです(それにしても、今年は緩和されすぎな感じもしますが)。これは来年以降の参考にしなければいけません。
注目は、2着シュヴァルツリーゼ。
デビュー戦勝ち後、予定していた共同通信杯を熱発で回避せざるを得ず、ここまで待たされた経緯のある馬(出れば本命にするつもりだったので、よく覚えています)。そんな一頓挫あった中、しかも1戦1勝のキャリアでここまで走れば上出来です。
スタート直後に寄られたことで位置取りを下げましたが、結果的にはそれが馬場の良いところを通ることに繋がるわけですから、怪我の功名という側面があったことは否定できませんが、超スローの流れを好位で運び、最後の1ハロンで一気に差を広げるという抜群の瞬発力をデビュー戦で見せていた馬。多少贔屓目があるかもしれませんが、この馬に関してだけは、馬場やトラックバイアス以上に能力で来た2着という印象が強いです。
本番でもひょっとする可能性がある馬。このまま順調に成長すれば、秋以降にはトップクラスに名を連ねる馬になるんじゃないでしょうか。
第26回チューリップ賞(GⅡ)
1着
ダノンファンタジー
2着
シゲルピンクダイヤ
3着
ノーブルスコア
ラップ:
12.7-11.1-11.7-12.3-12.1-11.3-11.0-11.9
時計:1.34.1
ダノンファンタジーは、無事に始動戦を終えたなという印象。直線で包まれる場面があり、外に進路を切り替えるロスがありましたが、前が詰まったことで脚が溜まったという側面は大きかったと思います。
それでも、余裕綽々に進路を見つけて、しっかり伸びて楽々勝つわけですから、やはりこの世代の牝馬路線では抜けた1頭であることは間違いなさそうです。
ディープ×非ノーザンダンサー系で初のチューリップ賞馬券圏。それができたのも、横の比較で力が抜けていたからこそでしょう。本番でも勝ち負け有力な1頭です。
2着シゲルピンクダイヤは、後方待機からメンバー最速の脚を使って2着。未勝利勝ち直後の重賞挑戦でこれだけ走れば立派ですし、まだ荒削りで成長余地を残していることを考えると、この先はもう注目を怠れません。こういうタイプは、一戦ごとの成長曲線が他馬に比べて大きいので、今回のレースでダノンファンタジーとの勝負付けが済んだと結論付けない方が良いと思います。
素質を持て余してしまうことが多いムーンライトダンス母系で、父がダイワメジャー。字面だけ見ると惜敗が多くなってしまいそうなイメージだけに、今後、どう変わってくるかに注目です。
3着ノーブルスコアは、チューリップ賞得意のディープ×ノーザンダンサー系の配合馬。一応、この馬が7人気3着ということで、何とか予想コラムの面目は保てた格好。今回が-12キロ。本番までに馬体調整が課題になりそうです。桜花賞で穴を開けるパターンの“成績欄が綺麗な馬”に該当するので、状態を維持できれば本番でも面白い存在になるかもしれません。
期待したマルモネオフォースは7着。よく頑張ったと思いますが、この馬は勝負処に辿り着くまでにかなり手応えが悪くなる馬なので、内枠が少し痛かったでしょうか。結果論ではありますが、権利獲り(馬券圏)を狙うのであれば、溜めるだけ溜めて直線勝負に賭ける作戦の方がよかったかもしれません。
いずれにしても、目立たないながら、最後までシッカリ脚は使えていますし、イメージ以上に走る馬だとは思います。今後もコンスタントに好走してくるんじゃないでしょうか。
2番人気5着シェーングランツに関しては、賛否両論というか、2つの見方ができると思います。
アルテミスSを勝った際のラップが、33.9秒で入って中盤で緩み、ラストで再加速する典型的な差し馬向きラップ。前後半4Fで比較すると46.2-47.5秒の1.3秒前傾。阪神JFは、それより少し緩んだものの、やはり47.0-47.1秒の0.1秒前傾。それが今回は47.8-46.3秒の1.5秒後傾で伸び切れず。
この3戦を踏まえて、「アルテミスSは展開が嵌った勝利だった」と見ることもできると思います。それはそれでひとつの見方。ただ、逆に言えば、展開さえ向けば(得意の流れにさえなれば)上位進出の可能性をまだ残しているという見方も可能。今回のチューリップ賞が前傾ラップになって、それで5着に負けましたということなら、これは一発屋だった可能性が高いという結論になってしまいますが、頭数が増えて、もう少しテンから流れる競馬になれば、まだ巻き返しの余地は残しているとも考えられます。
桜花賞の出走メンバーが出揃い、仮にハイペース必至の並びになるようなら、人気落ちのタイミングと相まって評価を上げてみるという手もありそうです。
第14回オーシャンS(GⅢ)
1着
モズスーパーフレア
2着
ナックビーナス
3着
ダイメイフジ
ラップ:
11.4-10.1-10.8-11.4-11.4-12.0
時計:1.07.1
予想コラムでも書いた通り、米国的なパワーが求められるレースで、今年の血統適性一番はモズスーパーフレアだったと思います。ただ、逃げ馬不利なレースであることと人気とのバランスを考えて違う馬に本命を打ちました。
終わってみれば、規格外の馬でしたね。32.3秒で飛ばし、そのまま後続を完封。時計は1.07.1秒。簡単に言えば、「生息速度域」が他馬とは違いすぎます。久しぶりに見た純粋な快速馬だと思います。これ、追い付ける馬いるんですかね?
もちろん、中山のコース形態だからこういう暴力的な競馬が叶うことではあるわけで、中京の1200で同じことができるかはまた別問題だとは思いますが、完全に自分の形を見つけ、馬自体も本格化してきているとすれば、これは相当厄介な存在でしょうね。
2着ナックビーナスは、これで3年連続の2着。運がないとしか言い様がありません。「斤量差が詰まってもモズスーパーフレアとの差が詰まらなかった」というのも事実です。
ただ、昨年の高松宮記念3着馬。本番の舞台に対する経験と適性ではまだこちらに一日の長があるとも言えます。
3着ダイメイフジは、昨年暮れのラピスラズリS同様、大敗→連闘の勝負パターン。今回も成果を出しました。
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