馬券ネオメソッド(レース回顧編)
フローラSなど3重賞の回顧
第55回フローラS(GⅡ)
1着
ウインマリリン
2着
ホウオウピースフル
3着
フアナ
ラップ:
12.5-11.3-11.3-11.6-11.9-11.9-12.5-11.8-11.8-12.1
時計:1.58.7
とにかく風の強さがばかりが際立った今年のフローラS。最後の直線は、あまりに見たことがないくらい砂ぼこりが舞っており馬の判別にも苦労したほど。数字では計れないところですが、体力と精神力が問われたという側面もあったのではないでしょうか。
そんな中、好位キープから内を丁寧に立ち回ったウインマリリンが勝利。2400以上の距離で存在感を示すきょうだいがいるコスモチェーロ母系ということで、かなりスタミナを内包している馬。タフなレースになったことで、その良さが出ました。
2着ホウオウピースフルも馬群を割って鋭い伸び脚を披露して権利確保。これも兄にブラストワンピースがいる長距離志向の強い母系が活きた好走だったと思います。
3着フアナは、浅いキャリアでの関東圏遠征ということで、さらに体を減らして416キロでの出走となりましたが、外枠から厳しい競馬を強いられても、それを跳ね除けてここまで来るのですから、かなり高い評価をするべきでしょう。日本が誇る名牝系バレークイーン母系出身馬。こちらもやはり良血馬。
今年のフローラSは、良血馬が揃っており、その視点でも楽しめるレースでしたが、終わってみれば2400以上の距離に適性のある母系を持った馬が上位を独占。かなりスタミナを問われたレースになったということが分かります。
レース自体の印象としては、強風の影響があって評価が難しいところはあるものの、1.58.7秒は馬場差-0.4秒と考えれば相当優秀な時計。侮れないレースだと思います。
私が期待したシャレードは6着。シンガリ人気とは驚きましたが、外々追走からよく頑張ってくれました。直線で内に進路を求めてからまた伸びたように見えたので、見立て通り、距離はこのくらい、もしくはもっと延びても良さそうです。
第51回マイラーズカップ(GⅡ)
1着
インディチャンプ
2着
ベステンダンク
3着
ヴァンドギャルド
ラップ:
12.3-11.3-11.7-11.9-11.4-11.3-10.9-11.6
時計:1.32.4
半マイル通過47.2-45.2秒とレースラップの段階で2.0秒の後傾ラップ。しかも、このラップは後ろを離し気味に逃げた2頭が刻んだ数字で、4~5馬身程度離れていた3番手以下の組はもっと遅い前半を走っていることになります。
この流れで、インディチャンプが内枠を利して4番手のラチ沿いを楽々を追走しては、いかに叩き良化型でも58キロでもこういう結果になるよな~という印象。
もちろん、このペースでも折り合いを欠くことなく走れている点は評価すべきですし、道中最後方から脚を使ったヴァンドギャルドの上がり最速32.7秒と0.3秒しか違わない時計で上がっているわけですから、インディチャンプ自体にケチをつけるところはありません。まさに横綱相撲。チャンピオンマイラーとしていよいよ完成の域に入りました。
ただ、このレースに関しては、ある程度前に行くと想定されていたフィアーノロマーノが競走除外になり、ヴァンドギャルドが出遅れて位置を取れなかったりと、多分に恵まれた面も大きかったかなと。
そのヴァンドギャルドは、前走に続いての出遅れ。元々、気難しい馬でゲートに不安を抱えていた馬、一時は解消したかと思わされた時期もありましたが、ちょっと元に戻ってしまった感じ。今後は、このケースを事前に想定して評価する必要がありました。このペースで離れた大外一気で3着まで来るのですから、力はあるんですが……。
ベステンダンクはペースの恩恵を多分に受けたことは否定できませんが、元々、京都外回りマイルは大崩れの無いコース巧者。その適性を如何なく発揮したという側面も見逃せません。最近でいえばグァンチャーレなんかもそうでしたが、京都・阪神の外回りコースは、こういった巧者が生まれやすい条件です。
ヴァルディゼールはペースが上がったところで少し鈍さを見せてしまい、結果的にその差が最後まで詰まらなかったという形。もう少し平均ペースで流れて持続力を問われた方が持ち味が活きそう。ちなみに、デビュー時から思っていることですが、この馬の母ファーゴという馬は、極めて分かりやすい新潟専用機でした。この馬にもその血が流れているわけですから、是非、関屋記念あたりを狙ってほしいものです。
期待したレッドヴェイロンは6着まで。このペースで外後方では厳しいわけですが、重賞に挑戦したここ2戦が思いのほか走れておらず、ちょっと壁を感じるところ。この母系だけに、忘れた頃に再び……という可能性は十分ありますが、上と違って根本的な実績が足りていないだけに、あまり過信しすぎるのも危険かもしれません。
第17回福島牝馬S(GⅢ)
1着
フェアリーポルカ
2着
リープフラウミルヒ
3着
ランドネ
ラップ:
12.4-10.7-11.7-12.6-12.2-11.8-11.9-11.7-11.8
時計:1.46.8
ランドネの蹄鉄打ち換えにかなり時間が掛かり、発走が10分以上遅れた今年の福島牝馬S。繊細な牝馬ですから、多少なりともこの影響を受けてしまった馬は少なくなかったように思います。
1人気エスポワール(12着)、2人気デンコウアンジュ(13着)と、牝馬限定重賞で崩れず走ってきた馬たちが揃って何もできずに凡走という事実が、それを物語っているように思います。
そんな中、今の充実ぶりを見せ付ける快勝を収めたのがフェアリーポルカ。
前走で本命にしていた馬で、能力的にはこれくらい走っても不思議ないものがあることは分かっていましたが、前走はレース適性の高いキングマンボ系、内枠、渋化馬場と好走の条件が揃っていた上での快勝。大して、今回は血統的にアドバンテージがない(あくまで過去のレース傾向からという意味で)レース、良馬場、外枠と前走とは全く状況が異なっていました。それでこの走りですから、もう本物と見ていいということでしょう。脱帽です。
スタート直後は枠なりに外目追走の格好ながら、1角を回ったところではもう内に潜り込んでおり、その後も終始楽な手応えで追走。馬場の真ん中に進路を見つけると、アッサリと抜け出してみせました。
ここに来て操縦性が増している印象で、小回り重賞なら牡馬相手でもいい勝負ができそうです。
2着リープフラウミルヒは、相手なりに走る個性を最大限に活かして連対確保。格下の身でこれだけやれれば立派なもの。勝負処の手応えは抜群で、リアルタイムで見ているときには「これが勝つのかな」と思わせるほどでした。
惜しむらくは、手応えが良すぎたか安全策の外回しを選択したこと。もっとも、今の福島は外から差せる馬場でもありますし、この判断自体は妥当だったと思います。勝ち馬がそれ以上に上手く乗ったということで、これは相手を褒めるしかありません。
ただし、この馬は先述の通り相手によってパフォーマンスが上下するタイプ。自己条件に戻ったからといって、盤石の存在になるわけではないという点は注意しておいた方がいいでしょう。
期待したサラキアは枠なりにロスのない位置を取っていましたが、4角で下がって車がいてポジションを押し上げるタイミングを逸してしまったところがありました。ちょっともったいない競馬だったかなと思います。
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