境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

エリザベス女王杯など4重賞の回顧

第44回エリザベス女王杯(GⅠ)
1着ラッキーライラック
2着クロコスミア
3着ラヴズオンリーユー

ラップ:
12.7-11.6-13.3-12.7-12.5-12.8-12.3-11.6-11.5-11.4-11.7
時計:2.14.1


かつてはアーモンドアイのライバルとしてクラシック戦線を賑わし、古馬になってからも最強の競馬を続けてきたラッキーライラックが遂に2つ目のタイトルを奪取。しかも、これまでと異なる内我慢からのイン差し、メンバー最速上がりというイメージ一新の競馬で。直線で迷わず内を選択したことを筆頭に、スミヨン騎手の手腕によるところも大きかったと思いますが、こういう競馬ができるように精神面を鍛えてきた陣営と、前任の石橋脩騎手の働きも見逃せません。決して諦めず、試行錯誤を繰り返して得たタイトル。才能を前面に押し出して獲得した阪神JFとはまた違った感慨があることでしょう。

京都芝の馬場設定は、基本的にはフラットで内外の差はなかったと思います。ただ、土曜日のデイリー杯2歳Sも勝ち馬がイン差しでしたから、やはり微妙に内有利だったという可能性もあります。これはもう少し検証してみたいところ。

クロコスミアはこれで3年連続のエリザベス女王杯2着。立派です。今年に関しては、断然人気を背負ったラヴズオンリーユーが番手に構えてくれたおかげで、他馬のマークが薄くなった利が大きかったという側面があると思います。どうしても、他馬としては先頭を走っているこの馬より、2番手にいる人気馬の動き方を見ますからね。

1番人気ラヴズオンリーユーは3着止まり。今までよりも積極的な位置を獲りに行った結果、一番難しい競馬を強いられたにせよ、春一連の競馬を考えれば、ちょっと物足りない内容ではありました。秋華賞をパスしてブッツケになった影響が少なからずあったのかもしれません。

期待したウラヌスチャームは11着惨敗。全く見せ場もない完敗ではどうしようもありません。他の候補馬も揃って圏外に沈んでおり、個人的にはエリザベス女王杯の変革を感じずにはいられない結果となってしまいました。来年はもう少し考えないといけません。


第55回福島記念(GⅢ)
1着クレッシェンドラヴ
2着ステイフーリッシュ
3着ミッキースワロー

ラップ:
12.3-11.3-11.5-12.1-12.0-12.3-12.1-12.1-11.7-12.1
時計:1.59.5


前後半59.2-60.3秒の平均よりの前傾ラップ。から、道中中団やや後方にいた組がポジションを徐々に押し上げ、ゴール前外から殺到という、いかにも小回り中距離重賞らしい決着。血統的にはステイゴールド産駒がワンツーを決めました。ステイゴールドは、これで17年ウインブライト、18年スティッフェリオに次ぎ同レース3連覇を達成。このレースにおけるトレンド血統の座を確固たるものにしたと考えていいでしょう。

勝ったクレッシェンドラヴは、これで福島コース【1-3-0-0】重賞2鞍を挟んでこの成績ですから、高い場適性は明らか。2着ステイフーリッシュは、古馬になってから使ったGⅢはすべて馬券圏。とはいえ、3歳時にはGⅡ京都新聞杯を制している馬ですから、これも納得の成績。なぜか不当に人気が落ちるタイプなので、今後もタイミング次第で良い馬券になりそうです。

展開を考えると一番頑張っている4着ウインイクシードは、母イクスキューズ自身が福島で新馬勝ち、ラジオNIKKEI賞3着と当地に実績があった馬で、姉ウインマハロも福島で2勝。このコースに対する適性が高い母系を活かした格好。もう5歳ですが、今後も福島重賞出走の機会があれば要注意と覚えておかなければなりません。

予想テーマとして指摘した「母系短距離血統」に関しては、今年、唯一の該当馬だったアドマイヤジャスタが凡走してしまいましたが、来年、また気にしておきたいところ。昨年までの好成績を考えると簡単には見限れないところです。


