馬券ネオメソッド(レース回顧編)
オールカマー&神戸新聞杯の回顧
第65回オールカマー(GⅡ)
1着
スティッフェリオ
2着
ミッキースワロー
3着
グレイル
ラップ:
12.6-11.2-12.8-12.6-12.6-12.2-12.2-11.8-11.2-11.0-11.8
時計:2.12.0
ギリギリ◎グレイルが3着を拾ってくれたわけですが、2着ミッキースワローも含めてトニービン系内包馬が2頭馬券圏に突入。改めて、このレースにおけるトニービンの有用性を示す決着となりました。来年以降、さらにはAJCC、セントライト記念でも、思い出したい血統傾向です。
勝ったスティッフェリオは、逃げ馬不在のメンバー構成を利して積極策。結果的にはこの狙いがバッチリ嵌りました。スローに落として脚を溜め、終いひと伸びで後続を完封。鞍上の丸山騎手にとっても会心の騎乗だったんじゃないでしょうか。
この馬、というよりこの母系は典型的ローカル巧者の血筋で、下のエバーミランダ、シーリアスラブもともにローカルが主戦場。現状の末っ子にあたるシリアスフールも夏の小倉で新馬勝ちしています。
それだけに、今回、この馬が主場開催のGⅡを勝ったことは非常に意義深いと言えます。現状、GⅠレベルでは一枚見劣りする感は否めないだけに、こういったワンチャンスを逃さず捕まえた価値は大きいですね。
2着ミッキースワローは、冒頭に述べたトニービン内包馬という血統面に加えて、中山芝2200でセントライト記念1着、AJCC2着、未勝利戦1着と、これまで抜群のコース適性を証明していた馬。やはり適性が顕著に問われる舞台。この経験と実績がモノを言った2着だったと思います。今後もこういった条件では過去の同コース成績に必ず着目したいところです。
3着グレイルは、前残り傾向が強かった土曜日の段階ではかなり苦しい立場だなぁと思っていましたが、日曜日は馬場差+0.1秒と若干時計が掛かっており、それが奏功した印象。相変わらず出掛けが鈍く、その分だけ差し届かないケースは今後も多くなると思われますが、状態と条件が整えばこれくらいやれる馬だということを改めて証明した走りでした。
その一方、正直驚きの結果だった人気2頭の凡走。特にウインブライトはこれまでの中山実績からまず崩れることはないだろうと思っていただけに、急失速には目を疑いました。距離や外回りコースが直接の敗因とは思えないので、何かなければいいと思うばかりです。
第67回神戸新聞杯(GⅡ)
1着
サートゥルナーリア
2着
ヴェロックス
3着
ワールドプレミア
ラップ:
12.9-11.3-12.9-13.1-13.2-13.5-13.3-12.5-11.8-10.8-10.2-11.3
時計:2.26.8
大枠としては、神戸新聞杯らしい神戸新聞杯だったと思います。ダービー上位組が順当に結果を出し(敗れはしましたが、ダービー最先着馬は今年も連対を確保しました)、後方待機の馬(ワールドプレミア)が上がり最速の脚を使って馬券圏に入る。血統的にもキングマンボ系持ちと鈍足性の強い欧州血統持ちが好走。
ただ、それ以上に衝撃的だったサートゥルナーリアの走り。番手追走から4角先頭の力技で後続に3馬身。しかも、前後半6F76.9-69.9秒という、超が何個もつくようなスローの瞬発力比べで、この着差は決定的。道中後ろから2番手を追走していたワールドプレミアと同じ上がりの脚を使っているわけですから、恐ろしい馬です。
デビュー以来、歴史に残る名馬になる可能性を秘めた馬と評されていた馬が、ついにそのベールを脱いだという印象。この後は天皇賞・秋に向かうそうですが、近年の中でも屈指のハイレベルなメンバーが揃うその場で、果たしてどんな競馬を見せるのか、これは楽しみが増えましたね。
2着ヴェロックスは、スタートから1角に入るあたりで少し行きたがる素振り。このあたりは休み明けの影響でしょうか。それでも道中は抑えが利いていましたし、内容的には正攻法の競馬で2着。相手との力量差をまざまざと見せつけられる、少なからずショックが残りそうな敗戦ではありますが、まずは試走としては上出来と言えるでしょう。菊花賞は他の有力馬不在。現状、やはりこの馬が最もタイトルに近い存在だと思います。
3着ワールドプレミアは、おそらく3着滑り込みで菊花賞への優先権を獲ることを目的としていたのでしょう。無理して勝ち負けに持ち込むより、最低限の結果を全力で獲りに行く競馬。このあたりは、武豊騎手の熟練の技が光りました。
狙ったレッドジェニアルは4着。頭数やペースの問題はありますが、これまでにない好位付けの競馬を試したという印象。これも別の意味で本番を見据えた騎乗だったんじゃないでしょうか。母父マンハッタンカフェから長距離適性は十分。本番に向けて収穫のある競馬ができたと思います。
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