馬券ネオメソッド(レース回顧編)
オークス&平安Sの回顧
第81回オークス(GⅠ)
1着
デアリングタクト
2着
ウインマリリン
3着
ウインマイティー
ラップ:
12.3-11.1-12.0-12.3-12.1-12.7-13.0-12.6-12.1-11.2-11.2-11.8
時計:2.24.4
今年もメンバー最速の上がりを使って差してきた馬が勝利。オークスらしい決着だったと思います。
勝ったデアリングタクトは、道中後方待機から直線は一旦は外に出そうとする場面。そこに空きがないと見るや、瞬時の判断で馬場の真ん中に切り替えての差し切り勝ち。終わってみれば楽勝の格好ですが、さすがにこれだけの舞台、松山騎手も少し慌てたんじゃないでしょうか。ちょっと強引なコース取りに見える場面もありました。
しかし、馬自体はどこ吹く風といった風情で、追い出されると手応え通りの伸び脚を繰り出し、半馬身差以上に差を感じさせる完勝。道中の折り合い、馬群で揉まれる形も大丈夫。この世代の牝馬同士なら、ポテンシャルのみならず心身のバランスも一枚上といった印象を受けました。
2着ウインマリリンは、いかにも外枠の横山典弘騎手らしい騎乗で、2角手前ではもう内ラチ沿いを通る形。1角の入りでアブレイズが譲らぬ姿勢を見せたところで、強気に外から突っかけながら、2番手をキープすると軽くブレーキを踏んで内ラチ沿いへ誘導。こういう硬軟織り交ぜた乗り方は横山典弘騎手の真骨頂ですが、それに応える馬も立派なもの。フローラS好時計勝ちの実績はダテではありませんでした。
3着ウインマイティーも道中は内ラチ沿い。コースロスなく運び、直線では一旦先頭から押し切ろうかという勢い。最後は勝ち馬の決め手に屈しましたが、内容的には及第点以上でしょう。あくまでレースの性質という意味でですが、ダービーなら勝っていただろうなという取り口でした。
惜しかったのは5着マジックキャッスル。先述のとおり、デアリングタクトが外から内に狙いを切り替えるわけですが、そのアオリを食らったのがこの馬でした。
さあここからというところで一旦ブレーキを踏まされています。最後はシッカリと伸びているだけに、あそこがスムーズだったら……と思うところもあるレース振りでした。
期待したマルターズディオサは、道中で少し行きたがる場面があり、最後の直線も手応えほどスパッと脚を使えなかったあたり、世間の見立て通り距離が長かったということでしょうか。母系の底に眠るヌレイエフの血に期待したのですが、力及ばずという結果。
最後に、これは完全に余談ですが、前日配信の公式LINEで指摘した通り、今週の東京芝はロベルト系保持馬の活躍が目立ちました。
土曜日は、施行6鞍の芝レースで、6頭の該当馬が連対していました。この結果を受けて、LINEではオークス出走のロベルト系保持馬を3頭ピックアップしたのですが、そのうち2頭がワンツーを決める結果に。
重賞競走に関しては、直近の傾向より過去の同一レースの傾向の方が大事だと思っていますが、たまにはこういう結果もあるものですね。
第27回平安ステークス(GⅢ)
1着
オメガパフューム
2着
ヴェンジェンス
3着
ゴールドドリーム
ラップ:
7.1-11.1-11.9-12.9-12.4-12.3-12.2-12.3-11.7-12.1
時計:1.56.0
59キロをモノともせず、終始楽な競馬で勝ち切ったオメガパフューム。今回は、中間の稽古から随分と熱心にやっているなぁという印象を受けていて、休み明けでもかなりの仕上がりで出てくるだろうと見ていました。
また、やはり大きいのは右回り。この馬、取りこぼしているのは全て左回りで、右回りのダートに限れば、これで【8-3-1-0】のパーフェクト馬券圏、中央のGⅠがいずれも左回りなのが本当に惜しいところではありますが、ダート馬としての性能は相当に高いと思います。
2着は本命馬ヴェンジェンス。道中で多少行きたがるようにも見えましたが、内で揉まれるよりは遥かにマシで、これはもう幸騎手が本当に馬の個性を理解しているなぁという騎乗。別に今更言うことでもありませんが、完璧に手の内に入れていると思います。
4角を回る手応えも絶好で、これはやったか!? と思わせてくれましたが、最後は勝ち馬の地力が一枚上でした。斤量差も考えれば完敗の2着だったとは思います。
ただ、この馬もオメガパフューム同様、コースの左右でパフォーマンスがガラリと変わる馬。幸騎手が乗る以上、もう枠の内外を問うこともないでしょうし、今後も右回りのダートならこのくらい走れるでしょう。
ゴールドドリームは、正攻法の競馬で3着。どちらかと言えばもっと直線スピードが活きる条件の方が良い馬なので、仕方ない結果とも言えますが、さすがに3歳時から一線級で走り続けている馬ですからね。
ロードレガリス、スワーヴアラミスの上がり馬2頭は、完全に一線級の壁に跳ね返されたという内容。これまでのレースレベルからここでも十分通用すると見ていましたが、全く歯が立ちませんでした。
ロードレガリスに関しては、スタートから後手後手に回り、完全に馬がプッツンしてしまっていましたが、これを参考外と捉えるのは簡単ではなく、これだけの馬が揃えば楽な競馬はできないということで、楽な競馬ができなければ脆さが先に立つ現状であるということがハッキリしたと見るべきだと思います。
勝ち馬オメガパフュームがフォーティナイナー系スウェプトオーヴァーボード産駒で、2着ヴェンジェンスがヴァイスリージェント系内包馬のヴェンジェンス。今年も例年通り、米国性の強いこの2系統が上位に入りました。これは来年以降も覚えておきたいところ。
3着に日本適性の高いフレンチデピュティを持つゴールドドリームが入りましたが、基本的にはヴァイスリージェント系は非・フレンチデピュティ~クロフネのラインを狙うべきだと思います。
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