馬券ネオメソッド(レース回顧編)
大阪杯&ダービー卿CTの回顧
第63回大阪杯(GⅠ)
1着
アルアイン
2着
キセキ
3着
ワグネリアン
ラップ:
12.6-11.1-12.7-12.7-12.2-12.4-11.8-11.4-11.6-12.5
時計:2.01.0
上位6頭までが0.3秒差にひしめき合い、また、馬場の内ラチ沿いから外まで目一杯に使った非常に見応えのあるゴール前。ラスト2F11.6-12.5秒が示す通り、各馬ラストは完全にバテ合いの中での壮絶な叩き合い。これぞGⅠという好レースだったと思います。
その激戦を制したのはアルアイン。「ダート的馬力血統」というテーマを母父ボールドルーラー系で満たし、父はディープインパクト。3頭挙げた候補馬の1頭であり、また、昨年の本命馬。好走自体は理解できますが、昨年にしろ今年にしろ、2~3着狙いの複穴というイメージでしたから、正直、この結果には驚きを隠せません。
今日の阪神は、外差しがほとんど利かない馬場になっていて、内を回した馬が上位を賑わしやすい馬場設定。内ラチ沿いでジッと脚を溜め、終い4F11.8-11.4-11.6-12.5という、まさにこの馬向きの持続力ラップに乗った結果。
キセキが中途半端に馬場の真ん中に張り出されたしまったことで、ポッカリ内が開いたことも幸運でしたが、与えられた枠、与えられたペースでできることを全てやった結果。素直に賞賛しなければなりません。
対して、本当に可哀想だったのは2着のキセキ。
番手からの競馬自体は問題なかったと思いますし、流れにも不満はなかったと思います。ただ、ハナを譲った相手がエポカドーロだったのが不運。決して弱い馬ではありませんから簡単にはバテません。その結果、外から捻じ伏せる必要が出てきてしまい、馬場の真ん中を通らざるを得ないことに。
エポカドーロは交わしたものの、ラチも相手もいない、頼れるものが何もない状態でゴールまで踏ん張らなければいけないというのが本当に厳しいこと。結果、開けることになってしまった内を勝ち馬にすくわれてしまいました。
一番強い競馬をしたことは間違いありません。最後にもう一度差し返そうとしていますから、その根性にも頭が下がります。しかし、昨秋からの一連の競馬も合わせて、何とも運がない馬だなと思わされてしまいます。
期待したサングレーザーは後方追走のまま見せ場なく12着大敗。
最後まで競馬に参加することもできませんでした。血統配合的にはイメージにピッタリであり、この馬を本命にしたこと自体は後悔していません(残りの候補馬2頭が好走したことも含めて)が、悔しさが残る馬券にはなってしまいました。
ご参考いただいた方、本当に申し訳ありませんでした。
第51回ダービー卿CT(GⅢ)
1着
フィアーノロマーノ
2着
プリモシーン
3着
マイスタイル
ラップ:
12.1-10.8-11.0-11.2-11.4-11.4-11.6-12.2
時計:1.31.7
マルターズアポジーの逃げなので当然の話ではありますが、失速率の高い前傾戦となった今年のダービー卿CT。どちらかというと1400的な適性が問われたと考えていて、上位馬は本質的なマイル適性よりも、少し短めの距離に触れた適性を武器に好走したかなという印象です。
特に、3着に入ったマイスタイルは、以前から「決め手が全然なくて、非根幹距離向きの馬」と見ていた経緯があるので、今回の結果を受けてより一層、そのイメージを強くしました。おそらく、約束の地は1400の重賞だと思います。
勝ったフィアーノロマーノは、前走のファイナルS(芝1400)が前後半3F34.0-36.0秒という2秒もの前傾ラップ。全体ラップも12.1-10.7-11.2-11.4-11.6-11.8-12.6と、ゴールに向かって綺麗にラップが落ちていく典型的な失速戦を前受けして押し切っており、今回の流れにピッタリの適性を持っていました。このレースに関しては、枠と流れが最高の形で嵌ったという見方が正解かなと思います。
2着プリモシーンは、ダービー卿CTと相性が良くないディープ産駒。同産駒は、昨年まで、人気馬を含めて【0-0-1-12/13】という散々な成績でしたから、むしろよく頑張った2着だなというのが血統的な評価。後述しますが、これは母系の血が活きた結果だと考えられます。
予想ポイントに据えた「サドラーズウェルズ系一族」。今年、唯一の該当馬だったドーヴァーは7着まで。前走のニューイヤーCとほとんど同じ流れ。違うのは全体時計であり、この馬自身も時計は詰めています。それで着順が下がったということは、純粋に力が少し足りなかったと言わざるを得ません。
それにしても、この馬が1番人気というのにはさすがに驚きました。
今回提唱した「中山マイル重賞のサドラーズウェルズ一族」は、今後も十分使えると思います。特に、フェアリーキングのラインに関しては本当に良く来ているので、次回以降も忘れずにマークすることをおススメします。
その一方で、ダービー卿CTにおける新しい血統傾向が見えたことも見逃せません。それが、ダンチヒ系。
今年は、1着フィアーノロマーノ、2着プリモシーンがともにファストネットロックを持っており、3着マイスタイルも母母父がダンチヒでした。このダービー卿CTは、昨年がハービンジャー産駒ヒーズインラブと母父リダウツチョイスのキャンベルジュニアで決着しており、一昨年も母父ロックオブジブラルタルの5人気ロジチャリスが1着。これで3年続けてダンチヒ系持ちの馬が好走したことになります。
来年以降は、これも血統テーマに加える必要がありそうです。
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