第24回武蔵野S(GⅢ)
1着ワンダーリーデル
2着タイムフライヤー
3着ダノンフェイス

ラップ:
12.1-11.0-11.6-11.8-12.1-12.1-11.6-12.3
時計:1.34.6


この日の東京ダートは±0.0秒の馬場差。つまり、極めて標準的な馬場。それを考えれば1.34.6秒の決着時計は優秀な部類。

この時計を演出したドリームキラリが刻んだペースは、半マイル46.5秒。遅いことはありませんが、ドリームキラリにとってはそこまで厳しいペースではなかったはず。というより、ドリームキラリという馬は、自分でも苦しいと感じるくらいのラップで飛ばした方が好走することが多いので、少し大事に乗りすぎた印象もあります。
ちなみに、このドリームキラリは休み明けより叩いて良化するタイプ。それを考えれば今回の結果は仕方ないと思います。常に穴を開ける可能性を秘めたタイプの馬なので、今後も注意は怠れません。

逆に、勝ったワンダーリーデルは、かつて沖厩舎に在籍していた頃から典型的な叩き良化型として知られていた馬。休み明けの前走を使ってここというローテが最高だったということでしょう。

レース振りが目立ったのは、5着サンライズノヴァ。先行馬総崩れの中、唯一踏ん張ったのがこの馬であり、同時に、前走と合わせて完全に追い込み一手のキャラクターから変貌したことを証明しました。これは収穫の大きい一戦だったと思います。

そのサンライズノヴァに完全にしてやられたのが、1番人気を背負っていたエアアルマス。とにかく砂を嫌がる馬であることは、これまでのレース振りから明らかで、今回も「いかに砂を被らない位置に誘導するか」というところが焦点だったわけですが、見事にサンライズノヴァにフタをされてしまいましたね(明らかにサンライズノヴァがエアアルマスを意識して乗っていることはVTRからでも分かります)。その後は推進力を欠きゲームセット。能力があることは前走を見ても明らかですが、現時点では枠の並びなど注文が付きます。

血統的には、ストームキャット系スタチューオブリバティ―産駒が勝っているので、一応、血統テーマに沿った決着ではありましたが、人気薄のサンデー系ハーツクライが2着で痛み分けという感じ。ただ、(内容的には最強でも)東京ダ1600重賞の鬼であるゴールドアリュール産駒が結果を出せなかったことを含めて、やはりこのレースは非サンデーの米国血統を重視するレースだと思います。


第54回デイリー杯2歳S(GⅡ)
1着レッドベルジュール
2着ウイングレイテスト
3着ペールエール

ラップ:
12.5-11.0-11.8-12.5-11.9-11.4-11.4-12.0
時計:1.34.5


本命に推したウイングレイテストが7人気2着。血統的には「母母父ブラッシンググルーム」が利いていて、改めてこのレースにおける同系統の重要性を実感した結果。このブラッシンググルームも含み、予想コラムで指摘した欧州的な底力血統には、来年以降も要注目。

そのウイングレイテストが道中後方3番手、そして後方2番手にいたのがレッドベルジュール。結果的には後方待機組のワンツー決着となり、早めの競馬をしたペールエールには苦しい競馬になったわけですが、この上位2頭はともに直線で内を狙っています。わけても、勝ったレッドベルジュールのコース取りは見事!まさに京都外回りを知り尽くした武豊騎手の真骨頂という競馬でした。2着ウイングレイテストも同じところを狙っていたようですが、それを事前に察知していたかのような仕掛けのタイミングで最内に飛び込んだ武豊騎手の勝ち。松岡騎手がどうこうではなく、このレースに関しては武豊騎手がうますぎました。

そのレッドベルジュールは、6月の新馬勝ちから4ヵ月半ぶりの実戦で、+28キロとしっかり馬体を増やし、位置取りを変えて再びの上がり最速。この2戦の内容には文句のつけ処がありません。母系が大舞台向きではないので、課題は今後の成長力ということになるでしょう。


3着に1番人気のペールエール。後方待機組が流れとトラックバイアスを味方につけていることを考えれば、負けて強し内容だったとは思います。いかにもダイワメジャー産駒らしい馬なので、今後も惜敗が続きそうな予感はしますが、逆に、ダイワメジャー産駒らしいガリガリ押す推進力を武器に2~3着に残すケースも多発することでしょう。
ちなみに、この馬は新潟2歳S2着馬。先週も少し触れましたが、同レース3着のビッククインバイオがアルテミスSで3着。3着馬クリアサウンドがファンタジーSで3着。なかなかの物差しレースになっています。

サクセッションは、中山の勝ち方から京都外回りは合っていないと見ていましたが、案の定という競馬。この馬は、初戦が絶対に覚えておくべきパフォーマンスで、兄クルーガー同様、相当高い道悪適性を秘めています。馬場悪化の際には評価を一気に上げる必要がある馬です。




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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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